映画『マンハント』ジャパンプレミア、ジョン・ウー監督、福山雅治、國村隼、倉田保昭、斎藤工、アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO
本作のPRのため、ジョン・ウー監督が来日。主演の福山雅治ほか、キャスト達と舞台挨拶に登壇しました。本作は、日本映画を観て育ったというジョン・ウー監督が、1976年に高倉健を主演で映画化された、伝説的名作小説「君を憤怒の河を渡れ」の再映画化作品。そして、監督たっての希望で、大阪や岡山などを中心に全編日本ロケを敢行し作り上げられました。そんな本作で主演としてオファーを受けた時の感想を聞かれた福山は「すごく嬉しかったですし、光栄でしたし、夢のようなお話だと思ったと同時に、本当に僕で良いのかなと。アクションもほぼ未経験と言って良いと思うんですけど、そういう人間がジョン・ウーさんの作品に出て良いのかなと思いました。驚き、喜びとともに、これは出たらダメなんじゃないかというのが半々で。最初は不安のほうが大きかったなあと…」と話しました。すると司会が「めちゃめちゃ激しいアクションシーンをたくさんやってますからね!驚くくらいに!」と言ったのに対し、「ハードル上げますね〜。ただ、(ハードルを)上げても良いくらいの…。自分で(ハードルをまた)上げたなと皆さん思ったかも知れませんけど、めちゃくちゃハードです。そして、僕のみならず、池内さん、工さんとも戦うんですけども、結構ハードなんですよね」と、謙虚ながらアクションシーンへの自信を覗かせました。
本作の再映画化、福山雅治を起用した経緯を聞かれたウー監督は、「子どもの時から日本映画が大好きで、この仕事を始めてからも多くの日本映画から影響を受けています。私の代表作『男たちの挽歌』も日本映画の影響を受けて撮りました。なので長年の夢として、日本でぜひ映画を撮りたいと思っていました。自分が敬愛する高倉健さんが他界されてからは、ぜひ高倉さんの作品をもう一度撮れたらと思っていたので、今回この脚本に恵まれまして、高倉健さん、日本映画に対する敬意と思いを込めて、この作品を撮りました。福山さんについては、以前から非常に注目しているアーティストです。芸術活動を通じて、世界に愛や平和などポジティブなメッセージを込めて発信されています。とても人情のある方で正義感に満ちている、まさしく私が考えていた矢村像にピッタリだと思いました。オファーしましたが最初はドキドキでした。オーケーしてくれるか心配していましたが、快諾して頂いて良かったです。私達はラッキーだったんです。また、私の古い友人である國村さんや倉田さんを始めとする、日本の素晴らしい皆さんと今回一緒に素晴らしいチームを結成できたことに本当に感謝しています。皆さんは長年の私の夢を叶えてくれました」と感謝の意を述べました。
久々にウー監督と一緒に仕事をした國村は「20何年前、ウーさんの香港での最後の作品にご一緒させて頂いて、その時の現場と今回とは何も変わっていません。時間の経過を全く感じさせず、パワフルで、でも物静かで淡々と進んでいく現場でした。さきほどからお話に出てますが、アクション・コーディネートが本当に独特で素晴らしくて、日本でもこんなアクションが撮れるんだというシーンになっています。これはやっぱりジョン・ウー監督の才能なんでしょうね」と監督へ敬意を表しました。倉田は「私は1970年に、香港映画の第1本目でご一緒して、その時ジョン・ウーさんは助監督でいたんですよ。片言の日本語で教えてもらったり、汚い食堂で一緒に食事をしたり、本当に穏やかな方で。当時監督にアドバイスする人なんていなかったんですけど、“監督、このカットは撮り直したほうが良いですよ”って、まだ若干21か22歳でしたが、おっしゃってました。やっぱりすごい助監督でしたね。(今回またご一緒して)僕等は、ジョン・ウーさんに“オーケー”という言葉をもらうために、ただやるしかないかなと。100%どころか、150%くらい出さなきゃいけないとダメかなって、それだけを考えてやりました」と振り返りました。
次にジョン・ウー監督作品に参加した感想を聞かれた斎藤は、「僕はもうただの映画少年が現場に来ちゃった感じでした。ここは一つジョン・ウー ファンとして勇気を出して、超ミーハーなんですけど、ジョン・ウーさんのDVDを現場に持ち込むという作戦を立てまして。何が良いかなと思ってたんですけど、(ジョン・ウー監督)1作目の『カラテ愚連隊』のDVDが手に入らなくて、2作目の『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』という謎のDVDを現場に持っていきました。でも、ジョン・ウーさんはその作品に監督だけでなく出演もされているんです。そのジョン・ウーさんの姿を福山さん、池内さんと一緒に観て、それに(ジョン・ウー監督から)サインをもらいました。SPに止められるような、何をしにきたのかという…(笑)。ジョン・ウーさんは深い時間でも仏のような笑顔で、穏やかに優しく接してくださって、ただただ心地良かったです」と、秘話を明かしました(笑)。
アジア映画でも活躍する池内は、「僕もドキドキしながらやってました。監督がすごく優しいんですよ。僕ビックリしたのが、シーンが終わる毎に、監督が僕のところに来て握手をしてくださるんです。僕なんかにそんな握手なんか良いですよって恐縮しちゃって。でも嬉しいから、明日も頑張ろうっていう気になって、毎日そういう感じでしたね」と振り返りました。
本作では女性も活躍していますが、ジョン・ウー監督作初の女殺し屋を演じた、ウー監督の愛娘アンジェルス・ウーは、「この役を頂いた事自体が驚きでもありました。アクションは本当にすごくって、頑張りました。日本での撮影は、最高でした。スタッフの方に至るまで全員がとにかく献身的で、努力を惜しまない、そんな現場でした。一生忘れられない体験になりました」と話しました。さすが、ジョン・ウー監督の娘と思ってしまう、すごく激しくてカッコ良いアクションを見せているので、劇中でのアンジェルスのシーンは要注目です!
そして、ジョン・ウー監督作ではお約束の白いハトとのシーンについて、福山は「あの瞬間は…。撮ったテープをチェックしたりするんですけど、そのチェックしてる画面を写メしましたもん。“これは申し訳ありませんが、撮らせて頂きます”って(笑)。やっぱり嬉しかったですね〜」と、斎藤工に続き、ミーハー・エピソードを披露。そりゃ、写メ撮りたくなりますよね!
実際の大阪の市街地のなかでも激しいアクションを撮った本作。熱望していた日本でのロケについて、ウー監督は「映画を作る事は、自分にとって勉強のプロセスだといつも考えているので、今回大阪で撮影できて、得たことが多かったです。クルーの皆さんは本当に献身的で、真剣そのもので、技術的にもハリウッドよりも高いなと感じました。また大阪市からも多大な協力を得まして感謝しています。地元の大阪の方もエキストラとして、ボランティアで出演してくれたんです。大阪はとても美しく、活力もあり親しみやすい町なので、人情豊かさを映画のなかにも反映させて頂きました」と語りました。最後に、「自分の夢は次回また日本で映画を撮ることです。その際は、通訳なしで日本語で直接皆さんとコミュニケーションを取りたいと思います」と締めました。これは今から楽しみですね!
本当にカッコ良いアクションシーンが満載で、ジョン・ウー監督作で我らが日本の俳優さんが活躍しているのを誇らしく感じる本作。女性キャラクターのアクションもすごくカッコ良いので、男女ともにオススメの1作です。
『マンハント』ジャパンプレミア:2018年1月30日取材 TEXT by Myson
『マンハント』
2018年2月9日より全国劇場公開
公式サイト
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