『パシフィック・リム』来日記者会見、ギレルモ・デル・トロ監督、菊地凛子、芦田愛菜
『パシフィック・リム』のPRのためギレルモ・デル・トロ監督が来日し、2013年7月28日に菊地凛子と芦田愛菜とともに記者会見を行いました。劇中には「KAIJU」という言葉が出てきたり、日本の特撮映画への思いを強く感じさせられますが、監督は「私はメキシコで生まれ育ちましたが、日本の文化、アニメ、映画、テレビはずっと観てきました。この映画は日本へのラブレターです。私は1964年生まれなのですが、その時代、日本では怪獣映画やいろんな神話的な作品がたくさん生まれました。『鉄人28号』『鉄腕アトム』『マジンガーZ』や、円谷プロさんの『ウルトラセブン』『ウルトラマン』などのテレビシリーズを観て僕は育ちました」と日本の作品への熱い思いを語ってくれました。ここまで日本文化を愛してくれているのを聞くと嬉しいですね。
監督が日本の文化に共感する理由については「日本の文化は非常に独創的です。日本の作品には美を愛する心、儀式や儀礼を愛する心が含まれていると思います。怪獣やメカは世界の中でもとてもユニークで、怪獣、モンスターに対する愛情を感じます。怪獣、モンスター好きの私としては大変共感します。メカやロボットのテクノロジーに関しても愛情がある。西洋では“いつかそういう革新的な技術は人間を襲うものだ”という偏見がありますが、日本はテクノロジーを大きな心で受け入れているのだと思います。この作品には全く皮肉はありません。そこには純粋な愛情、祝福、信念があります。ゴジラの生みの親である本多猪四郎氏のこんなお話を聞いたことがあります。本田氏はゴジラの最初の作品を作るときにスタッフ全員を呼んで“この怪獣を信じない人は今すぐここを出てくれ。この企画を降りてくれ”と言ったそうです。まさに私もそういう感情を共有しています」と話してくれました。
菊地凛子はそんな監督の印象を聞かれると、「私は『バベル』という映画に出演させて頂いた8年前に、ギレルモ監督は同じメキシコ出身で『バベル』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトウ監督と仲が良いのでお会いする機会があって、“ぜひ監督の映画に出演させてください”とお願いして、今夢が実現しました。監督は自分のことをトトロというユニークな方で、現場ではスーツが重く大変なシーンで集中力が切れそうなときにトトロの歌を日本語で歌ってくれたり、日本のカルチャーをすごくご存じだし、愛情豊かな方です。何よりも才能がある方で自分自身も監督の作品のファンなのでこうして出演できて良かったです」と語りました。実は森マコ役は菊地凛子をイメージして脚本が書かれたそうで、8年前の出会いもちゃんと覚えていてくれるところがまた良いですね。監督は菊地凛子の脆さと芯の強さの両方を兼ね備えているパーソナリティがとてもユニークだと思ったそうです。そして、芦田愛菜は、「監督はすごく優しくて、“(自分のことを)トトロって呼んでね”って言ってくれました。ほんとにトトロみたいです(笑)。撮影のときは“アメージング”とか“パーフェクト”って言って頭を撫でて褒めてくださって嬉しかったです」と笑顔いっぱいに答えてくれました。
本作の主役はロボット、怪獣でもあるのですが、デザインについて質問された監督は「ロボットと怪獣のデザインには1年くらい時間をかけました。まずはどういうロボットなのか、怪獣なのかという心の部分、キャラクターから決めて、だんだん外見を作っていきました。実際に動かすとどうなるかを考えてデザインを作っています。でも(ロボットや怪獣好きの人のためだけの)ファン・ムービーにしたくはない、やはり違うものにしなくてはならないと思いました。シルエットがとても大事なので100種類くらい作って、“アメリカン・アイドル”という勝ち抜きバトルの番組のようにどんどん絞っていきました。カメラでズームインしたときに、ロボットの顔の横についている細かい階段や“危険”と書いている文字さえも見えるくらい詳細まで作り込んでいます」と答えました。ほかにも「押井守監督の『機動警察パトレイバー』はすごいですよね」というコメントもあり、やはり日本の作品からインスピレーションを受けていることも多いようで、今回の来日でも“中野ブロードウェイ(東京都中野区の商店街の一角にあり、かなり昔の作品も含めフィギュアやアニメ関連の商品などが多数売られているスポット)”に行くために一つ空のスーツケースを持ってきているとのこと。あとはジブリ美術館にも行きたいとのことで、来日したら毎回行くコースのようです(笑)。
本作は本当に迫力のある映像で、日本の特撮もこうやってお金をかけるとこんな風になるのかな〜と違った視点で楽しめる作品です。豪快な映画なので、ぜひ大きなスクリーンで観て、ギレルモ監督の日本への愛もいっぱい感じてください!
『パシフィック・リム』
2013年8月9日(金)より全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/
©2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC
トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定
http://www.tst-movie.jp/hh06_ha/hh06_ha_PacificRim.html
トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html
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