映画『麻雀放浪記2020』完成披露試写”しない”舞台挨拶:斎藤工、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人
劇場公開日を間近に控え、出演者のピエール瀧の逮捕騒動で劇場公開が危ぶまれていた本作は、ピエール瀧の出演シーンをそのまま残して上映されることが、2019年3月20日の朝に発表されました。そして、同日夜には完成披露試写“しない”舞台挨拶を実施。本作は、もともと(騒動は関係なく)マスコミ含め試写を一切行わない方針で宣伝しており、この日来場した観客の方も、本作は観られないという、これまでにない舞台挨拶として行われました。
普段は子豚を抱えているのがトレードマークのアーティスト、チャラン・ポ・ランタンのももは、今日はシマウマを抱えて登場。そのワケが司会から明かされると、「映画のお話がきているというのを聞いて、割と最初の時点で、シマウマと“いたす”役というのはざっくり聞いていて、“あ〜あ〜、ふんふん、ん?”という感じのところから始まりました。ドテ子のキャラクターはぶっ飛んでいるんですが、私とちょっとリンクするところもあります」とコメント。すると白石監督が「最初にお会いした時も、“私は歌を歌ってるので、なんかこうやってここにいますけど、それがなければ、完全にドテ子です”って言ってました。それはシマウマのシーンもある上でそういうことを言ってるんで、大丈夫かなと(笑)」と明かすと、ももは「言いました、そんなこと。でも、割とちょっとリンクしてしまうところはあるんですが、シマウマ…そうですね。ちょっと何言ってるのかわからないですよね(笑)」と返し、笑いを誘いました。
続いてベッキーは、1984年の和田誠監督作品『麻雀放浪記』で加賀まりこが演じた役(麻雀クラブのママ)を演じるということで、加賀まりこに挑戦するようなシーンがあると話題を振られると、「挑戦と言うと大変おこがましいんですけども、オリジナル作品で加賀さんが、“元禄積み”というイカサマ、裏技をやられているんですね。それがワンカット撮影で、斎藤さんもすごくそのシーンがお好きだそうなんですけど、それを同じようにワンカットで撮りたいと監督に言われました。でも、すごく難しいんですよ。それを1ヶ月半、毎日特訓して、ベッドの横に雀卓を作って、朝起きたらワザ、仕事行って帰ってきたらワザ、寝る前にワザみたいな生活を送り、何とかワンカットで撮って頂きました」と撮影秘話を披露しました。監督によると、結局14回くらい、ベッキーが納得するまで撮影して、そのシーンだけは、ベッキーがOKにしたカットを採用したそうです(笑)。ぜひ劇中では注目したいところですね。
竹中は1984年の『麻雀放浪記』について振られると、「遠い遠い昔に観てますね。まだ髪の毛があった頃です」とジョークを飛ばすと、会場から笑いが起きました。そして、「でも俺、麻雀が全然できないんです。昔、三池崇史監督の『岸和田少年愚連隊』という作品で、麻雀ができるオヤジの役だったんですけど、“リーチ”って言うのが恥ずかしくて、恥ずかしくて。今回も、本当に麻雀牌をいじるのが難しいの。(ジェスチャーを交えて)こうやってひっくり返すやつ。プロみたいな役なんですけど、本当に恥ずかしくて。監督の優しい眼差しのもと、何とか集中してやることができて、本当に良かったなと思います」と意外な心境を語りました(笑)。
そして、1984年の『麻雀放浪記』から、本作『麻雀放浪記2020』へ生まれ変わったことについて、どういった思いを込めたか聞かれた斎藤は「10年の紆余曲折がありながら、リメイクってものがなかなかオリジナルに勝った作品というのは残念ながら少ないと思ってまして。和田誠監督版の傑作を凌ぐという、掲げているものがとてつもなくどでかいと思いながらも、佐藤佐吉さんの脚本、そしてそれを白石和彌さんが撮るっていう、この化学反応は、阿佐田哲也先生(原案)が嫉妬するような作品が生まれるんじゃないかなという期待を胸に撮影に挑み、おそらくそれを凌駕したものに、形としてなったと、僕は心から思っていますね」と自信を覗かせました。
さらに白石監督は、「普通は試写をやって、目の肥えたライターの方々の評判を(公開前に)聞くんですが、今回は敢えて試写をしていないので、僕自身不安で不安でしょうがないところもあるんですけど、ただどこにもない映画、観たことない、今年一番ぶっ飛んだ映画になっていることだけは間違いないので、それは本当に楽しんで観て頂ければと思います。もちろん監督なので、何度か編集している時とか、音楽を当てて作っている時とか、何度も完成させるまでは観てるんですけど、その時から感じてたのは、非常に中毒性のある映画だなと思っていて、昨年の8月にできてから、僕自身もう一回観たいってお願いしたんですけど、東映さんが観せてくれないんですよ。なので、こんなの思ったことないですけど、僕が今一番観たい映画です。そういう映画になっています」と締め、会場から大きな拍手が起きました。
この日は、本作の本編は披露されないということでしたが、最後にサプライズで、別の作品を上映すると監督が発表。続けて斎藤からタイトルが発表されるかと、皆が待ち構えるなか、「え〜、映画『昼顔』を…」と言い、会場が沸きました(笑)。でもこの日上映されるのはもちろん、『昼顔』ではなく、1984年の『麻雀放浪記』と正式に発表され、さらに斎藤ほかキャスト、監督も観客と一緒に観つつ、上映後に『麻雀放浪記2020』のムビチケがプレゼントされることがアナウンスされ、会場は皆さんは大喜びでした。
本作は、いろいろな点ですごく挑戦している作品ということで、そのチャレンジ精神にもすごく共感しました。映画好きは必見の作品ですね。
映画『麻雀放浪記2020』完成披露試写”しない”舞台挨拶:2019年3月20日取材 TEXT by Myson
『麻雀放浪記2020』PG-12
2019年4月5日より全国公開
配給:東映
公式サイト
©2019「麻雀放浪記2020」製作委員会
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“今年一番ぶっ飛んだ映画”と、斎藤工、白石和彌監督が自信表明『麻雀放浪記2020』 はコメントを受け付けていません