『ドクター・ストレンジ』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン/樋口可南子、井上和彦(日本語吹き替え版)
本作でカエシリウスを演じたマッツ・ミケルセンが来日し、映画公開初日の舞台挨拶に登壇しました。「コンニチハ、トウキョウ。こんなにたくさんの方が本作を観に来て頂いて本当に嬉しいです。41年前、僕がまだ10歳のとき、僕の人生はマーベル・コミックスを読むことと、ブルース・リーにいかになるかでいっぱいでした。40年後にこの作品の監督スコット・デリクソンから電話がかかってきたとき、“マーベル映画でフライイングカンフーの映画に出ないか?”と言われ、子どもの頃の夢が叶った気持ちでした。『ドクター・ストレンジ』はマーベルの作品としてもとてもおもしろい作品で、マーベルでは今まで観たことがないようなキャラクター達が登場します。5年前であれば、こういったグラフィックノベルやコミックをこういう形で映像化することはできなかったと思うんです。僕らは作っていてとても楽しかったので、皆様にも楽しんで頂けたら嬉しいです」と挨拶しました。今回の来日については、「屋形船に乗ったり、お寺で住職さんにもお会いすることができました。ゲームクリエイターの小島秀夫さんともお会いし、彼の素晴らしいスタジオにもお邪魔しました。もちろん、一番おいしい日本食もたくさん頂いてます。仕事ももちろんしていますけど、1時間くらいはね(笑)」と、日本を満喫している様子。
本作でカエシリウス役、そして『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でデス・スターを作ったゲイレン・アーソ役を演じ、日本の年末年始の2大作品に出た感想を聞かれると、「デス・スターに関してはちょっと責任を感じます。僕のせいなのかと思うと、罪悪感にさいなまれるところはあるんですが…。子どものときはまさか自分が役者になるとは思っていなかったんです。でも、マーベルとスター・ウォーズが大好きな子どもでした。僕はデンマーク人でアメリカ人ではないですから、この2つの大作シリーズに自分が出演しているということはとてもシュールに感じます。でもすごく感謝していますし、一生忘れることはないと思います」とユーモアを交えてコメントしました。
次に、ファンからの質問。「どうして、そんなにカッコ良いんですか?世界中の人々を魅了するつもりですか?」という質問には、「お刺身とお味噌汁が僕の秘密です」と日本に対してリップ・サービス(笑)。続いて「プライベートで素敵にジャージを着こなしていらっしゃいますが、カッコ良く着こなすポイントを教えてください」という質問があると、「ジャージの場合、ただ着るだけじゃダメなんです。ジャージを着てワークアウトをしなければいけません。それがポイントです」と、コツを伝授してくれました。ごもっともなアドバイスだし、何よりマッツ自身がモデル体型なので説得力抜群ですね。さらに、ベネディクト・カンバーバッチとの現場でのエピソードを聞かれると、「いっぱいあるんですけど、ベネディクトはちょうど撮影中に息子さんが生まれたばかりでした。生後二ヶ月のときに現場に連れていらっしゃったんですが、でもその時点で僕らはその赤ちゃんのことをよ〜く知り抜いていました。なぜなら、キャストが皆いるメイクのトレーラーなかで朝夕2時間ずっと赤ちゃんとスカイプをなさってたからなんです。なので現場にやってきたときは、知ってる赤ちゃんのように“こんにちは”と声をかけたんだけど、赤ちゃんからしてみたらこの人誰だろう?と思ったでしょうね」と振り返りました。
まだまだファンからの質問。カエシリウスの目元のメイクについて、ファンから「最初はドン引いてしまったんですが、マッツさん自身はあのメイクをどう思いましたか?」と聞かれ、「最初のリアクションは、毎朝3時間メイクか〜と思いました。でも、朝4時とかに現場に入ったときに、メイクをしているあいだ、目を閉じて、禅、瞑想じゃないですけど、その日やることを考える時間を作ることができてかえって良かったです。僕らはかなり効いているメイクだと思うし、かけた時間も価値があると思いますので、皆さんにもそう思って頂けると嬉しいです」と、何にでもポジティブな彼の姿勢を垣間見せる回答をしました。ファンからの最後の質問は「休日は何をしますか?」という内容で、「もうブルース・リーの真似をして走り回ったりはしないんですけど、スポーツがかなり好きです。テニス、自転車、バスケットボール、球技全般が好きです。自分がスポーツをしていないときは観戦する傾向があります。ごめんなさい、ちょっとつまらなかったかも知れないですけど(笑)」と答えました。役者さんなのに、おもしろいことを言わなきゃと思うサービス精神も素晴らしいですね。ファン向けのフォト・セッションタイムのときも、左右や後ろのお客様の近くまで行ったり、自分のカメラでファンをバックに自撮りしたり、本当に優しくて、ファンに対する愛をすごく感じました。
そして、今回日本語吹き替え版を演じた、樋口可南子(エンシェント・ワン役)、井上和彦(カエシリウス役)がゲスト登壇。マッツ本人を目の前に感無量の様子の樋口可南子は、エンシェント・ワンのキャラクターに一目惚れして今回声優初挑戦。樋口は「こんなに難しいものだと思いませんでした。吹き替え版の井上さんはマッツさんと同化していて、もうどっちがどっちかわからないくらいでした(笑)。プロの声優の技術はこんなにも素晴らしいんだと思いました」と井上についても大絶賛。アニメ、映画、ドラマなど多くの人気作で声優を務めている井上の登壇には、会場のファンも大盛り上がりでしたが、彼は海外ドラマの『ハンニバル』でもマッツ・ミケルセンの声を担当しています。そんな井上は、「やっとマッツさんにお会いすることができて本当に嬉しいです。もう3年以上、マッツさんの声をやらせて頂いて、本当に私の頭のなかでは“私マッツは…”とずっと回ってました(笑)。今回のカエシリウス役も身のこなしがむちゃくちゃカッコ良くて、どうしようと思ったんですけど、身のこなしが激しいところはあまり声を出してないんですね(笑)。なので、その辺はじっと観て、タイミングを外さないようにやらせて頂きました」と語りました。マッツも、「声優は本当に難しくて、素晴らしい芸術です」と、今回声を担当した2人に敬意を表しました。言葉、行動何から何まで、紳士的でフレンドリーでユーモアのあるマッツ・ミケルセン。彼がこんなにも人気があるわけには納得します。本作でも本当に魅力的な適役を演じているのでお見逃しなく!日本語吹き替え版もぜひ!
来日舞台挨拶:2017年1月27日取材 TEXT by Myson
『ドクター・ストレンジ』
2017年1月27日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト
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