この特集では実在の小説家自身の物語や、その小説家に影響を受けた人物が主人公の作品、またはその作家の小説の映画化作品にフォーカスを当ててご紹介します。一度ではご紹介しきれないので、最初からシリーズ化し、今回は第1弾としてお届けします。
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チャールズ・ディケンズ
イギリスの国民的作家(1812-1870)。中流階級に生まれたが、父親が破産し10代で働きに出る。その後、新聞記者となり、仕事の合間に小説を書いていたとされている。作品は、「オリバー・ツイスト」「クリスマス・キャロル」「デイヴィッド・コパフィールド」「大いなる遺産」「二都物語」などがある。
Merry Christmas! ~ロンドンに奇跡を起こした男~
監督:バハラット・ナルルーリ
出演:ダン・スティーヴンス/クリストファー・プラマー/ジョナサン・プライス
「クリスマス・キャロル」にまつわる誕生秘話。彼の不屈の精神と、筆の力で苦難を乗り越えたドラマチックな出来事を知り、ますますチャールズ・ディケンズが好きになります。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~(字幕版)
Disney’s クリスマス・キャロル
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジム・キャリー/ゲイリー・オールドマン/コリン・ファース/ボブ・ホスキンス/ロビン・ライト・ペン
お金持ちが幸せとは限らないこと、でも心1つで誰でも幸せになれるということを教えてくれます。
どん底作家の人生に幸あれ!
2021年1月22日より全国順次公開
監督:アーマンド・イアヌッチ
出演:デヴ・パテル/ピーター・キャパルディ/ヒュー・ローリー/ティルダ・スウィントン/ベン・ウィショー
チャールズ・ディケンズの半自伝的小説と言われる「デイヴィッド・コパフィールド」を映画化。どん底にいても輝いているキャラクター達の姿に、幸せの鍵が見えてきます。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
オリバー・ツイスト
監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク/ベン・キングズレー/ハリー・イーデン/エドワード・ハードウィック/マーク・ストロング
これでもかというほど酷い目に遭うオリバーを観ていると辛すぎるのですが、それでも心を失わないオリバーにすごく癒され、勇気をもらえます。
大いなる遺産
愛への執着とお金への執着が人の人生を狂わせていくストーリー。キャストが異なるバージョンを観比べてもおもしろそうです。
<1998年版>
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:イーサン・ホーク/グウィネス・パルトロウ/アン・バンクロフト/ロバート・デ・ニーロ
<2012年版>
監督:マイク・ニューウェル
出演:ヘレナ・ボナム=カーター/レイフ・ファインズ /ジェレミー・アーヴァイン/サリー・ホーキンス/ロビー・コルトレーン
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン
南アフリカのオレンジ自由国(現・南アフリカ共和国フリーステイト州)ブルームフォンテン生まれのイギリス人作家(1892-1973)。4歳の時に父を亡くし、12歳の時に母を亡くした。オックスフォード大学で学び、言語学、文学を研究。「ホビットの冒険」「指輪物語」を遺した。
トールキン 旅のはじまり
監督:ドメ・カルコスキ
出演:ニコラス・ホルト/リリー・コリンズ/デレク・ジャコビ/トム・グリン=カーニー
早くに親を亡くしたトールキンがどのように育ち、学問がいかに彼の糧になったかを知ることができます。言語学のおもしろさがきっかけとなり、彼の才能が引き出されていく過程が活き活きと描かれています。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ホビット 思いがけない冒険
※第2部『ホビット スマウグの荒らし場』/第3部『ホビット ゆきて帰りし物語』
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イアン・マッケラン/マーティン・フリーマン/リチャード・アーミティッジ/ケイト・ブランシェット/イアン・ホルム/クリストファー・リー/ヒューゴ・ウィーヴィング/イライジャ・ウッド/アンディ・サーキス
彼が作り出した本作の世界には、彼の言語学の才能が溢れています。そして彼の生い立ちを知ってから本作を観ると、より“冒険”が味わい深くなります。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ロード・オブ・ザ・リング
※第2部『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』/第3部『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』
監督:ピーター・ジャクソン
出演:イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン/ヴィゴ・モーテンセン/リヴ・タイラー/オーランド・ブルーム/ショーン・アスティン/ケイト・ブランシェット/ドミニク・モナハン/ビリー・ボイド/ショーン・ビーン/アンディ・サーキス/ヒューゴ・ウィーヴィング/イアン・ホルム/ジョン・リス=デイヴィス
指輪を探しにいくのではなく、捨てにいく話というのがこれまたユニーク。
ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー
1919年1月1日、ニューヨーク市生まれのアメリカ人作家(1919-2010)。「ライ麦畑でつかまえて」は世界的ロングセラーとなったが、余生は人里離れたところにこもって過ごしたとされている。
ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー
監督・脚本:ダニー・ストロング
出演:ニコラス・ホルト/ケヴィン・スペイシー/ゾーイ・ドゥイッチ/ホープ・デイヴィス/サラ・ポールソン
