映画『小野寺の弟・小野寺の姉』完成披露試写プレミア上映会、向井理、片桐はいり、山本美月、及川光博、西田征史監督
2014年8月13日、本作の完成披露試写プレミア上映会が行われました。向井理は、自身が演じている小野寺進が劇中でメガネをかけていることから、この日はメガネをかけて登場。ついつい「今日は、向井理の素顔は見られないんだな」と思っていたら、片桐はいりが「うちの弟(本作で姉弟の設定)は、メガネを外すと意外とカッコ良いんですよ(笑)」と言い、向井理がメガネを外すというナイスアシスト!これには会場も黄色い声を上げて喜んでいました。共演者同士の仲が良く常に盛り上がっていたので、今回は会話形式で舞台挨拶の様子を紹介します。
MC:最初にこの作品のお話を聞いたときから数えると5年くらい経つそうですが…。
向井理:5年前に、西田監督から「姉弟の話を描きたい」ってお話を頂いて、はいりさんと姉弟の設定というのが意外だなと思いました。
片桐はいり:ちょうど向井くんと共演していたときにこの作品のお話を頂いたのですが、その当時は私が向井くんに片思いをしている役柄だったので、恋愛感情から姉の気持ちに切り替えるのはずいぶん苦労しました。それなりに時間を要したので、やっぱり5年は必要でしたね〜(笑)。
会場:あははははは!
MC:では、姉と弟のイメージをどんな風に作り上げたのでしょうか?
向井理:昨年は、この作品で舞台をやっていたので、そのときに役を作り上げてきました。なので、普段通りの2人がそのままスクリーンで表現できたら、きっとおもしろいんじゃないかなと思いました。
片桐はいり:まあ、向井くんは、普段いろいろな女優さんと共演されているんでしょうけどね…。
向井理:何が言いたいんですか(笑)!?
片桐はいり:まあ、私との共演では、違った向井理を見せられたら良いなと思いながら一生懸命に演じました。本当に素敵な弟になったんですよ。
MC:お二人ともずっと一緒にお仕事をされていますが、改めて印象はいかがですか?
向井理:本当に尊敬する女優さんで、間違いなく日本一のコメディエンヌだと思います。
片桐はいり:そんなハードル上げないでくださいよ。これから皆さん観るんですから。
向井理:あははははは!でもこんな方はなかなかいませんよ。本当にコメディエンヌとしてすべてを兼ね備えている方で、舞台中もはいりさんの背中を見て“舞台とはこういうものだ”と教えられ、映画で恩返しできたらなと思って演じさせて頂きました。

MC:現場の雰囲気はいかがでしたか?
山本美月:西田監督が、私と向井さんの間に入ってくれて話しやすい空気を作ってくれました。
及川光博:僕とはいりさんとシーンではそんなことしてくれませんでしたよ!
監督:2人はもう大人だから、僕が入らなくても良いじゃないですか〜。
片桐はいり:いや、もう少し取り持ってくれても良かったと思いますよ(笑)。
及川光博:僕は以前、『キューティーハニー』という映画で片桐さんと共演経験があるんですが、そのときは2人とも悪の化身役だったので、今回ははいりさんとデートできるシーンもあって楽しかったです。
最後に監督は、「僕は25歳くらいから舞台の作、演出を始めて、自分のオリジナルというものにこだわって物語を作ってきました。映像の脚本を書くようになっても、いきなりオリジナルは書かせてもらえず、いろいろな経験を積んでようやくオリジナルを発表させて頂けるようになりました。今までは、『怪物くん』や『妖怪人間ベム』など、大きな規模の脚本を書いてきたので、急に家のなかの小さな話が書きたくなりました。この映画は、とても豪華な俳優さんたちが出演している、とても地味な映画ですが、皆さんにちょっとでも気に入って頂けたら嬉しいです」とコメントしました。
向井理と片桐はいりは、一見似ていないので姉弟役はどうなんだろうと思いましたが、今回の舞台挨拶での息の合った様子を見ていたら、こんな姉弟もアリだなと思えました(笑)。今回の舞台挨拶の登壇者は、とにかくキャラが濃かったです(笑)。片桐はいりを始め、及川光博、そして監督もノリが良く、冗談を飛ばし合う場面が多くありました。そんななかで、向井理と山本美月が和やかに話を返す様子がとてもバランス良く見えました。きっと映画のなかでも、それぞれの持ち味が発揮されているのかも知れませんね。映画の公開は10 月25日です。それまで楽しみに待ちましょう。
『小野寺の弟・小野寺の姉』
2014年10月25日より全国公開
配給:ショウゲート
トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定
