『スーサイド・ショップ』パトリス・ルコント監督来日、スペシャルトーク&レクチャーイベント
2013年3月21日に開催された「東京国際アニメフェア2013」内にて、パトリス・ルコント監督登壇のイベントが行われました。今まで実写を撮ってきた監督が、今回初めて長編アニメーション映画に挑戦し、今回のイベントで貴重なお話をたくさん披露してくれました。
本作で初めてアニメーション作品に挑戦したことについて尋ねられると「私は新しいものへの挑戦をこれまでも意欲的に取り組んできました。けれどまさか自分がアニメーション作品を作るとは思っていませんでした。それにこの作品の原作を知ってはいましたが、映画化は不可能だと思っていました。今回は、プロデューサーの方から原作を元にアニメーション作品を作らないかと持ちかけられ、私は昔からアニメーション映画が好きで、漫画を書いた経験もあったので、このアイデアにとても魅了されてしまい映画化することを決めました」と話しました。いくつになってもやはり挑戦し続ける気持ちを持ち続けることは大切ですね。
この映画のタイトル『スーサイド・ショップ』(意味:自殺専門店)については「確かにこの映画のタイトルはあまり良いものではないかも知れません。私自身は楽観主義ですので、この映画のタイトルに関わらずおもしろくイキイキとした映画にしたいと思いました。だからこの映画はミュージカルというスタイルにして、暗い陰鬱な雰囲気と上手くバランスを取るようにしました」とコメント。邦題はまだ決まっていないようですが、このタイトルにミュージカルというギャップがおもしろそうですね。
また、アニメーションを作り上げる作業工程のメイキング映像が流れると「今回私がこのアニメーションフィルムを撮るにあたって、多くの人が【アニメを撮ったということは、あなたがこのキャラクターを描いたんですか?】とよく聞かれるのですが、私は描いていません。もちろん始めに原作を元にしたシナリオがあり、アニメーションチームに人物像を伝えるにあたって私が簡単な絵を描くことはありました。ですが実際のアニメーターたちが描いたものであり、私はキャラクターの人物像などをアニメーターたちに口で説明して細かい指示を出すという作業を行っていました。そういったゼロから自分の好きなように人物像を作り上げる作業が実写映画とは違いすごくおもしろい体験でした」と語りました。確かにアニメーションを作ったと言われると、絵を監督が描いているのかなと思いますよね。監督の細かい指示と描いたアニメーターたちの良いチームワークがあったからこそ奇妙で愉快なキャラクターたちが誕生したということですね。
1時間30分という長丁場でしたが、あっという間に感じました。ほかにも現在製作中の新作のお話も出て、「実写をちょうど1本作り終えたところで、今は音楽をテーマにしたアニメーションを作っています。また3年くらいかかるよ(笑)」と笑いながら話していました。本作は大人も子どもも楽しめる作品で、監督自身も9歳のお孫さんと一緒に本作を鑑賞して楽しんだようです。ぜひ公開時は親子でも楽しんで欲しいと思います。日本での公開は9月7日とまだ先のようですが、今から楽しみに待ちましょう!
『スーサイド・ショップ』
2013年9月7日公開
配給:コムストック・グループ
© 2012 Diabolo Films, La Petite Reine, ARP, France 3 Cinéma, PCF Magasin des Suicides le film Inc., Entre Chien et Loup, RTBF
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巨匠パトリス・ルコント監督がアニメーション映画に初挑戦! はコメントを受け付けていません