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04 12月

普通のアニメーションではやらない方法にトライ!『ひそねとまそたん』樋口真嗣総監督最新作発表会

Posted in 未分類 on 04.12.17 by Merlyn

『ひそねとまそたん』発表イベント@【東京コミコン2017】、樋口真嗣総監督、青木俊直、コヤマシゲト、南雅彦

TVアニメ『ひそねとまそたん』発表イベント@【東京コミコン2017】、樋口真嗣総監督、青木俊直、コヤマシゲト、南雅彦

 

2017年12月3日、【東京コミコン2017】にて、『日本沈没』『ローレライ』『のぼうの城』『シン・ゴジラ』など数々のヒット作の監督を務めた、樋口真嗣総監督最新作が発表されました。このイベントまで詳細は明かされず、タイトルも秘密で、下記のシルエットビジュアルだけが公表されていました。

『ひそねとまそたん』シルエットビジュアル

樋口真嗣が登壇すると、司会から「ちょっと気になったのが、代表作を読み上げて、なんで『進撃の巨人』がないんでしょうね。ちょっと失礼ですよね」と皮肉なジョークを飛ばすと、樋口も「失礼ですね」と返し、会場から笑いが起きました。こうした発表会は初めてということで、樋口は段取りに少々戸惑いながらも、「原作はありません。オリジナルの企画をやらせて頂きました。テレビアニメーションで、リリースされます。タイトルは…『ひそねとまそたん』です!」と言うと、新たなビジュアルが公開されました。

『ひそねとまそたん』キービジュアル

ビジュアルを見た会場の反応を見て、「どうでしょう、この困った空気」と樋口。「小出しにしてじらして盛り上げていこうという宣伝戦略があるらしいので、まだこれだけしかお見せできないんですが」と続けました。そして、この日は制作に携わった、青木俊直(キャラクター原案)、コヤマシゲト(モンスターコンセプトデザイン)、南雅彦(手描きのアニメーションを制作する株式会社ボンズ代表取締役、プロデューサー)が登場。

これまでもアニメーションに携わる事はありながら、監督としては実写作品が多かった樋口。「ずっと、エヴァ(エヴァンゲリオン)だったり、エヴァだったり、エヴァだったり…。基本的にアニメーションは好きだけど、周りがすごい人達ばかりだったので、自分で作るよりは誰かが作るのを手伝う事が多かったんですね。そんななかで今回いろんな事が重なって、気がついたら今ここにいるという感じです。アニメーションを作りたいということよりも、例えば隣りにいる青木さんやコヤマさんの画に惚れたりという事が自分のなかでは大きかったです。いつもなら俳優さんを使ったり、コンピューターで作った画像があったりしますが、自分のなかで“この画が動いたらすごく良いだろうな”と思って。この話を何で表現するのが一番良いかなと思ったときに、自分のなかでは手描きのアニメーションが一番良いんじゃないかなと思いました」と語りました。「描いた画ってやっぱり、どこまでいっても人間に置きかえることができない部分があって。フェイスブックでずっと青木さんが「あまちゃん」の連載をされてたのを見て、あまちゃんのキャラクターが一人歩きをし始めて、この人の描く画で物語性を付けたらすごくおもしろいんじゃないかと。それが青木さんとやりたいと思ったきっかけでした」と話しました。キャラクター原案の青木と樋口はもともと面識はなかったようで、樋口からフェイスブックで青木宛にメッセージを送った事から始まったそうですよ。

そして、本作の脚本には、岡田麿里(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」原作者)が携わっている事も注目ポイントに上げられ、樋口は経緯を聞かれると「別の企画の脚本の開発を一緒にしていたけど、結局流れちゃったんです。その時に何か一緒にやろうというお言葉を頂き、何がやりたいんだろうというのを暖めてきて、“こういう話はどうだろう”“いいんじゃない”って、2人でキャッチボールをして、話作りが始まりました。岡田さんに引っ張ってもらったので、ある意味アニメーションというフィールドに引き込まれた最大の理由は岡田さんです。岡田さんとならできるかも知れないと思って、そこから広がっていきました」と明かしました。

モンスターコンセプト担当のコヤマは「いつが最初か覚えてないんですけど、“エヴァンゲリオン新劇場版”シリーズで樋口監督と一緒にお仕事をさせて頂いてて、仕事とは関係ないんですけど、僕と樋口さんは“肉部”という部活をやってるんですよ。樋口さんが会長で、僕は部員で、そこで“今度アニメーションやるんだけど手伝ってよ”と言われました」と、肉部の存在も暴露しました(笑)。

続いて南が「岡田麿里さんとはずっと仕事をしていて、“おもしろい人がいるので一緒に仕事したい”と言われて、会ったら樋口真嗣で、“知ってるわ!”となったんです」と経緯を話すと、樋口は「もともと南さんて、庵野秀明の大学の時の同級生で、「アオイホノオ」に出てますよね」と補足しました。南は「アニメーションの監督とは違う発想とかスタッフへの切り込み方があると思うので、やってみようと言ったのが4年くらい前だったかな」と振り返りました。

