『コンテイジョン』来日記者会見
2011年11月10日、本作の公開を前にスティーブン・ソダーバーグ監督が来日しました。監督なので、写真撮影よりもお話の時間をより大事にしたいとのことで、登壇時にささっと撮影したらさっそく会見を開始。監督の落ち着いて堂々とした様子は、舞台に用意された椅子と妙にしっくりきてました。
本作では、豪華キャストが話題になっていますが、そのことについてやはり質問が。「多くのキャラクターが登場するアンサンブルなので、1人ずつの登場シーンが限られている分、逆にあまり長い期間撮影に拘束しなくて良いので、オファーを受けやすい状況だったのではないかと思います。このようにたくさんのキャラクターが登場し、なおかつそれぞれのキャラクターが多くの情報を持っていて、物語も速いスピードで展開していくので、演技力がある方が必要でした。だからあれだけの方々に出演して貰う必要があったのです」と語っていました。集客のために豪華メンバーにしようという作品が多い気がしていたのですが、本作にはこういう理由があったんですね!ちょっと自分の視点が変わった気がします。
では、この映画の撮影現場はどうだったのかという話に。マット・デイモンが演じるミッチが妻の死を告げられるシーンを例に挙げて説明してくれました。「そのシーンがうまくいかなくて、現場にコンサルタントとしていたERのお医者さんに実際の場合の家族のリアクションを聞いてみました。2通りあるとのことで、1つは興奮してしまうパターン。もう一つは亡くなった人と話をして良いですか?と聞いてくる人がいるそうです。お医者さんはソフトな言い方をしないし、物理的に事実を述べることを訓練されています。そういう風に、実際の現場にいる方々の情報をシーンに使いました」とのことでした。たしかにその例のシーンは、そのキャラクターの反応に意外性はあったものの、とてもリアルでした。ぜひこれからご覧になる方は、注目して観て頂ければと思います。
そして、やっぱり「グウィネス・パルトロウの脳みそパカッのシーン」に話題が及びました。「グウィネスはエキサイトしていた感じでした。このときもコンサルタントとして医療検査官の方が現場にいたのですが、グウィネスはテーブルに横たわりながら、興味を持ってその方に実際のそういう場合の状況を聞いて、40分ほぼ微動だにせず、このシーンに取り組みました。アシスタント・カメラマンで『プライベート・ライアン』の撮影にのぞんだスタッフがこのシーンを見て、実際に気持ち悪くなったと聞いて、このシーンがうまくいったと思いました」と話していました。
最後に、「問題が発生して究極的状況に陥ったときに、全てに正しい答えがあるわけではないけれど、人間はどうすれば良いのかを模索することが必要だ」と語っていた監督。本作は、そういうときにこそ人間は力を発揮できるはずという思いで作ったとのことでした。パニックに陥って崩壊していく人間、助け合って前進する人間、2つのパターンをリアルに描いている本作。この時代だからこそ、ぜひ観て欲しい一作です。
『コンテイジョン』
2011年11月12日より全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
http://www.contagion.jp
©2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
トーキョー女子映画部での紹介記事
映画批評&デート向き映画判定:http://www.tst-movie.jp/hh02_ka/hh02_ka_contagion.html
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