現代は情報に溢れており、不確かなニュースを判別することも難しくなってきました。でも、誰も正しい情報を伝えようとする努力、正しい情報を得ようとする努力をしなくなった時、世界はどうなってしまうのでしょうか?今回はそんなことを考えさせられる映画、命や人生をかけて正しい情報を世に伝えようとした人々の実話をご紹介します。
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ジャーナリストとして権威と闘う!
赤い闇 スターリンの冷たい大地で
2020年8月14日(金)より全国公開
PG-12
監督:アグニェシュカ・ホランド
出演:ジェームズ・ノートン/ヴァネッサ・カービー/ピーター・サースガード
強くて豊かな国が“演出”されている裏で、人々が飢えに苦しんでいる様子を、若きジャーナリストが暴いたものの…。何が何でも封じ込めようとする国家権力の恐ろしさも同時にわかります。
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
アグニェシュカ・ホランド監督インタビュー
ニュースの真相
監督・脚本・製作:ジェームズ・ヴァンダービルト
出演:ケイト・ブランシェット/ロバート・レッドフォード/エリザベス・モス/トファー・グレイス/デニス・クエイド/ステーシー・キーチ
情報を受け取る側の反応がいかに影響力を持つかということにフォーカスした作品。ジャーナリストだけが努力するのではなく、受け取る私達にも責任があると同時にパワーがあることを教えてくれます。
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:メリル・ストリープ/トム・ハンクス/サラ・ポールソン/ボブ・オデンカーク/トレイシー・レッツ/ブラッドリー・
ウィット・フォード/ブルース・グリーンウッド/マシュー・リス/アリソン・ブリー
絶対的な権力に屈しないジャーナリスト達の努力によって、私達が真実を知ることで、民主主義を守ることにも繋がるんですね。
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記者たち~衝撃と畏怖の真実~
監督:ロブ・ライナー
出演:ウディ・ハレルソン/ジェームズ・マースデン/ジェシカ・ビール/ミラ・ジョヴォヴィッチ/ロブ・ライナー/トミー・リー・ジョーンズ
誰が真実を語っているかということに、企業や媒体の規模の大小は関係ない。疑いの目を持ちながら、情報に接するのも大事ですね。
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ロブ・ライナー監督来日会見
スポットライト 世紀のスクープ
監督:トム・マッカーシー
脚本:トム・マッカーシー/ジョシュ・シンガー
出演:マイケル・キートン/マーク・ラファロ/レイチェル・マクアダムス/スタンリー・トゥッチ/リーヴ・シュレイバー
信仰という名の下に、聖職者によって行われている性的虐待。信者が声をあげにくいからこそ、ジャーナリスト達の闘いは救いになったのではないでしょうか。
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個人で権力に立ち向かった人々
オフィシャル・シークレット
2020年8月28日より全国公開
監督:ギャヴィン・フッド
出演:キーラ・ナイトレイ/マット・スミス/マシュー・グード /レイフ・ファインズ
正しいことをしても犯罪者にされてしまう立場で、主人公はよくぞ立ち上がったと思います。どんなに怖かったかと想像がつきませんが、それでも国民の1人として、国民全体のことを思った彼女のような人がいるからこそ、まだ世界は保たれているのかも知れません。
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デビルズ・ダブルーある影武者の物語ー
監督:リー・タマホリ
出演:ドミニク・クーパー/リュディヴィーヌ・サニエ
独裁者サダム・フセインの悪名高き息子ウダイ・フセインの影武者にされてしまったラティフ・ヤヒア氏の実体験を映画化。ご本人が来日した会見に参加しましたが、信じられないくらい辛い体験をされてもなお、事実を伝えようと尽力されていて、世界には知るべきことがたくさんあることを教わりました。
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ラティフ・ヤヒア氏来日会見
バグダッド・スキャンダル
監督:ペール・フライ
出演:テオ・ジェームズ/ベン・キングズレー/ジャクリーン・ビセット/ベルシム・ビルギ/デビッド・デンシック/ロッシフ・サザーランド/レイチェル・ウィルソン
国連職員としてイラク現地に飛び、善い行いの裏で行われている汚職の実態を目の辺りにしたマイケル・スーサン氏の小説を映画化。国連ですらこうなっているとは残念ですが、彼の決死の努力で今は改善されていることを祈ります。
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シチズンフォー スノーデンの暴露
監督・撮影・プロデューサー:ローラ・ポイトラス
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:エドワード・スノーデン/ローラ・ポイトラス/グレン・グリーンウォルド
スノーデン
監督・脚本:オリバー・ストーン
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/シャイリーン・ウッドリー/メリッサ・レオ/ザッカリー・クイント/トム・ウィルキンソン/スコット・イーストウッド/リス・エヴァンス/ニコラス・ケイジ
一時は、日本でもスノーデン氏の話題で持ちきりでしたね。CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)で実際に働いていた人が、国家による一般市民の通信データ収集の実態を告発したことで、映画やドラマでよく描かれている出来事はやっぱり本当なんだと衝撃を受けました。
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オリバー・ストーン監督来日会見
この人にごまかしは効かない!突撃取材でお馴染みマイケル・ムーア
華氏119
監督:マイケル・ムーア
出演:アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ
映画にすることで、私達によりわかりやすく、とっつきやすい形で、世の中で起きている問題に興味を持たせてくれるマイケル・ムーア監督。どんな大物にもひるまずにマイクを向けるマイケル・ムーア監督のような人は本当に貴重な存在です。
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日本の報道について、一般の方の生の声をご紹介!
