『マネーボール』来日記者会見
2011年11月10日、本作のPRで主演のブラッド・ピットが来日。短い時間のなか、急ピッチで会見が行われました。
「世界はお金に支配されているような状況ですが、ビリーがお金の力でなく人の力で勝てたのはなぜだと思いますか?」という問いには、「公平に戦っているようで必ずしもそうではない。財力のあるチームが強くなってしまうんです。ビリーは自分自身がレッテルを貼られたりという経験をしたからこそ、昔からのやり方で良いのかを考えます。1つの勝敗で物事を決めないのが彼だと思いました」と答えていました。広い視野と、柔軟な考え方、新しい発想が大事だと気付かせてくれる映画ですもんね。
あと、「ビリーが試合を見ないように、何かジンクスをお持ちですか?」という質問には、「ビリーが試合を見ないのは、見てしまうと余計な感情移入をしてしまい、後で冷静な分析ができないからですが、確かに野球にはジンクスは付きものですよね。ジンクスと言えるかわかりませんが、僕は1人で飛行機に乗るときは、家族の何かを持って乗るようにしています」と回答。さらに本作では父と娘の関係もすごく心に染みるのですが、「ご自身が家族を持ったことで影響は?」という質問には、「家族をもったことはとても僕に変化をもたらしました。日々戦い、挑戦の場であるけれど、いざ家族のもとに戻るとほっと一息つけます。とても貴重な存在です」と語っていました。すっかり一家のパパになった感じですね。昔のやんちゃな感じも好きでしたが、パパ・ブラピも良いですね。やっぱり何やってもかっこいいわ〜と思いながら見とれつつ、かっこいい生声も家族の話をするとより優しく、聞き惚れました(笑)。
そして、現代ならではの質問。「失業率が下がる今、若い人にGMとして何を伝えたいですか」と聞かれると、「この映画のテーマであることですが、まず常識とされていること、仕事場でも例えば選挙の投票システムでも、果たしてそれでいいのか疑問をもつことが大事だと思います。もし今この時代に車を発明したとしたら、燃料は石油にするのか、でもそれは環境破壊になるから止めようと考えますよね。アメリカも企業の利益ばかり優先され、状況は良くありません。でもそのフラストレーションを一瞬だけ放つのではなく、システムを問い、その解決策を見出すことが一番大切だと思います」と真面目に答えていました。俳優でありながらプロデューサーなどもしているので、経営的な視点でも考えたりするんだろうなと感じた答えでした。
そんなこんなで、短いなか真面目な質問が飛び交いましたが、最後に「これまでこの映画の深刻な部分を語ってきましたが、シリアスではなく笑いの部分もある映画です。楽しんでいただけると思います。ぼくは楽しみましたよ」とコメント。そうそう、ほんと微笑ましいシーンだったり、笑えるシーン、感動シーンとありますから、老若男女皆さんに楽しんで頂けると思います。
『マネーボール』
2011年11月11日より全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
トーキョー女子映画部での紹介記事
映画批評&デート向き映画判定:http://www.tst-movie.jp/hh07_ma/hh07_ma_moneyball.html
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