映画『50回目のファーストキス』完成披露試写会舞台挨拶、山田孝之、長澤まさみ、勝矢、太賀、山崎紘菜、佐藤二朗、福田雄一監督/平井堅(主題歌担当)
本作の完成披露試写会舞台挨拶が行われ、キャストと監督が一同に会しました。今までコメディ作品を数多く手掛けてきた福田雄一監督は、今回ラブストーリーに挑戦したことについて聞かれると、開口一番「もともとラブストーリーをやりたい人間なんですよね」と言葉が飛び出し、キャスト皆が笑いながら「だいぶ遠回りしましたね!」とツッコミました。「もともとラブを信条に生きている人間なんで(笑)。本当に笑い漬けでやってきましたけど、原作を観させて頂いた時に、ちゃんとお笑いをやって、ちゃんと泣ける映画だったので、これは挑戦してみたいと思って、今回やらせて頂きました」と続けました。
そんな福田監督のラブストーリーに出演のオファーがきた時の感想を聞かれると、山田は「その時、18年くらい俳優をやってた状態だったんですけど、やっとご褒美がきたなと思いました。結構ず〜っと仕事をしてて大変なことがいろいろあったんです。そんななかで、福田組でハワイで長澤さんと一緒で、“チューをいっぱいする”…」と言うと、周りがニヤニヤとざわつき出しました。その気配を制するように、山田は「もっと言ってしまえば、仕事ですから」と言い訳(笑)。福田監督は「実はメールでこんな話があるんですけどって、言っちゃったんですよ。どうですか、山田君?って言ったら、山田君の答えが“断る理由がありません”って、ハハハハハハ!」と経緯を明かすと、山田は「一応探したんですよ。断る理由を。でも出てこなかったですね」とコメント。すると司会から「それはキスがいっぱいできるからですか?」と念押しのキラーパスが飛びました。それに対して、佐藤が「(司会者に)あなたも何を聞くんだ!」とツッコミを入れ、他の登壇者からも「そういう映画じゃないよ(笑)」などいろいろツッコミが飛び交った後、山田は「あ〜ごめんなさい、もう(記者が)書いてるな。もう遅いか…。冗談です、冗談です」と否定に入り、仕切り直しましたが、最後は諦めていました(笑)。
長澤は「福田さんとは『銀魂』という作品で一緒にお仕事をさせて頂いて、でも『銀魂』は3日間くらいしか撮影がなくて、ちゃんとガッツリ一緒に仕事をしたことがないなと思ってたので、やっと福田さんとお仕事ができると思いました。山田さんとも11年前に映画を一緒にやって以来、久しぶりの共演だし、数年前に山田さんがやっていたドラマに少しだけナレーションとちょっと出演させてもらったくらいで。これは楽しそうだなという気持ちで、やることに決まって、とても嬉しかったのを覚えています」と答えました。続けて撮影は楽しかったかと聞かれると、「楽しかったですね。全編ハワイロケだったので、ハワイに行ってからずっと浮かれちゃって。ハワイって、浮かれますよね?」と周囲に振り、皆も同意。福田監督は「その浮かれた感じが役にピッタリだったよね。だってずっと笑ってたもんね?太賀、太賀、長澤さんが笑うとどんな感じかやってみて」と、撮影時に流行っていたという、長澤まさみの物まねを太賀にリクエスト。
太賀がそれに答えて、物まねを披露し、会場が盛り上がりました。でも、実際にハワイロケ中はもっと強烈な物まねをされていたようで、長澤は「泣いたんですよ」と告白。それは、車のシーンを撮っていた時だったようで、長澤は「(物まねに)そんなんじゃないとか言ってね」と言うと、太賀が「思いっきり物まねしてたら、孝之さんと二朗さんもどんどん物まねしてくるようになって、3人の長澤まさみを、長澤まさみが囲むみたいになって」と当時の状況を解説。それに反応して、皆が“4人の長澤まさみ!”と騒いでいると、長澤まさみが「1人だよ!」と可愛らしくツッコみました。でも泣いたのは悔しかったんじゃなくて、嬉しかったとのことです。本当に楽しい現場だったんでしょうね。