http://www.tst-movie.jp/hh01_a/hh01_a_onoderano_otouto.html
イイ男セレクション:大森南朋
http://www.tst-movie.jp/selemen/selemen_a.html#selemen_OomoriNao
トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html
片桐はいりのボケに向井理がツッコミを入れる様子は本当の姉弟のよう!? はコメントを受け付けていません
映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』来日記者会見、ニコラ・ペルツ、ジャック・レイナー
2人の登壇前には、オプティマスプライムが(声の出演で)指揮を執り、プロジェクションマッピングが披露されました。今作でさらに装備をパワーアップしたオプティマスプライムとバンブルビーのレプリカがステージ上に配置されていましたが、前作と見比べなくてもかなりバージョンアップしていることがわかる姿でした。これだけでもトランスフォーマー・ファンはテンションが上がってしまうのですが(私も大ファンです)、この日はオートボット特派員として一般のファンの方も会見に参加していました。
そして、ニコラとジャックが登壇。ニコラはかなり深いところまでスリットが入った白のセクシーなドレスで登場。19歳ながらセクシーさが半端ありませんでした。劇中でもきわきわまで短く切ったホットパンツを履いて美脚を披露してしますが、生で観るとさらにその美しさが実感できました。
今回マーク・ウォルバーグが演じるケイドの娘役を演じていますが、彼との共演についてニコラは「とにかく素晴らしい方でした。毎日現場でご一緒させて頂いて彼からたくさん学ぶことができました。今回彼の娘役ということはかなり気に入っていますし、マークさん大好きです」とコメントしました。役作りについては「マイケル・ベイ監督とマークさんと結構リハーサルをしました。テッサには非常に共感できるところが多かったんです。というのも私も過保護のお父さんがいるのでそういうところが共通しているし、私と父親もとても良い関係なので映画のなかの関係とちょっと似ているところがあります。本当に素晴らしいストーリーになっていたと思いますし、この役を演じるのはとっても好きでした」と語りました。
そして、ジャック・レイナーは記者から「マイケル・ベイ監督はアクションシーンを実際に役者にやらせるということで知られていますが、大変だったシーンは?」と聞かれ、「毎日いろいろな挑戦がありましたが、その中でもより困難だったのは(撮影には)納期というか期限があるので、それに対するプレッシャーがありました。また予算が大変大きな作品なので、とても大きなスタントが絡むものもあります。20分くらい続くシーンでその撮影がうまくいかなかった場合はすべて再設定するのに1週間くらいかかる規模のものもあったり、そういうシーンに挑むときは大変でした。でもより自分たちも頑張ろうと思いますし、役者としてはとても健全な経験だったと思います」と答えました。さらにニコラは「この映画に入るときにはグリーンバックでの撮影がかなり多いと思っていましたが、実際に撮影に入ると(グリーンバックでの撮影は)たった4日間だけでした。マイケル・ベイ監督はリアルに撮るということにこだわりますので、俳優としては実際に爆発とかも体験しましたし、カーチェイスも実際にやっていました。マイケル・ベイは天才的な監督ですが、私はその体験ができて嬉しかったです」と付け加えました。こういう撮影秘話を聞くと、より本作の凄さとマイケル・ベイ監督のこだわりの深さを実感します。
『トランスフォーマー/ロストエイジ』
映画『イコールズ』製作発表記者会見、クリステン・スチュワート、ニコラス・ホルト、ドレイク・ドレマス監督、マイケル・プラス(プロデューサー)
クランクイン直前の気持ちについて、監督は「この映画は3年がかりで作ってきました。いよいよクランクインできることを本当に夢のように感じています。でも今はすごく落ち着いていて、ワクワクしています」とコメントしました。クリステン・スチュワートは「この作品はかなり長期に渡って作ってきている映画で、皆さんから“いよいよ撮影が始まりますが、不安な気持ちはありますか?”とよく聞かれます。もちろん適度な緊張感はありますが、今はすごく落ち着いた気持ちです。監督はプロセスを大事にする方で、ここにくるまでのプロセスを私自身も楽しんできました。だから今はすべてを受け入れようという気持ちです。今回はラブストーリーなので、大変なこともあるかも知れませんが、上手くいけばすごく素晴らしい作品になると思います」と話しました。ニコラス・ホルトは「今ここにいられることがすごくラッキーだと思っていますし、この映画はすごく美しい話なので参加できることを嬉しく思っています。キャストもスタッフも皆さん素晴らしい方なので、僕もクランクインを楽しみにしています」と語りました。
