第27回東京国際映画祭、コンペティション審査員記者会見、ジェームズ・ガン審査委員長、イ・ジェハン、ロバート・ルケティック、エリック・クー、デビー・マクウィリアムズ、品川ヒロシ
2014年10月24日、第27回東京国際映画祭コンペティション審査員記者会見が行われ、審査員6名が登壇しました。審査員たちは、コンペティション部門15作品を審査し、最高賞東京サクラグランプリを決めていきます。今回の審査員は、今までにたくさんの映画に携わってきた精鋭ばかり。そこで、今回はそれぞれの審査員がどんな作品に携わってきたのかも合わせて紹介していきたいと思います。
まずは、『私の頭の中の消しゴム』『サヨナライツカ』の監督を務めたイ・ジェハン。今回の映画祭に審査員として参加することについてイ監督は、「私は今回東京国際映画祭の審査員に選ばれ、日本に来られたことが非常に嬉しいです。東京では映画の仕事をしたことがあるので、私にとってとても大事な場所です。今回の審査員たちとこれから審査ができるとこを楽しみにしています」とコメントしました。
次に『キューティ・ブロンド』『キス&キル』を監督したロバート・ルケティック。今回の映画祭の意味について「今世界的に人間が置かれている立場は、危機的状況だと思います。でもそういう意味において、映画はメッセージとして大きな希望をもたらしてくれます。だから僕としては映画の世界で、今の世界の状況において人々に何かしら心を打たれて希望を持てると思います。この映画祭にもそういったテーマがあるので、とても大事にしたいと思います」と真剣に語りました。バート・ルケティック監督はルックス的にかなりイケメンでしたが、フォトセッション時にはいろいろなポージングをしていてとてもお茶目でした(笑)。
続いて、『私のマジック』『TATSUMI マンガに革命を起こした男』(2014年11月15日より全国公開)のエリック・クー監督。映画祭に審査員として参加することについて「私にとって日本はとても特別な国です。特にこの東京国際映画祭は、1997年の私の2作目の映画から必ず上映して頂いていているので、今回の役目は私にとってすごく意味があります。今回の審査員メンバーはすごくフィーリングが似ているように思うので、個々の心に訴えかけ心を揺さぶるような作品を探したいと思います」とコメントしました。
今回、唯一の女性審査員となるのがデビー・マクウィリアムズ。彼女はキャスティング・ディレクターで、『ヘンリー五世』『007 スカイフォール』などのキャスティングを担当してきた方です。どんな視点から審査をしていくのかについて「これだけ素晴らしいハンサムな監督たちと審査ができて光栄です。今回私は紅一点で、しかも唯一監督ではありません。でもせっかくこの審査員の一員に加えて頂いたので、自分の意見をしっかり言わせて頂こうと思います。普段私たちが映画を観に行くときは、自分で選んで観ますが、今回は一体何を観せられるのか全く検討がつきません。これから観る映画は、もしかしたら自分が今まで持っていた考えを変えてくれるかも知れませんし、自分が経験したことのないような経験があるかも知れません。そういう知らない世界を見せてくれるという意味でもとても楽しみにしています」と話しました。
そしてお笑い芸人であり映画監督(『ドロップ』『サンブンノイチ』など)も務める品川ヒロシ。今回審査員に抜擢されたことについて「普段僕は芸人をやっているので、映画祭の審査員をするとなると、周りの仲間から“また文化人ぶりやがって”と言われるだろうなと思って、正直最初は迷いました。でも審査員のメンバーを聞いたときにあまりにも豪華で、僕の大好きな映画を作ってきた方ばかりだったので、そういう人たちと一緒に仕事をしたりお話ができるのは、少々みんなに揶揄されてもやっておくべきだと思ったので受けました。これから映画を観て話し合っていけるのがすごく楽しみです。僕はこのなかで一番キャリアが短く、お客さんと近いところがあると思うので、なるべくお客さんと同じ視点で観て、単純におもしろいかどうかで決めていきたいと思います」とコメントしました。
最後に今回の審査委員長で、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(現在公開中)で監督、脚本を担当したジェームズ・ガン。今回どんな視点から審査をしていくのかという問いに対し「答えはシンプルです。自分が観た作品で一番好きな作品を選び出します。私は映画を観るのが大好きです。映画というのは、自分が全く知らなかった世界に飛び込めるし、そこで新しい何かを発見することができます。映画が終わって映画館を出たときに、自分のことがより理解できるような感覚になる。もしくは一緒に映画を観た隣の人をもっと理解できるようになる。それが映画の一つの教訓ではないかと思います。私たち審査員は、みんな違う答えを求めてこの映画祭に来ています。これからいろいろな審議があると思います。でも最終的にはみんな同じところに落ち着くんじゃないかと感じています」と語りました。ジェームズ監督のパワフルな話し方がとても印象的で、話を聞いているとすごく引き込まれてしまいました。
会見の最後に審査委員長のジェームズ・ガンは「私たちが何を求めているかというと、希望と期待です。こらからどんな作品と巡り会えるのか、その作品がどれだけ自分の心を揺さぶり、そして何かメッセージをくれるのかを楽しみにしています」と意気込みを語りました。普段は映画の作り手として活躍する審査員の方々がどんな視点で映画を観るのか気になっていましたが、シンプルに審査をしていきたいという意見が意外に多かったので、すごく親近感が沸きました。そんな審査員たちが最後にどの作品を選ぶのか、結果が楽しみですね。またコンペティション作品は、観客賞と呼ばれる一般の方が選ぶ賞もあるので、ぜひ皆さんも審査員さながらに映画をジャッジしてみてはいかがでしょう。
【第27回東京国際映画祭】
会期:2014年10月23日〜31日
トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html
数々の映画に携わってきた審査員たちが映画の見方を語る!第27回東京国際映画祭 はコメントを受け付けていません