次に、山崎紘菜は、「福田監督のファンだったので(出演できたのは)すごく嬉しかったのと、ここに並んでいる素晴らしい俳優の方々の名前を見てすごく震えました。初めて福田監督とご一緒させて頂いて、福田組の映画作りのレベルの高さを…」とコメント。
すると、佐藤がすかさず、「逆に聞きたい、どこが(レベルが高いの)?あんなの監督って言うか、ゆるキャラだよ。監督って名前のゆるキャラだよ」と指摘。福田監督自身も「そうだよ。きっと漢字じゃなくて、ひらがなだよ。“かんとく”って」と被せてきました。それに対して、山崎紘菜が俳優陣の芝居の凄さなども語っていると、福田監督が「今回、二朗さん、ちゃんと芝居してますもんね」と言うと、佐藤は「俺、役者だからね。さっき上手いんだねって言ったけど、プロゴルファーにゴルフ上手いねって言わないでしょ」とコメントし、会場を沸かせました。
こうして笑いが耐えない舞台挨拶も中盤にさしかかる頃、今日会場に来られなかったムロツヨシがビデオレターで登場。映像内で、むやみに揺れているムロツヨシにちゃんとツッコミを入れたり、「尺を使いすぎだ」といじったり、これまた笑いが絶えませんでした。
そして、サプライズゲストとして、今回主題歌を担当した平井堅が登場し、キャスト、監督、会場の観客、皆が大興奮。登壇した平井堅は、山田孝之に「昔スペイン料理屋で!」とばったり会った話を持ちかけると、山田が「僕も顔が結構濃いって言われるんですよ。(平井堅が)1人で飲んでらっしゃって、濃い2人がスペイン料理屋の店で会ったっていう…」とおもしろエピソードを披露し、また会場が爆笑に包まれました。今回の主題歌は映画を観て描き下ろしたそうで、そのことについて平井は「ストーリーが美しいので、どうしようかなって、本当に悩んだんですけど、我々が手にすると永遠に続くものだと安心してしまうところを、1日1日続くのが奇跡だと体感する2人の物語だったので、幸せなものと背中合わせの壊れやすいものみたいなのを表現できればと思って書きました」と、曲に込めた思いを語りました。山田は平井に主題歌を作ってもらった感想を聞かれると、「普通だったら素直に喜べるんですが、福田組なので。この題材で書いてもらったのが、本当に1回損した気分ですね。どうせ平井堅さんに書いてもらうんだったら、もっとちゃんとした場で書いてもらいたかった。なかなか人生のなかで平井さんに書いてもらうチャンスはないですから。1回をここで使ってしまったのが…」と辛口ジョークを飛ばしました。続いて長澤まさみが答えようとすると、すかさず平井が「正直につまんないとか言っていいですよ。しょうもない曲だったとか正直に」と自虐で笑いを呼び、すっかり福田組に入った感じに(笑)。そんな念押しをされた長澤が「(平井は)こういう作品を好きなんじゃないかなって思いました」とコメントすると、平井堅は「そうですね。もともとの洋画のほう(アダム・サンドラー主演『50回目のファースト・キス』)も好きだったし、だから運命的なものも感じました」と返し、長澤も「気に入ってくれてるんじゃないかなと思いました」と嬉しそうに答えていました。
最後に福田監督は「皆さんご存じ通り、くだらない笑いの作品をずっと撮り続けているので、試写を観た人に“すごいおもしろかったですよ”と言われると、“いやいやいや、あんなくだらないものを…”って言うのが僕の口癖なんですけど、今回は初めて“でしょー!”って言ってるんです。なので、ちょっと自信あります!よろしくお願いします」と締めました。福田監督は、撮影中に嗚咽が出るほど泣いたシーンもあったと語っていましたが、笑って泣ける素敵なラブストーリーになっていることに間違いはありません。今までと違った福田雄一監督作品、ぜひご覧ください。
映画『50回目のファーストキス』完成披露試写会舞台挨拶:2018年4月30日取材 TEXT by Myson
映画『50回目のファーストキス』
公式サイト
©2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
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