続いて、ニコラスとクリステンに対しそれぞれの役柄について質問。ニコラスは、「僕が演じるサイラスは若い男性で、アトモスという会社に務めています。でも…、どうやってサイラスについてまとめたら良いのかわからないな〜(笑)」と話したところで、監督から助け舟が、「イコールズという世界は感情のない世界で、感情が芽生えることが病気だとみなされる世界です。ニックが演じるサイラスは、感情が芽生えてしまう、つまり病気になってしまう。その病気になってしまったところでクリステンが演じるニアと出会います。ニアと出会ってサイラスは“どうしよう、こんな感情を持ってしまったよ”となり、そこからいろいろなお話に広がっていくんです」と話しました。一方クリステンは、「私が演じるニアは、長い間感情を持っていてすでに病気なんです。彼女は感情がないのが当たり前の世界で、感情を持っていることをずっと隠しています。“イコールズ=平等”という世界は、誰かに対しての感情はないけど、例えば誰かに“大丈夫?”と聞くのは、その個人に対して聞くのではなく、社会全体に対してその質問を発するということで、それがこの世界において良いものとみなされます。だから例え感情が見えたとしても、それはあくまで社会に対するもので、一個人に対するものではないんです。感情が邪魔をすることって、私たちが生きていくなかでもよくあると思います。普通に生きているなかでのそういった経験と、ニアというキャラクターとで重なる部分もある気がします」と語りました。感情がない世界って考えるだけでちょっと怖いような気もしますが、実際にどんな風に描かれていくのでしょうか。
クリステンもニコラスもこの日はかなりラフな格好で登場しましたが、それがオシャレに見えるから羨ましい。2人とも子役時代から活躍していますが、ニコラスはすっかり男前になり、体つきも想像以上にしっかり鍛えられている印象でした。クリステンは、胸元がかなり大きく開いたタンクトップにショートヘアが似合っていてカッコ良かったです。個人的には、無造作に髪を掻きあげる仕草がツボでした(笑)。
映画『るろうに剣心 京都大火編』プレミア舞台挨拶、佐藤健、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、神木隆之介、土屋太鳳、高橋メアリージュン、江口洋介、藤原竜也、大友啓史監督
2014年7月23日に行われた本作のプレミア試写会で、主演の佐藤健ほかキャストと大友啓史監督が舞台挨拶に登壇しました。イベントが始まると、キャスト、監督は客席側を通って登場。4000人が集まった会場は熱狂ライブのような状況になりました。そんな様子に佐藤健は「皆、激しすぎでしょ(笑)」と、この予想以上の盛り上がりに嬉しい表情を見せました。司会から「この作品の何が佐藤健をそこまで焚きつけたのでしょうか?」と聞かれた佐藤健は「もともと僕は原作が大好きだったんですよ。まさか自分が剣心をやるなんて思っていなかったです。原作ファンを代表して、この剣心という題材をすごく特別に愛してくださっている方たちの思い、原作の魂をくんで実写化させてもらったつもりです。きっとファンの方も納得してもらえるようになっていると思います」とコメントしました。そして、薫役を演じた武井咲は、前作からの剣心との関係性の変化について聞かれ、「今回は薫も戦います。今までは道場を一人でやってきた子なのに、生死をかけた戦いに挑んでいくんです。そのアクションシーンがきっと剣心に対する愛情なんだろうなと思いながら撮影しました」と答えました。今作では2人の絆がよりストーリーのキーとなっているので注目してください。
