『君と歩く世界』ジャパンプレミア、マリオン・コティヤール、ジャック・オディアール監督、中谷美紀(特別ゲスト)
2013年3月26日、本作のPRのためにフランスを代表する人気女優マリオン・コティヤールと、ジャック・オディアール監督が来日しました。マリオンは日本語で「コンニチハ」と挨拶。マリオンはフランスの国民的歌手の壮絶な一生を描いた『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(2007)で、フランス人としては史上2度目となるアカデミー賞主演女優賞を受賞。同作のPRで来日してから6年ぶりに日本に来てくれました。
今作では両足を失うステファニーという役を演じたマリオンですが、この役に抜擢された感想について「オディアール監督が、この役に私を選んでくれたことを本当に嬉しく思います。シナリオを読んで、この女性はとても強い存在感を持った女性で、ストーリーも素晴らしいし、私は世界一幸せな女優だなと思いました」と語りました。それに対し、キャスティングの理由について監督は「昔からマリオンと私のキャリアが交差するときがいつか来るんじゃないかと思っていました。なので、彼女ができないと言ったら、他の女性は考えられなかったくらいです。だから実は彼女の家に行って、彼女の手をとって“どうぞお願いします”と言ったら、“はい”と言ってくださったんですよ」と答えました。相思相愛でキャスティングが決まったんですね。才能と才能は運命的に出会うんですね〜。
両足がないということで、撮影が大変だったのではと司会者から質問されると、マリオンは「苦労という表現には当たらないかも知れません。一つだけ、少し難しいなと思ったシーンは、病院で自分の足が無くなっていると気付くシーンです。どういうリアクションをすれば良いのか悩みましたが、監督と一緒に考えて本当らしさが見つけられたと思います」とエピソードを話してくれました。そして監督は「そんなに難しいことは無かったですし、シンプルなことです。もちろん、10年、15年前だったら難しかったかも知れないですが。でも、マリオンが自分の両足をカットすることを“ウィ(イエス)”と言ってくれたら、一番簡単だったでしょうね」と冗談も交えて答えていました。「オーケーするわけないでしょ!」とツッコミを入れたくなりましたね(笑)。
そして、この日はマリオン・コティヤールと同い年(37歳)の日本の女優代表として中谷美紀が登壇。中谷美紀は「失った両足以上に、ステファニーは仕事や自尊心や周りの人々との信頼関係など、目に見えない多くのものも失ったと思うのですが、そんな姿を見ていてとても辛かったんですけども…。粗野で無思慮で自分勝手な男性、普通に考えたら愛せるタイプではない男性との出会いによって希望を見出していく姿に心を打たれました」と感極まりながら映画の感想を語りました。中谷の目には涙が溢れていたのですが、その言葉にマリオンは「いつも感動したという方のお話を聞いて私自身も感動するのですが、中谷さんという女優さん、こういう職業を知っている方がそう言ってくださると本当に嬉しいです」と答え、ハグで思いを返していました。“女優”として戦う同士という感じで、ビビビっと来たんでしょうね。言葉でなく心が通じたという空気がこちらにも伝わってきました。で、中谷美紀は時折、フランス語を流暢に話していて「まさか、この日のために?!」とも思いましたが、以前から勉強していたのにせよ、とても女優魂を感じたし、ドレス姿のマリオンを立てるためなのか、黒いパンツスーツで登場したのもかっこいいなと好感度がアップしました。
ということで、6年ぶりに生のマリオンを見られたことは私にとっても嬉しくて、とても綺麗でしたが、こんなに美しい女性が足を失うという話ですから、余計に衝撃的ですよね。お話も想像しているのとは違う展開で、見応えのある作品です。ぜひ観てください!
『君と歩く世界』
2013年4月6日より全国公開
配給:ブロードメディア・スタジオ
http://www.kimito-aruku-sekai.com
©Why Not Productions – Page 114 – France 2 Cinéma – Les Films du Fleuve – Lunanime
トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定
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マリオン・コティヤールの来日に、中谷美紀が感涙! はコメントを受け付けていません