映画『家路』完成披露試写会、松山ケンイチ、内野聖陽、久保田直監督
2014年2月20日、本作の完成披露試写会が行われました。本作は第64回ベルリン国際映画祭に出品され、現地に向かった内野聖陽と監督はそのときの様子についても明かしました。ベルリン国際映画祭の様子について内野聖陽は「僕は今回ドイツに行くことも映画祭に参加することも初めてでかなり新鮮でした。ドイツ人の方は非常に真面目な方も多く、原発などへの関心度も高かったので、最後まで集中して観て頂けました」と語りました。監督は「上映が終わったあとの拍手がすごく温かくて、内野さんはちょっと涙していましたよね(笑)」と話すと内野聖陽は、「あれは自己満足の涙ではないんですよ(笑)。改めてこの作品を通すと福島のことを思い出してしまって、あのときも福島の方のことを思って泣けてしまいました」とコメントしました。現地に行けなかった松山ケンイチは少々寂しそうな様子でしたが2人の話を聞き、「僕も気持ち的にはベルリンに行っていましたよ(笑)。でも現地の雰囲気や質問は気になりました」とコメントしました。ベルリン国際映画祭での上映も好評だったようで、上映直後には早速香港での公開が決まったそうです。
また今回の役作りについて松山ケンイチは、「福島が舞台なので、福島の独特な方言を勉強しました。あとは僕の演じた沢田次郎の家が農業をやっている家系なので、現地の方に農業指導をして頂きました。農業指導の方とはすごく仲良くさせて頂き、お昼を作って頂いたり普段はできない貴重な経験をさせて頂きました」と撮影時の楽しかった思い出も交えて語りました。内野聖陽は今回の役どころについて「初めてこういう役を演じ、とても難しかったのですがやりがいがありました。この物語はフィクションですが、震災時に土地を奪われて家族が仮説住宅住まいという方が現在もたくさんいらっしゃるので、この役を自分がどうしたらできるんだろうと常に悩んでいました。でも福島の方ともお話させて頂き、そこで感じたものをなんとか役に反映させることができました。福島の方々には本当に感謝しています」と話しました。そんな2人の撮影時の様子について監督は「松山さんは僕と25歳くらい離れているのに、話していると同級生といるような感覚になるんですよね。とにかく全くブレない人で、一度こうだと決めたらそこから外れない男なんです。それに対し、内野さんは真逆のタイプで絶えず悩んですごく深く考えるタイプで、心揺れながら答えを見つけ出していくんです。でも実は次郎と総一はまさしくそういう人物なので、スクリーンで観て頂くと本当にそこで生きている人たちのように感じて頂けると思います」と話すと、内野聖陽が「僕はブレブレってことですか!?」と言い会場を笑いに包みました。
監督は本作について「この映画は敢えて何も答えを出していません。普遍的な家族の物語を描いています。皆さんに少しでも自分自身を重ねて観て頂けたらと思います」と話しました。また松山ケンイチはこれから本作を観る方に向けて「この作品は観てくれる方々を前向きにさせてあげられる作品だと思います。ぜひたくさんの方に観て欲しいと思います」とコメントしました。松山ケンイチは常に淡々としていて、良い意味で普通なのが好印象でした。本作は東日本大震災直後の福島を舞台に、家族の再生を描いた作品です。フィクションではありますが、ドキュメンタリーでは描けない福島を描くことをテーマに作られた作品となっています。松山ケンイチが演じる弟と、内野聖陽が演じる兄のキャラクターにも注目です!ぜひご覧ください。
『家路』
2014年3月1日より全国公開
配給:ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/ieji/
©2014『家路』製作委員会
トーキョー女子映画部での紹介記事
イイ男セレクション/松山ケンイチ
http://www.tst-movie.jp/selemen/selemen_ma.html#selemen_matsuyama_kenichi
トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html
『家路』松山ケンイチと内野聖陽は真逆のタイプ!? はコメントを受け付けていません