次に本作の悪役、志々雄真実(ししおまこと)を演じた藤原竜也は「大変なくそ暑いスーツを着てやらせて頂きました(笑)。目と口しか開いていないので注目して欲しいと思います」と挨拶。四乃森蒼紫(しのもりあおし)を演じた伊勢谷友介は、69歳の田中泯が演じる翁との死闘シーンについて聞かれると、「(自分が)いい歳して、もっといい歳した方と戦って(笑)。でも(田中泯さんは)ものすごい体力なんですよ。(映画のストーリーとしては)負けるはずなのに、この人負ける気してないでしょっていう感じで戦ってくる辺りは、僕勝手に気持ちを陵駕されながらやってました。この人が頑張ってるなら僕はひいこら言ってられないなと思いました」と撮影時のエピソードを語り、司会が「(田中泯さんは)69歳って信じられないですね」と言うと、「僕は38歳です」と返し、会場の笑いを誘いました。
そして、この日特に大きな声援を浴びていたのが、瀬田宋次郎を演じた神木隆之介。彼が挨拶をし始めてもなかなか黄色い声援が鳴り止まずでしたが、原作ファンのなかでは一番原作に近いキャラクターになっていると評判のようで、神木自身も原作の大ファンということで演じるにあたり気を付けたポイントを聞かれると、「宋次郎と言えば笑顔だと思うんですよ。その笑顔が劇中で誰に向けた笑顔かというのでちゃんと意味を込めました。志々雄さんに向ける笑顔、剣心に向ける笑顔は違いますし、意味合いを持って笑っているのでそういうところを観て頂きたいと思います」と話しました。
見事(!?)な剣さばきも披露し、会場を盛り上げました。剣心を演じた佐藤健が俳優生命をかけて撮影に挑んだという本作。日本映画のイメージを刷新するスケールで描かれているので、原作を知らない方、前作を観ていない方もぜひ観て欲しいと思います。
『るろうに剣心 京都大火編』2014年8月1日より全国公開
映画『西遊記〜はじまりのはじまり〜』来日記者会見、チャウ・シンチー
そして会見第二部では、このプロジェクト第一弾作品となる『西遊記〜はじまりのはじまり〜』の監督、製作、脚本を務めたチャウ・シンチーが6年ぶりに来日し登壇しました。本作について監督は「この“西遊記”を僕自身すごく好きで以前からぜひ撮ってみたいと思っていました。かなり前、1995年に最初の“西遊記”を撮ったんですが、もっと良いモノを撮るにはどうしたら良いか考えていました。“西遊記”の物語にはいろいろな要素が含まれていて、脚本に関してはだいたい10年くらいはかかっています」とコメント。「“西遊記”がもとで日本では“ドラゴンボール”というアニメができたんですが、この作品で“ドラゴンボール”の影響は受けているんでしょうか?」という質問には、「それはすごく大きな影響があります。孫悟空は見た目の変化が3つありますが、最初は人のような感じ、2つ目は小粒で、3つ目は大きいゴリラのような形ですが、そういうのはすべて“ドラゴンボール”からひらめきを受けています」答えました。続いて、今回、主演をせずに監督だけに専念した理由を聞かれた監督は「自分に合った役柄がありませんでした。良さそうな役柄があってもあまり出番がなかったので気に入らなかったんです。というのは僕は主人公しかやりませんから(笑)。脇役には全く興味がありませ
ん」と回答。チャウ・シンチーらしい答え、おもしろいですね。半分冗談、半分本気なんでしょうね(笑)。でも、そういうところも含めてチャウ・シンチーって好きです。ということで監督が出演せずに作った本作ですが、なんとキャストのなかには元はスタッフだった方もいるようで、監督は「僕は役者を選ぶときにその人がプロの方でなくてもフィーリングでその役をやる能力がありそうだと思うと起用したりします」と話してました。そんなところも型破りなチャウ・シンチー監督作。本作は中国では驚異的な大ヒットを飛ばしており、日本での大ヒットも期待できそうです。
『西遊記〜はじまりのはじまり〜』
映画『イン・ザ・ヒーロー』キックオフ会見、唐沢寿明、吉川晃司(主題歌担当)、水野敬也(脚本担当)、武正晴監督
続いて武監督は、撮影について「今回は本当に体を張ってアナログで撮影しました。主人公の本城役を演じるのは誰にするかというところが一番大きかったんですが、唐沢さんだったからこそ最後の最後まで演じきれたんだと思います。途中、唐沢さんがいつ倒れてしまうんだろうと思って見ていましたが、スタッフも周りの俳優さんたちも彼に付いていき、みんなで稽古をしました。なので役というよりも本人がそのまま演じているような感じで、ラストの立ち回りのシーンは二度とできないんじゃないかと思うくらい良いシーンになっています」と話しました。それを聞いた唐沢寿明は本作の手応えについて「今どき珍しいくらいにアナログ感が出ている映画で、逆に新鮮だと思いました。これだけCGを使う時代に肉体一つで勝負するっていうのは珍しいですよね。そういう意味ではおもしろいと思いますし、感動できるところもあると思います」とコメントしました。劇中では顔が映っていないところまで、唐沢寿明自身がアクションをこなしているそうです。スーツアクター経験があるとはいえストイックですね。