作家を目指していた学生時代から、従軍時代を経て、その後彼がどんな苦しみを抱えて生きていたかを描いています。彼にとって書くことは、生きることだったというのがわかります。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ライ麦畑で出会ったら
監督:ジェームズ・サドウィズ
出演:アレックス・ウルフ/ステファニア・オーウェン/クリス・クーパー
主人公は「ライ麦畑でつかまえて」に魅了された少年。同作を舞台化したいと考えた少年は、サリンジャーの許可を得ようと、彼を捜し出し…。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ジャック・ロンドン
サンフランシスコ生まれのアメリカ人作家(1876-1916)。「野性の呼び声」で人気作家となった。その他、「白い牙」「火を熾す」「犬物語」などの作品を遺した。
マーティン・エデン
2020年9月18日より全国順次公開中
監督・脚本:ピエトロ・マルチェッロ
出演:ルカ・マリネッリ/ジェシカ・クレッシー/デニーズ・サルディスコ/ヴィンチェンツォ・ネモラート/カルロ・チェッキ
ジャック・ロンドンの自伝的小説。工場やアザラシ漁船で働いていた彼の経験が、主人公に投影されています。無学だった青年が独学で作家を志し、這い上がっていきながらも孤独に生きる姿が印象的。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
野性の呼び声
監督:クリス・サンダース
出演:ハリソン・フォード/ダン・スティーヴンス/カレン・ギラン/オマール・シー
ジャック・ロンドンの出世作。暴れん坊の犬が野性にかえり、自分の居場所を見つけていく姿と、それを見守る老人の姿を重ね合わせ、生き甲斐とは何かを問うストーリーとなっています。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
トルーマン・カポーティ
アメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ(1924-1984)。19歳で執筆した「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞し、その名を広めた。。主な著書に、「遠い声 遠い部屋」「夜の樹」「草の竪琴」「ティファニーで朝食を」「冷血」「叶えられた祈り」などがある。ファッションやアートの世界でも才能を発揮し、社交界でも伝説を遺した。
トルーマン・カポーティ 真実のテープ
2020年11月6日より全国順次公開中
監督・製作:イーブス・バーノー
出演:トルーマン・カポーティ/ケイト・ハリントン/ノーマン・メイラー/ジェイ・マキナニー/アンドレ・レオン・タリー
生前の彼の姿を収めたドキュメンタリー。華やかな世界で注目されながら、孤独感を抱えていた両面が見えます。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ティファニーで朝食を
監督:ブレイク・エドワーズ
出演:オードリー・ヘプバーン/ジョージ・ペパード/パトリシア・ニール/バディ・イブセン/マーティン・バルサ/ホゼ・ルイス・デ・ビラロニア/ミッキー・ルーニー
オードリー・ヘップバーンの代表作の1つとしても知られる不朽の人気作。上記のドキュメンタリーでカポーティの当時の考えを知ってから改めて観ると、違った角度で楽しめます。
冷血
PG-12
監督:リチャード・ブルックス
出演:ロバート・ブレイク/スコット・ウィルソン/ジョン・フォーサイス
この作品も、カポーティの歴史を知る上で外せない作品のようです。
カポーティ
監督:ベネット・ミラー
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリフトン・コリンズJr,/クリス・クーパー
「冷血」を書いていた頃のカポーティを描いた作品。故フィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティを好演。
ジョージ・オーウェル
インド生まれのイギリス人作家でジャーナリスト(1903-1950)。本名はエリック・アーサー・ブレア。1933年に「パリ・ロンドン放浪記」で作家デビュー。1945年に出版された「動物農場」がベストセラーとなった。1948年に出された「1984年」はその後、映画化、テレビドラマ化、漫画化されただけでなく、さまざまな分野で今もなお大きな影響を及ぼしている。
赤い闇 スターリンの冷たい大地で
PG-12
監督:アグニェシュカ・ホランド
出演:ジェームズ・ノートン/ヴァネッサ・カービー/ピーター・サースガード
本作の主人公は、スターリン政権下のソビエト連邦の飢饉を暴いた英国人記者ガレス・ジョーンズですが、語りべ的な存在としてジョージ・オーウェルが登場し、「動物農場」になぞらえて、物語が進行していきます。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
ザ・ハント
2020年10月30日より全国公開中
R-15+
監督:クレイグ・ゾベル
製作:ジェイソン・ブラム
出演:ヒラリー・スワンク/ベティ・ギルピン/エマ・ロバーツ
ヒラリー・スワンクが演じるアシーナのセリフに登場し、本作のさまざまな場面で引用されています。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
日本沈没2020
Netflixにて配信中
監督:湯浅政明
声の出演:上田麗奈/村中知/佐々木優子/てらそま まさき/吉野裕行/森なな子/小野賢章/佐々木梅治/塩田朋子/濱野大輝/ジョージ・カックル/武田太一
シーズン1のストーリーで、「1984年」が何かしら鍵を握るアイテムとして登場します。
映画化が難しいとされる小説も多いですが、映画化せずにはいられない魅力があるんだろうと思います。小説家自身の人生が映画化されたものも多くありますが、それだけ作家本人がドラマチックな人生を歩んでいて魅力的だからでしょうね。作家の人生を知りつつ、作品を観るとおもしろさが一層増すので、ぜひ合わせて観てみてください。
TEXT by Myson
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