映画『イン・ザ・ヒーロー』キックオフ会見、唐沢寿明、吉川晃司(主題歌担当)、水野敬也(脚本担当)、武正晴監督
2014年6月30日、本作のキックオフ会見が行われ、主演の唐沢寿明、主題歌を担当した吉川晃司、監督、脚本家が登壇しました。本作はスーツアクター歴25年の男が主人公で、過去にスーツアクター経験のある唐沢寿明は台本を読んだときの感想を「自分の話かと思いました。実際には今回のアクション監督の方の話がモチーフになっているのですが、恐らくスーツアクターの経験がある人は、だいたいこの映画で描かれたような生活なんだと思います。この役を頂いたときは僕自身、過去にスーツアクターの経験があるので、昔を思い出してやればなんとかできるかなと思いました。アクションシーンの準備は、基礎から直したのですが結構ケガをしました。昔のイメージが頭のなかにあるのですが、昔の感覚で飛ぼうとすると筋膜を切ってしまったりして大変でした。当時はしっかり鍛えましたが、映画の撮影のあとドラマの撮影に入ったのでもう筋肉はありません(笑)」と話しました。撮影の前には筋トレ、食事制限などを行い奥さん(女優の山口智子)に、「もうやめなよ」って言われるくらいトレーニングを行っていたそうです。
吉川晃司は本作を観た感想について「ものすごく良い映画で、ぜひ歌を書きたいと思いました。主人公の周りの人は“夢も良いけど、いい加減にしろよ”と冷めているんだけど、主人公がとにかく熱くてその愚直さが美しいと思いました。それで涙が出てきちゃったほどです。だから歌を作る上でもプレッシャーで、泣きどころでその役目を担えなかったら作り手としてアウトなので、ものすごく一生懸命作りました」と話しました。
脚本担当の水野敬也は、「今回の脚本はプロデューサーの李鳳宇さんと一緒に書きました。彼は過去に素晴らしい作品をたくさん作っていて本当に尊敬する方なので、“水野くん、これはこういこう”と言ったら僕もおもいっきりいく、“こっちじゃない”と言われればすぐに直すという感じで、ひたすら直し続けることが僕の仕事でした。今回僕は映画脚本に初めて挑戦したのですが、ほかの脚本家と比べて何だったら僕が優れているのかと考えたときに、直す回数だと思ったので延々と直し続けました。今振り返ると最初の頃のプロットはほぼない状態ですが、すごく楽しい作業でした」と語りました。水野敬也は映画会見が初めてだと言うわりにすごく饒舌で、何を書いた人だろうと思っていたのですが、【夢をかなえるゾウ】の著者でした。何度も直した物語がどう完成しているのかも気になるところです。
続いて武監督は、撮影について「今回は本当に体を張ってアナログで撮影しました。主人公の本城役を演じるのは誰にするかというところが一番大きかったんですが、唐沢さんだったからこそ最後の最後まで演じきれたんだと思います。途中、唐沢さんがいつ倒れてしまうんだろうと思って見ていましたが、スタッフも周りの俳優さんたちも彼に付いていき、みんなで稽古をしました。なので役というよりも本人がそのまま演じているような感じで、ラストの立ち回りのシーンは二度とできないんじゃないかと思うくらい良いシーンになっています」と話しました。それを聞いた唐沢寿明は本作の手応えについて「今どき珍しいくらいにアナログ感が出ている映画で、逆に新鮮だと思いました。これだけCGを使う時代に肉体一つで勝負するっていうのは珍しいですよね。そういう意味ではおもしろいと思いますし、感動できるところもあると思います」とコメントしました。劇中では顔が映っていないところまで、唐沢寿明自身がアクションをこなしているそうです。スーツアクター経験があるとはいえストイックですね。
また、会見の後半では本作の【夢に向かって突き進む人】というテーマにちなみ、登壇者が現在に至る前の写真が披露されました。まず登場したのは、唐沢寿明のスーツアクター時代の写真。これを見た唐沢寿明は「たぶん18か19歳くらいのときの写真だと思います。当時はショッカーや仮面ライダーを被るような仕事をしながら、この写真みたいな忍者ショーに出ていました。宙返りしたり刀でやり合ったりしていましたね。この頃は俳優を目指していました。忍者ショーは顔を出してやれたのでそれだけでも当時は嬉しかったです」とコメント。ちなみに今後の夢については「できるだけ穏やかに過ごすことです(笑)」と話し、会場を沸かせ「やっぱりこういう良い作品と出会っていくことです」と話していました。
続いて登場したのは、吉川晃司の水球選手時代の写真とミュージシャンの格好をした写真。それを見た吉川晃司は「恥ずかしいですね。この写真は靴がなくて親父の靴を借りて撮ったんですよ」と裏エピソードも明かしていました。この当時の吉川晃司の夢はやはりスポーツ選手かミュージシャンだったそうです。そして今後の夢については「子どもの頃に憧れていたものに一歩でも近づきたいです」と話すと、MCが「すでに叶っているように思えるのですが…」と尋ねると「まだまだですね。人間は亡くなるときに初めて完成すると思うので、いつまでも噛み付いていたいと思います」と名言を一言。いくつになってもがむしゃらな姿勢が素敵ですね。吉川晃司(現在48歳)と唐沢寿明(現在51歳)共にアラフィフ世代ですが、2人とも歳を感じさせないカッコ良い男性だなと思いました。映画のなかではどんな熱い男の物語が観られるのか楽しみです!
『イン・ザ・ヒーロー』
2014年9月6日より全国公開
配給:東映
©2014 Team REAL HERO
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デジタル時代に体一つでアナログ撮影に挑む唐沢寿明『イン・ザ・ヒーロー』 はコメントを受け付けていません