また、会見の後半では本作の【夢に向かって突き進む人】というテーマにちなみ、登壇者が現在に至る前の写真が披露されました。まず登場したのは、唐沢寿明のスーツアクター時代の写真。これを見た唐沢寿明は「たぶん18か19歳くらいのときの写真だと思います。当時はショッカーや仮面ライダーを被るような仕事をしながら、この写真みたいな忍者ショーに出ていました。宙返りしたり刀でやり合ったりしていましたね。この頃は俳優を目指していました。忍者ショーは顔を出してやれたのでそれだけでも当時は嬉しかったです」とコメント。ちなみに今後の夢については「できるだけ穏やかに過ごすことです(笑)」と話し、会場を沸かせ「やっぱりこういう良い作品と出会っていくことです」と話していました。
続いて登場したのは、吉川晃司の水球選手時代の写真とミュージシャンの格好をした写真。それを見た吉川晃司は「恥ずかしいですね。この写真は靴がなくて親父の靴を借りて撮ったんですよ」と裏エピソードも明かしていました。この当時の吉川晃司の夢はやはりスポーツ選手かミュージシャンだったそうです。そして今後の夢については「子どもの頃に憧れていたものに一歩でも近づきたいです」と話すと、MCが「すでに叶っているように思えるのですが…」と尋ねると「まだまだですね。人間は亡くなるときに初めて完成すると思うので、いつまでも噛み付いていたいと思います」と名言を一言。いくつになってもがむしゃらな姿勢が素敵ですね。吉川晃司(現在48歳)と唐沢寿明(現在51歳)共にアラフィフ世代ですが、2人とも歳を感じさせないカッコ良い男性だなと思いました。映画のなかではどんな熱い男の物語が観られるのか楽しみです!
『イン・ザ・ヒーロー』
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』来日記者会見、トム・クルーズ、ダグ・ライマン監督、アーウィン・ストフ(プロデューサー)
まず「本作の製作において、一番挑戦だったことは?」と尋ねられると、プロデューサーは「この映画を製作すること自体が一番の挑戦でした。これほどコンセプトのある原作を映画化するのは非常に大変なことでしたが、それを可能にしてくれたのは、やはりトム・クルーズの意欲でした。彼が“この作品を映画にしたい”と言ってくれただけで、作品に関わる全員が自信を持って“この映画の製作を絶対にするんだ”という気持ちになれました」とコメント。一方、トム・クルーズは「監督とプロデューサーと最初に会ったときに“まずは自分自身にチャレンジし、できる限り最高の映画を作ろう”と約束しました。映画の持っているトーンというものはすごく重要で、初期の段階から娯楽、ユーモア、ロマンス、アドベンチャーなど、感情を揺さぶる要素が集まった映画にしようと心がけ、完成した映画もそのトーンをそのまま表現することができました」と熱く語りました。常に新しいことに挑戦し続けるトム・クルーズってやっぱりカッコ良いですよね。外見のみならず内面的にも本当に素敵な方です。
キャストについて監督は、「私が一番興奮したのは、始まって10分ほどで主人公が死んでしまうところです。トム・クルーズを主人公にキャスティングしているのに、そのキャラクターは最初の10分で殺されるような全然戦えない兵士なんです。そういう今まで観たことがないトム・クルーズをこの映画では観ることができるのも魅力です(笑)。そして相手役にはエミリー・ブラントを選びました。トム・クルーズが演じたケイジはループする能力を持っているわけですが、エミリーの演じたリタはケイジを上回る強さがないといけないキャラクターだったので、エミリーにとってはすごく挑戦だったと思います。でも彼女は勇気のある女性で、この難しい役柄を演じきってくれました」と話しました。いつもキメているトム・クルーズが、映画の冒頭では「こんなに弱いの?」と思わせるキャラクターを演じているのですが、そこからの巻き返しも本作の見どころの一つです。
