映画『グレイテスト・ショーマン』来日記者会見、ヒュー・ジャックマン、キアラ・セトル
本作の主演ヒュー・ジャックマンと、劇中で見事な歌唱力を披露しているキアラ・セトルが来日しました。本作でキアラ・セトルを始めとするキャストが歌って踊る、“THIS IS ME”に合わせて、大阪府立登美丘高校ダンス部の学生達が踊っている動画が話題を呼んでいますが、それについてキアラ・セトルは、「実はあのビデオを最初に観たのは私なんです。すぐにソーシャル・メディアで拡散したいと思いましたが、その前にもう一度ちゃんと観ようと、3,4回じっくり観て、そのビデオの素晴らしさを堪能しました。その後にヒュー・ジャックマンやプロデューサー、スタッフも皆観て感動して、涙しました。私も本当にインスピレーションを受けたし、彼女、彼等のダンスは私達の人生を変えたほど素晴らしいものでした」と感銘を受けていました。ヒュー・ジャックマンは、「昨日の夜のイベントでは、ダンス部の学生達は来られませんでしたが、振り付け師の方(akaneさん)はいらして頂いて、お礼を言うことができました。この映画が(全米で)公開されてから6週間になりますが、歌の動画や、ダンスビデオなどがSNSなどでたくさん上がっています。それだけいろんな国の多くの方達の心を掴んだということだし、いろんな人を繋げたということだと思います」と付け加えました。
次にヒューに「この共演の後も、ザック・エフロンと一緒にミュージカルを観に行ったり、アメフト観戦に行ったり、すごく仲良くしているようですが、今回の共演でザックは自分の後継者になるというような絆が生まれたのでしょうか?」と質問が出ました。すると、「ザック・エフロンはウルヴァリン役も継いでくれると思います(笑)」とジョークを飛ばしながら、「ザックともキアラとも、親友になりました。この映画での体験は、家族のようなものでした。他の映画では得られないような家族観で、非常に深い関係が築けたと思います。10週間リハーサルをしたんですが、実はザックは4年前にサインをしていたんです。一番最初に話を持って行ったのがザックで、彼はすぐに返答してくださって、支持してくれました。プレゼンのような4つのワークショップをやったんですが、すべてキアラも出てますし、ワークショップに参加した人は何人か実際にこの映画にも出ています。このような過程を経たので、撮影初日には皆すごくアンサンブルができていて、家族のような関係になっていたんです。自分の撮影日でない日にも皆撮影を観に来たりしてました。今思い出すと懐かしい思い出がたくさんありますし、この映画が成功するのを皆で共有している感覚が強いです。あと、ザックは私のようにちゃんと体型を維持することを僕から学んだと思うんですが、今彼は全然ダメな身体になってます(笑)。って冗談だけど」と作品ができるまでを懐かしんでいました。
そして、この作品がヒットした要因は何だと思うかと聞かれたヒューは「ミュージカルは音楽が重要な点です。皆さんは音楽に恋をするんだと思います。楽曲を作った、ジャスティン・ポールと、ベンジ・パセックは、この映画に関わった後に、『ラ・ラ・ランド』に関わり、アカデミー賞を受賞し、ブロードウェイでは、“Dear Evan Hansen”という作品でトニー賞を受賞していて、ものすごく才能溢れるコンビなんです。まずメロディが美しい。そして歌詞が本当に心に伝わってくるものなんです。皆さんCDを買ってくださり、何度も映画を観てくださっています。家族についてや、自分を信じる、夢を見ること…。私は
この映画を観る時、気持ちが良くなるんですね。人生を肯定しているし、未来が明るく見えてくる、そういうような効果があると思います。人生を祝福するような作品なので、日本人の方にも届くのではないかと思います」と熱弁しました。