会場でだけ公開された、スケッチ、ラフデザインはこの記事では載せられないのが残念ですが、樋口がコスプレに興味を持ちだして、ドラゴンがコスプレしたらどうかというアイデアが出てきたことが語られました。さらに「『日本沈没』で海外に脱出するための飛行機を1日中成田空港で撮り続けていた頃、周囲に航空無線を聞いて、良い飛行機が来るのを待ってる人達が何十人いたんですよ。車の中で待機しているんですけど無線を聞いたら突然カメラで写真を撮り出してって繰り返す様子を見て、“この人達は、この中の飛行機一機にしっぽが生えてたらどう反応するんだろう”と思ったのが始まりです。日本のなかにドラゴンがいて、不老不死のドラゴンだけど1週間に1回空を飛んで太陽の光を浴びないと死んじゃう。でも、空を飛ぶ時にどう隠すかという時にコスプレじゃないかと思って。それがなんとなく頭のなかに浮かびました」と本作のイメージが浮かんだ時の詳細を語りました。そんなドラゴンについてコヤマは、「結構青木さんの画に合わせてデザインした感じなんです。ちゃんとドラゴンを描こうと思えば描けるんですけど、それはそれで違うかなと思って。ロボットとか戦闘機とかメカニックではなくて、あくまで“まそたん”というキャラクターを作るという感覚でした」と話しました。

『ひそねとまそたん』発表イベント@【東京コミコン2017】、樋口真嗣総監督、青木俊直、コヤマシゲト、南雅彦

最後に、樋口は「(【東京コミコン】に並ぶブースを指さして)来年あたりにはあの辺とか、あの辺とか、あの辺に商品を並べて欲しいなと思ってます。各メーカーさん、よろしくお願いします!去年『シン・ゴジラ』を作って、映画の可能性を自分のなかで突き詰めてしまった部分が正直あります。次に何をやろうかという時に、今の自分は何をやりたいんだろうか、できるかと考えた時に、岡田さんの顔、青木さんの顔、コヤマさんの顔が浮かんできました。今自分のなかの可能性、物語、作品としての可能性を考えると、自分で一番やりたいのはアニメーションという表現形態かなというのがあります。頑張ってますが、アニメーションを作るスキルがそんなに…なので、どこまでいけるかわかりませんが、南さんに無理をお願いして、普通なら画ができてから声をあてるところを、声を録ってから画を作るというプレスコという形でやっています。声を作り出す役者さんの一番やりたい気持ちで、画に縛られない形で自由にお芝居して頂く。それをいかに画に反映していくかっていう面倒くさい事をずっとお願いして、やらせて頂いてます。ありがとうございます」と、熱い思いを語り、観客の期待を煽りました。気になるポイントがたくさんありましたが、作品の仕上がりを楽しみに待ちましょう!

 

<公式資料より>

■樋口真嗣
映画監督・特技監督。1965年生まれ。1984年『ゴジラ』にて映画界入り。1995年には『ガメラ 大怪獣空中決戦』で特技監督を務め、日本アカデミー賞特別賞を受賞。主な監督作品は『ローレライ』『日本沈没』『のぼうの城』など。2017年『シン・ゴジラ』で第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞。

■青木俊直
漫画家、キャラクターデザイナー。1960年生まれ。フジテレビ『ウゴウゴルーガ』NHK『むしまるQ』など。子供向けテレビ番組にアニメーション、キャラクターデザインで参画。2008年には漫画作品「なのはなフラワーズ」を連載するなど活動の場は多岐に渡る。本格的なアニメーションのキャラクターデザインは、2015年『これから先、何度あなたと。』2017年『きみの声をとどけたい』『女川中バスケ部 5人の夏』に続いて本作で4作品目。

■コヤマシゲト
デザイナー。1975年、東京都出身。2004年、『トップをねらえ2!』に参加したのをきっかけに、多数のアニメ作品にデザインやコンセプトでかかわる。代表作に『HEROMAN』『交響詩篇 エウレカセブン』『STAR DRIVER 輝きのタクト』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』『キルラキル』『ベイマックス』など。

■南 雅彦
株式会社ボンズ代表取締役・プロデューサー。1961年生まれ。大阪芸術大学卒業後、アニメ制作会社日本サンライズ(現サンライズ)に入社。『天空のエスカフローネ』『カウボーイビバップ』等の作品をプロデューサーとして手がける。1998年に独立、アニメーターの逢坂浩司、川元利浩と制作会社ボンズを設立。『COWBOY BEBOP 天国の扉』『鋼の錬金術師』『交響詩篇エウレカセブン』『僕のヒーローアカデミア』『スペース☆ダンディ』『モブサイコ100』などの作品をプロデュースしている。

 

『ひそねとまそたん』発表イベント:2017年12月3日取材 TEXT by Myson

 

『ひそねとまそたん』
2018年放送予定
公式サイト

 

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