続けて監督は「トムは最初のミーティングのときから日本の観客について話していました。本当にトムはラブストーリーがあると思うくらい日本のファンのことを愛しています。それはレッドカーペット上でのことだけではありません。3人だけでミーティングをしているときもトムは、“このシーンは日本だとどう受け止められるのか、このユーモアは日本人に伝わるだろうか、この字幕を読んでいる間にビジュアルを観ているチャンスがないんじゃないか”など、常に日本の観客を意識していました」とトム・クルーズの日本愛について話してくれました。最後にトムは、「今日で日本を経ちますが、それはさよならではありません。またすぐ会いましょうということです」とコメントし、記者会見は終了となりました。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
映画『マレフィセント』来日記者会見、アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、上戸彩(日本語吹き替え声優)
2014年6月24日、本作のPRのため来日したアンジェリーナ・ジョリーとエル・ファニングが記者会見を行いました。当日は日本語吹き替え版でオーロラ姫を演じた上戸彩も登壇し、オーロラ姫をイメージした柄の靴を履いてきたとのことでした。
たアンジーに、会場にいた子ども記者が「オーロラ姫に出会って変わっていくマレフィセントは、母親になって変わったというアンジェリーナさんと重なるように思いました。マレフィセントはアンジェリーナさん自身ですか?」と大人顔負けの質問をして、会場には微笑ましいどよめきが起こりました。アンジーは「マレフィセントの良いところは私に重なっていると思いたいです。たしかに今おっしゃった通り、子どもができて本当に変わりました。(彼らは)幸せをもたらしてくれます」と優しく返しました。続けてもう一人の子ども記者から「私たち子どもたちに伝えたいことは何ですか?」という質問に、アンジーは「マレフィセントは子どもの頃はとても純粋で人を信じる心、正義感を持っていました。しかし多くの子どもたちは純粋な心を持っていても、いじめにあったり傷つけられたりするとだんだん変わってしまうことがあります。そんなとき怒りや憎しみが出てマレフィセントのように悪いことをしたいと思うかも知れませんが、本当に大事なのはそういうことを乗り越え愛情をもって人と接することです。そうすれば幸せや明るい性格を取り戻すことができます」
と丁寧に答え、アンジーのお母さんらしさが垣間見えました。エル・ファニングは「人は初めから悪として生まれてくることはないと思います。何か理由があって怒りを抱えたりするのだと思います。誰の中にも良いところがあるとすれば、それを探さなければいけないとも思います。またこの映画で描いているのは、愛というのはいろいろな形があるということで、私たちの周りにいっぱいある愛に目を向けることがとても大切だと思います」とオーロラ姫そのものの言葉のように素晴らしいコメントをしました。この子ども記者たちの勇気あるインタビューに、アンジーは「最高のインタビューだったわ。ありがとう」と優しい言葉をかけていました。
『マレフィセント』
映画『her/世界でひとつの彼女』来日トークイベント、スパイク・ジョーンズ監督、鈴木敏夫氏(スタジオジブリ・プロデューサー)
まず鈴木氏は本作について「僕は普通の人間がコンピューターに恋をすることができるのかって、ちょっと疑いながら見たんですけどね。見ているうちにこれはちゃんと成立しているって感動したんですよ。でも、彼の映画っていつも主人公が一貫してて、常にうだつの上がらない人ですよね。決してヒーローじゃない。あるときそんな主人公に狂気が起こるというか、それを観ていてすごく快感があります。10数年で長編映画4本ということですが、もっと作ってください(笑)」と感想と今後の作品への期待を述べました。その鈴木氏の言葉に対して、スパイクは「共感して頂けるというのはすごく嬉しいことで、ジブリ作品もそうだと思いますがマジカルなことが起きるストーリーでも、キャラクターに起きていることはリアルでなければいけないと思うんです。それがやはり共感を呼ぶし、でもそのためには作り手である我々がまず共感して思いやり、エンパシーを持って作らなければならないと思っています。自分たちの夢を映像化する上でいかにリアルに伝えられるかが1つのチャレンジだし、楽しいところです」と返しました。そしてさらに鈴木氏が「どうしてああいう主人公を選んで映画をお作りになるのか、それが一番聞きたかったんです」と質問すると、「もしかしたら自分自身がよりそういったタイプのキャラクターに共感するからかも知れません。何か自分について模索しながら生きていますし、人生の変化のなかでいろいろ悩んだりするわけで、人生はミステリーでもあるし、自分もそうだからというのがあるかも知れません」と答えました。
