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09 4月

これは無理だなんて言われる筋合いはない!初監督に挑んだダスティン・ホフマンの思い

Posted in 未分類 on 09.04.13 by Merlyn

映画『カルテット!人生のオペラハウス』ダスティン・ホフマン監督来日『カルテット!人生のオペラハウス』ダスティン・ホフマン監督、樹木希林(特別ゲスト)

2013年4月9日、本作のPRのために21年ぶりの来日を果たしたダスティン・ホフマンの記者会見が行われました。前回公式な来日は『フック』(1992年)で俳優としての来日でしたが、今回は監督としての来日です。ゲストには同じく70代にしてまだまだ映画界で活躍する樹木希林が登壇。冗談を言い合いながらの楽しい会見となりました。

映画『カルテット!人生のオペラハウス』ダスティン・ホフマン監督来日/ゲストに樹木希林まず一つ目の質問は「現在75歳のホフマンが、なぜ今初監督に挑んだのか」について。実は奥さんから、この映画化をやらないなら離婚すると言われたそうで、それについてホフマン監督は「長年、監督業はしたいと思っていたんです。妻とは36年くらい一緒にいますが、これまで監督業をしようと思って脚本を準備して、でも資金繰りなどがうまくいかずということもあって、飛び込み台の端まで行っても飛び込む勇気がないということが何度もありました。今回は脚本がとても気に入りましたし、共感したところはピークを過ぎてしまった老齢のミュージシャン、アーティストたちができる題材ということでした。妻からは“あなた今やらないなら、いつやるの?75歳じゃない!”と言われてやることに決めましたが、“これを監督しないんだったら別れるわ”と言った妻に対して、逆に僕は“この映画をやってヒットしなかったら、僕がお前と別れるぞ”と言いました(笑)」と答えました。うまい!この回答で、ホフマンのユーモアに溢れチャーミングな一面がすぐに伝わってきました。

そして、監督は次に「私は引退した実際のオペラ歌手やミュージシャンたちを集めたいと希望しました。そして引退したバイオリン奏者、チェリスト、オペラシンガー、ジャズトランペット奏者などたくさんの方が集まってくれましたが、皆ここ20〜30年は仕事の電話が一度もかかってきたことがないという状況で、私たちが映画に出て欲しいと言ったら本当に喜んでくださいました。皆70〜90代でしたが、この低予算の映画で、朝6時から現場に来て、寒いなか12〜14時間の撮影につきあってくれました。彼らが見せてくれた感謝と喜びと情熱は、今まで体験したことのない素晴らしいものでした。実際に映画でご覧になる演奏は、後から録音したのではなく、実際に現場で彼らが歌い、演奏しているものです」と、制作秘話を語ってくれました。実際に本編を観ていて、歌や演奏がすごいので「ホンモノ?」とは思っていたのですが、エンドロールでやっぱりプロの方たちだったのかと納得でした。とてもすごいキャリアの方々ばかりなので、音楽そのものも楽しんで頂けたらと思います。彼らがどんな経歴の持ち主か、エンドロールで紹介していますので、お見逃し無く。

映画『カルテット!人生のオペラハウス』ダスティン・ホフマン監督来日/ゲストに樹木希林そして監督は「これは引退した人たちの老人ホームで起きる物語ですが、ここに登場する人たちは誰も引退したくはないし、人生は終わっていないという主張をしたいわけです。皆充分に生きてきたし、主役級の人や私も含めて70代以上ですが、40年も50年もずっと仕事をしてきたわけです。でも、皆ある年齢を過ぎて“もう年を取りすぎだから、この役はできない”とか“これはできないよ”って言われたことがあります。その現実を言いたかったのです。でも私たちはそんなことを言われる筋合いはないし、私たちが決めることだ。そういう精神でこの映画に臨みました」とこの映画の核心について話してくれました。映画史に名を残す名優ダスティン・ホフマンでも、ある年齢を過ぎてからはそういう経験もしてきたのだと聞き、切なくも感じましたが、こうやってまだまだやるぞと初監督に挑戦した彼のパワーを感じ、とても感動しました。やっぱりこの人はすごい!こういうパワーと魅力があるから、演技でも惹きつけられちゃうんでしょうね。ホフマン自身はピアニストになりたかったそうで、でもチャンスに恵まれず、2番目になりたかった俳優になったそうですよ!これまたビックリですが、そういう音楽への思いもあって撮られた本作。いろいろな思いが詰まっいて、若者も必見です!1日1日を大事に生きなくてはですね!

映画『カルテット!人生のオペラハウス』マギー・スミス/トム・コートネイ/ビリー・コノリー/ポーリーン・コリンズ『カルテット!人生のオペラハウス』

2013年4月19日より全国公開

配給:ギャガ

http://quartet.gaga.ne.jp/

© Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定

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