※グラフで示した結果とともに、「あなたの情報処理の仕方」アンケートとして実施。15歳以上の女性337名(トーキョー女子映画部正式部員)に回答頂いた中から一部ご紹介。
- 芸能人の私生活について必要以上に報道したり、見てもらうための大げさな表現が多いなと感じます。(10代後半)
- 先日の吉村知事のイソジンニュースもそうだったが、メディアから発せられる情報になんの疑いも持たずに思考停止している人達が、「民意」となってしまっていると感じる。情報を多角的に捉え、複数のソースを当たり、すべて鵜呑みにしないという姿勢が必要だと思う。(20代前半)
- 政府への忖度がある報道なども多いように個人的に感じています。同時にワイドショーなどでは一般の方の特に根拠なき井戸端会議が垂れ流しになっているような気がして、テレビで流れる情報の価値は低くなってきたのでは、と考えています。自分では積極的に多数の視点から話を捉えられるよう複数メディアで情報を得ようと努めていますが、誰もが信頼性のある情報、特に専門家からの客観的事実を得られるような環境になればいいのにな と感じています。(20代前半)
- 正しい情報を受け取るようにする能力も必要だが、情報によって自分が傷つかないように、自分を情報から守る能力も必要だと思う。(20代前半)
- テレビは都合のいいとこを切り取って放送する、新聞は○○派などの偏った見方が多い、週刊誌は会社によっては事実でないことも発刊す、政府は大事なことを伝えない。 同じ事柄でも、たくさんの媒体から1つのニュースを多角的に見て判断する必要がある。(20代後半)
- 日本の情報バラエティ番組は専門外の人が井戸端会議レベルのコメントを述べるだけ、報道番組は情報に偏りがあり重要なことを報道しない、ネットニュースはデマや差別扇動が多く、社会に悪影響を与えている。重要な情報を収集するためにも、精神衛生のためにも、報道のひとつひとつを取捨選択しなければならない時代だと常日頃から思います。(20代後半)
- 不誠実な取材に基づく偏った報道が多く、国民の知る権利に寄与していないと思います。 もうマスメディアの役割は一個人が担っており、単に発信力がある厄介な機関になってしまっていると感じております。(20代後半)。
- 真実よりも早く発表することや、批判を避けるような報道が多い。(30代前半)
- 『新聞記者』という映画を観たら、報道が信じられなくなりました。報道は、誰かから見た真実ではないかと疑問に感じています。(30代後半)
- 明らかに間違った政府や検察の対応に対して、切り込んだ取材やコメントをするメディアが少なすぎる。 国民に真実を伝えようとする気概が感じられない。(40代前半)
- 以前は当たり前に受け止められていたことが、事実として受け止められなくなった。報道とは何か、誰のためのものなのかと考えさせられます。(40代後半)
- おもしろ可笑しく、他人の不幸や失敗を取り上げる風潮には反対。(50代)
- その後が報じられるようにしてほしい。(50代)
- インスタ映えするもの、大衆に受けが良いもの、インパクトの強いもの、そんなニュースばかり取り上げているように思える。世界にはもっと深刻で重要な出来事がいっぱいあるはず! 独自の取材ではなく、一般人のSNS頼みのニュースが多いのでは?(60代)
アンケートから、メディアによって信用度の違いがあることがわかりますが、どのメディアも完全に信じているという人は少ないですね。情報がたくさんあるからこそ複数のメディア、媒体を自分で調べて比較するようにしているというご意見も多かったです。こういったアンケートは、もともと意識の高い方が答えてくださる傾向があるので、一般的な信用度は少し違ったものかも知れませんが、本アンケートからは、流れてくる情報を受動的に鵜呑みにせず、能動的に扱う姿勢を取っている方が増えてきている感触がありました。
情報の種類にもいろいろあり、人を傷つけるゴシップ記事もあれば、世に伝わるべきニュースもあります。映画がきっかけで、長年隠された真実を後から知ることも多々ありますが、その情報がいかに自分達の運命を左右しうるものだったかを知ると、受け取る側も情報を丁寧に扱わなければと実感します。
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TEXT by トーキョー女子映画部正式部員&Myson