そして、鈴木氏は「21世紀に映画を作るとき“孤独”っていうのは大きなテーマなんですよね」と話すと、スパイクは「おもしろい考察ですね。考えたことはなかったですが、そうすると40年前、50年前はあまり映画制作という意味で孤独っていうのはなかったんでしょうか?」と逆に鈴木氏にさらなる見解を求めると、鈴木氏は「孤独っていうのはあんまりなかったと思うんですよ。実は今回僕らが作っている映画『思い出のマーニー』もそうなんですよね。いろいろやっているうちにそうなったんですけど。僕らが生まれたときは例えば映画は公共の場で多くの人が観るものだった。そのあとテレビが出てきて、テレビは日本では家族で観るものだった。ところがネットというか、スマートフォンその他が出てきて(その単位は)個人じゃないですか。技術革新によって人々の暮らしも変わったし内面も変わってきている、そんな時代が来ているときに彼の映画は意味を持つと思います」と述べました。スパイクは「歴史的な文脈のなかで孤独にというテーマは考えたことはなかったので非常に興味深いです。でもそういう孤独を抱える我々でもこうやって分かち合う、話すことによって、その寂しさが少しでも安らぐというのが希望でもあります」と答えました。
『her/世界でひとつの彼女』2014年6月28日より全国公開
映画『渇き。』完成披露試写会、役所広司、小松菜奈、清水尋也、橋本愛、國村隼、オダギリジョー、中谷美紀、中島哲也監督
役所広司はロクデナシの父親役について「こういうキャラクターは初めて演じさせて頂きました。非常に挑戦的なことばかりで良い経験をさせてもらい、気持ちよく演じることができました。監督は毎回ものすごく強烈な役をくれ、作品自体の個性も強いので、参加するのがいつも楽しみです。監督の撮影は長いのですが、お芝居を丁寧に撮ってくれるので俳優にとってはとても得だと思います」と語りました。同じく國村隼も「キャラクターがみんなクレイジーですが、僕もこういう変態の役は初めてやりました」と話していました。監督は冗談で「國村さんはいつもこんな感じじゃないですか(笑)」と言っていたものの、やはりベテラン俳優陣の新しい一面を引き出せるとは、中島監督のすごさを感じます。
小松菜々は「噂では怖いと聞いていたんですけど、私が緊張しているのをわかってくれて、緊張させないようにしてくれたり、すごく気をつかって頂きました。優しいクマさんみたいな方だと思います(笑)」と話しました。すると中谷美樹も便乗し「監督は優しいクマさんみたいな方です(笑)」と一言冗談を言い、「監督は上っ面ではない人間の本質を真摯に見つめていて、人が目を反らしたくなるような人間の本質にも正面から向き合って、それをエンターテインメントに消化する才能がある方です。凡才である私はいつもたくさんのものを引き出してもらえるので、毎回監督とお仕事をさせてもらえて良かったなと思います」と語りました。すると監督が「中谷さんには、始まる前に今日は絶対に僕の悪口を言わないようにと釘を刺したので何も引き出せませんよ(笑)」とすかさずコメント。中谷美樹は『嫌われ松子の一生』出演時に監督から厳しい演出をされたということで、この日も監督についての質問が多かったのですが、今ではすっかりお互いに冗談を言い合える仲のようで、見ていておもしろかったです。
最後にこれから観る方に向けて役所広司は「こういうタイプの映画は、今の日本映画界ではなかなか通りにくい企画だと思いますが、中島監督だからこそこの映画が成立できたんだと思います。それだけ通りにくい映画だからこそ、スタッフもキャストもこの映画に参加したいと思ったんだと思います。結果的にお客さんたちに、“変わった日本映画がある”とたくさんの人に観てもらえたら嬉しいです」とコメント。監督は「本当にヘビーなお話ですが、最初に原作を読んだときに絶対に映画化したいと思って動き出しました。まさかこんな映画にお金を出してくれる人はいないと思ったので、小さな映画として自主映画のような感じで作ろうと思っていました。でも本当にいろいろな方々の協力があって、素晴らしい俳優さんが集まってくれ、大きな劇場で皆さんに観て頂けるということは、自分でも信じられないくらい嬉しい気持ちでいっぱいです。血だらけで目を伏せたくなるシーンもたくさんありますけど、目を伏せて頂いて良いので、なるべく途中で外に出ることなく、最後まで我慢して観て頂きたいです。そうするときっと人間ドラマとしての本作のメッセージを受け取って頂けると思います」と話し、舞台挨拶が終了となりました。
『渇き。』R-15