映画『オリエント急行殺人事件』来日イベント、ケネス・ブラナー(監督、製作、エルキュール・ポアロ役)/草刈正雄(エルキュール・ポアロ吹き替え担当)、山村紅葉(ドラゴミロフ公爵夫人吹き替え担当)
アガサ・クリスティーの小説をベースに映画化された『オリエント急行殺人事件』。本作の劇場公開を目前にして、世界一の名探偵エルキュール・ポアロ役と監督、製作を担い、英国の“サー”の称号を持つケネス・ブラナーが来日しました。そして、ケネス・ブラナーが演じるエルキュール・ポアロの日本語吹き替えを担当した草刈正雄、ジュディ・デンチが演じるドラゴミロフ公爵夫人の吹き替えを担当した山村紅葉も駆けつけました。
最初のイベントで、限定ご招待されたファンが詰めかけたレッドカーペットに登場したケネスは、「アリガトウゴザイマス」と日本語で挨拶した後、「皆様の温かいサポートに本当に感謝しています。そして素晴らしい仕事をくださったお2人(草刈正雄、山村紅葉)にお会いできたし、写真も撮って頂いてありがとうございます。東京のFOXの方にもお礼を申し上げたい。私は東京が大好きです」とコメントしました。
草刈は、「前々からケネス・ブラナーさんのドラマは好きでした。大役を頂いて感謝しています」と挨拶。山村は、「素晴らしいジュディ・デンチさんの吹き替えというのもそうですし、映画の吹き替え自体も初めてなので、あまりにも恐れ多過ぎると思ったんですが、母(山村美紗)はミステリー作家で、日本のアガサ・クリスティーと呼ばれたこともありましたので、とてもご縁だなと思って、非常に嬉しく吹き替えさせて頂き、ここに立たせて頂きました。本当にありがとうございます」と話しました。
作品へのこだわりについてケネスは「本当にディテールにこだわってこの作品を作りました。お客様を全員あの列車に乗せてお話を語りたい。感動させるところがいっぱいあります。しかも最後に捻りのある結果が待っています。非常にダークでしかもハートのある映画になっています。最後に泣いた方もたくさんいらっしゃいます。そういう反応を示して頂けることを期待します」と語りました。続いて草刈から、「この映画はどのくらいの期間で撮られたんですか?」と聞かれると、「クリスマスを挟んで英国で全長4ヶ月ですね。1人ずつの場面を撮って、1ヶ月間は全員集まって集合の場面を撮り、大変でしたがすごく嬉しかったです」と明かしました。山村は「ミステリーの映画化っていうのは、原作が有名であればあるほど、トリックや犯人が皆にばれていて難しいと思いますが、すごく今回の作品には感動しました。ご苦労された点はありましたか?」と質問すると、ケネスは「俳優達の素晴らしい演技に皆さん共感されると思います。皮膚の下に悲しみとかを隠している演技をしています。人を失うことなど悲しみを含めている映画でして、今回集めた俳優達は皆すごい演技力の持ち主なので、そういう多くの感情をよく表してくれたと思います」と答えました。
そして、日本の年末恒例の行事として、草刈と山村が本作を観た感想を、漢字一文字で表しました。草刈は“動”と書いたことについて、「1970年代に、前の『オリエント急行殺人事件』を観ているんですけども、それとはまた違い、ポアロはアクションもやっていて、(全体的に)とってもスピードを感じました」と説明しました。山村は“感”と書いたことについて、「登場人物全員が大きな感情を揺さぶられるような事が次々と起こるんだけど、それぞれが感情を押し殺した表情をしていて、素晴らしい作品だと思うんです。それをポアロが直感と感性で暴いていくので、“感”としました」と述べました。1回目のイベントの最後は、この書にお墨付きを付けるということで、“ケネス”と書いたハンコを押して記念撮影しました。
続いて、劇場内の舞台上に移り、司会から「ポアロがスタイリッシュという声があがっています。原作にはないキャラクターが出てきますが、どうやって構想を練ったのでしょうか?」と聞かれると、ケネスは「これは列車を舞台にしていて、ワイドスクリーンで撮っているので、すごくお客様を巻き込んでいくドラマです。ストーリーは非常に有名なので、知っていると思われる方もいると思いますが、この映画をご覧になると、ハートに訴え、捻りがあって、あっと驚くところがたくさんあります。だから、初めて“オリエント急行殺人事件”を観る方も楽しいし、知っていると思っている方も楽しめる、そういう映画です。笑いもあるし、泣ける映画です」と語りました。どうやって撮影したのか聞かれると、「列車は本当にオリエント急行そのままを再現したセットです。山も再現して、作った列車を山にのせて撮りました。だからリアリティがとてもあるので、俳優達の演技ものるわけです。駅や線路まで、すべてがリアリティを持って作られています。そこで話が発展していくという、それくらい緻密に計算されて作られたシーンです」と語りました。
撮影期間中に“ゲームの日”があったというエピソードについて聞かれると、「キャストはとても気が合っていたんです。現場が終わったらサヨナラというのではなくて、現場以外のときでも和気あいあいと過ごしていました。列車のなかで殺人が起こるのみならず、自分達で“殺人ゲーム”をする日がありました。自分達で犠牲者と手がかりを付けて、犯人を当てていくというゲームを実際にやったわけです。皆楽しみまして、特にジュディ・デンチは一番のっていました。そういうゲームをするくらい和気あいあいとしていました。ロンドンでプレミアがあったときは、全部のキャストが再び集まりました。そんなことは滅多にないんですが、それくらい皆お互いに会いたくてプレミアに来たんです。それくらい仲良くして頂きました」と、俳優達との関係について振り返りました。
最後に次回作が決まったとのことで、「この映画の最後のほうにそれをちょっとほのめかすところが出てくるんです。今は詳しく明かせませんが、ピラミッドに関係があり、今度は列車じゃなく船です」とヒントを出しました。“アガサ・クリスティ”“ピラミッド”“船”で検索すると、答えがわかるはずですよ!そんな次回作も楽しみにしつつ、まずは、名監督、名優のコラボレーションで織り成す本作もお見逃しなく!
『オリエント急行殺人事件』来日イベント:2017年12月5日取材 TEXT by Myson
『オリエント急行殺人事件』
2017年12月8日より全国劇場公開
公式サイト
© 2017Twentieth Century Fox Film Corporation
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