トーキョー女子映画部の取材リポート

飼育歴40年以上の小宮さんでも知らなかった動物の生態

2011年8月20日、本作のトークイベントで2011年7月まで上野動物園の園長を務め、今までも動物関連の書籍を多数監修している動物の専門家、小宮輝之さんが登壇。動物に長年触れてきた見地から、いろいろなお話を語られました。

まずは本作について「私自身も初めて見るような映像が出てきます。ある季節、ある時間でないとしない行動とかも撮影されており、一番良い映像だけを集めた贅沢な映画だと思いました」と感想を述べていました。小宮さんも知らなかった動物としては、オリオフリネラ（コイシガエル）。「オタマジャクシの時代がない変わったカエルで、水辺がない環境で進化したんですね。なぜコイシガエルと言うのかは観てのお楽しみにしておきましょう」と解説してくれました。

次は本作が“いのちをつなぐ物語”ということで、動物の進化のお話。DNAの研究で小宮さんも最近びっくりしたことは「くじらやイルカはアシカみたいな動物から進化したと思うでしょ？くじらが一番近いのは「かば」なんです。今は同じ仲間にされてしまったくらい、つまりカバたちが海に出てくじらになったってことまでわかったんです」と驚きの情報を語ってくれました。

あと、本作に登場するハネジネズミは上野動物園でも飼育したことがあるそうで「この映画を先に観ていたら、もう少しうまく飼えるヒント、おもしろい行動展示ができたかなと思いました」とコメント。それも観てのお楽しみですが、確かにあの生態を目の前で観られたらとてもおもしろいと思います。

最後に動物に触れてきた小宮さんは、動物に対して人間の都合で接するのではなく、長年進化してきた動物の生態に合わせてあげることが大事と語っていました。この映画はまさにそういった事を実感させてくれる映画になっています。

どのネイチャー・ドキュメンタリーも同じでしょ？と思っているあなた！これはただの図鑑のような映画ではありませんので、ぜひここに映し出された動物たちのドラマを観て欲しいと思います。

『ライフ−いのちをつなぐ物語—』
2011年9月1日より全国公開
配給：エイベックス・エンタテインメント
http://onelifemovie.jp/

©BBC EARTH PRODUCTIONS (LIFE) LIMITED MMXI. ALL RIGHTS RESERVED

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映画批評&デート向き映画判定： http://www.tst-movie.jp/hh09_ra/hh09_ra_life_inochiwotsunagu.html

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