キアラ・セトルは、“THIS IS ME”を初めて聞いた時の感想と、自身が与えられた影響を聞かれると、「この曲を最初に歌ったのは、最後のワークショップだったんですが、20世紀フォックスが製作にまだ同意する前です。私は怖くて逃げたくて、他の人に代わって欲しいと思っていましたが、ヒューが“君がやりなさい”と言ってくれたし、マイケル・グレイシー監督も“君が歌って欲しい”と言ってくださいました。私がこの映画を作るプロセスのなかで理解したのは、個人としても普遍的な意味でも、音楽という言語はどんな言葉も超えるものだということです。ストーリーでは語り尽くせないものを音楽が語ることができる。曲が良ければ良いほど、ストーリーが良くなることも感じましたし、ストーリーを語る上で、この曲がなければ語り尽くせなかった感情的なものも伝えることができました。そして、この曲が私にインパクトを与えたこととしては、毎日毎日私はこの映画のテーマについてもがいています。同時に感謝もしています。この曲を聴く度に、自分が信じているもの、自分が正しいと思うこと、正しくないと思うことについて戦う力をもらえていると感じます。一歩ずつ自分を前進させてくれる力をもらえるような気がします。倒れても毎日起き上がれば良いんだということを強く感じさせてくれる曲です」と、感極まって、涙ぐみながら語ってくれました。映画の外でも、キアラ自身の人生を変えた作品だというのがこちらにも伝わってきて、この映画のパワーをさらに感じました。ヒューは、「初めてキアラがこの曲を歌ったのはワークショップでしたが、グーグルで“キアラ・セトル” “THIS IS ME”“ワークショップ”と入れて検索すると、動画が出てきます。3分の歌なんですが、この曲で彼女はこの役を掴みました。私にとって今までのどの経験よりも深く感動的な演劇的経験だったんですね。既に1200万人の方がこの動画を観てくださっていますが、ぜひ1億3千万人の日本の方々にも観て欲しいです」と、キアラの魅力をアピールしました。
こんな風にキアラの背中を押してくれるヒューについてキアラは、「私がどう思ったか、私の技量がどうかに関係なく、私の隣りに座っている方は、私自身ですら気付いていなかったポテンシャルを引き出してくれました。私がこうやってここにいて、この映画に参加できたのも、この場で曲について泣いたりできるのも、毎日この曲を歌うのにもがいて戦っていられるのも、全部隣りにいる彼のせいなんです。だから私は“全部あなたのせいなのよ、ヒュー・ジャックマン”というTシャツを作りました(笑)。彼がこのプロジェクトを8年かけて、最初から情熱を持って心を込めて作っている姿を見てきました。彼はお兄さんのような存在で、とても尊敬しています。撮影している時も、していない時も、どんな時も、本当にお兄さんのような存在で、どんな困難があっても立ち上がる、そして自分が立ち上がるだけじゃなくって、周りのできるだけたくさんの人を引っ張っていってくれる、奇跡的な人だと思います」大絶賛しましたが、本人を目の前に褒めることに照れがあるようで、ジョークを交えながら話していました。そんな光景からも本当に家族のような雰囲気が伝わってきました。
ヒューは、本作の楽曲のなかでお気に入りを聞かれると、「日によって、好きな曲が変わることもありますが、本当にキアラの歌い方、そして“THIS IS ME”は、正直なんですね。本当に心を素直に出していて。人間とはどういうものかというのを歌っていて、歌詞が素晴らしいんです。もがきながらも正直でいる…、良いことに関して正直でいるのは意外に簡単ですが、何か恥じること、失敗したことなどには正直にいられないことが多いと思います。キアラさんが歌ったり、話をする時、口から心がそのまま表れているような感情が出てくると思うんですね。毎回彼女が歌っている姿には感動します。本当に生きているということを実感させてくれて、生きることは大変なんですが、生きる甲斐があるという気持ちにさせられます」と話しました。2人とも一つひとつの質問にとても丁寧にたくさん答えていましたが、この映画に込めた思いがすごく伝わってきました。ここで2人が語っているように、本当に素晴らしい作品なので、必見です!
『グレイテスト・ショーマン』来日記者会見:2018年2月14日取材 TEXT by Myson
『グレイテスト・ショーマン』
2018年2月16日より全国劇場公開
公式サイト
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
トーキョー女子映画部での紹介記事
■映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定
■TJE Selection イイ男セレクション/ヒュー・ジャックマン
■TJE Selection イイ男セレクション/ザック・エフロン
ヒュー・ジャックマン絶賛のキアラ・セトルが、これまでを振り返り涙『グレイテスト・ショーマン』 はコメントを受け付けていません