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14 7月

最初は主人公が違った?監督が明かす挫折の瞬間『インサイド・ヘッド』

Posted in 未分類 on 14.07.15 by Merlyn

映画『インサイド・ヘッド』来日記者会見、ピート・ドクター監督、ロニー・デル・カルメン共同監督
日本語吹き替え版キャスト:竹内結子、大竹しのぶ

2015年6月25日、本作の来日記者会見が行われました。まずは、ピート監督とロニー共同監督が登場し記者会見がスタート。本作を製作するに至った経緯について、ピート監督は「自分の娘を見ていて、子どもから大人になるにあたって、成長過程はとても美しいものだけど、親としてはちょっと寂しいところもあるなって思いました。じゃあ子どもは大人に成長する過程で、頭のなかはどんな風になっているんだろうと思ったところから始まりました。その後、共同監督のロニーと話し、それぞれの感情をキャラクター化して描くことに決めました」と語りました。すでに全米で大ヒットしている本作について、ロニー共同監督は「成績も嬉しいのですが、何よりも皆さんに観て頂き、楽しんでもらっていることが嬉しいです。多くの人に共感頂いている理由は、やはり感情というものが普遍的で、この映画そのものが皆さん自身の物語であることだと思います。それにとても魅力的なキャラクターがたくさん出てきますし、彼らがいろいろな困難を乗り越えていく姿に共感して楽しんでもらえているからだと思います」と話しました。

ピート・ドクター監督

本作で苦労した点について、ピート監督は、「一番挑戦だったことは『カーズ』であれば車、『ファインディング・ニモ』であれば魚のリサーチをして、そのルックスをベースにして描けるわけですが、感情となるとベースとなるものがないので、今回はピクサーのアーティストたちが何千ものドローイングを用意して、キャラクターを作りました。でも、“ブルーになる”や“頭を爆発させる”といった言葉の表現からはヒントを得て、キャラクター作りの参考にしました」とコメント。確かに感情には形がありませんが、完成したキャラクターたちを観ると、それぞれの感情がちゃんとわかるキャラクターになっているのがすごいです。

また、「本作をどんな思いで作りましたか?」という質問に対して、ピート監督は「最初はかなり“ビビリ”の状態で、それがだんだんと“ヨロコビ”に変わり、今は長年携わったこのプロジェクトを終えるということで、一緒に作った仲間たちや、この作品のキャラクターたちとお別れをしなくてはならないので、“カナシミ”の状態です」と、本作に登場する感情に例えながら話しました。記者より「自分自身を投影したキャラクターはいますか?」と尋ねられると、ピート監督は「“ビビリ”については、僕が中学生の頃にすごく感じた感情で、映画としても“ビビリ”について描いたらおもしろいんじゃないかと思い、最初は“ヨロコビ”と“ビビリ”をペアにして作っていました。でも進行するに連れて上手くいかないことが多く、もう失敗してしまったんじゃないかと思い、仕事を辞めて引っ越しをしようかと思ったほどです。でもそのときに、僕にとって一番失うことが悲しいのは、友人だということに気づいたんです。友人というのは、楽しいときの“ヨロコビ”の瞬間を共有していると同時に“イカリ”の瞬間や、何かを怖がる“ビビリ”の瞬間も一緒に体験している人たちなんです。そういう感情があるからこそ、友人との深い繋がりがあるんだということに気づき、急いでロニーのところへ戻り、そのことを話しました。そこから、主人公を変え“ヨロコビ”と“カナシミ”をペアにして作り直しました」と明かしました。そのまま“ビビリ”が主人公だったら、今とは全く違ったストーリーになったかも知れませんね。
会見の後半には、日本語吹き替え版で“ヨロコビ”の声を担当した竹内結子と、“カナシミ”の声を担当した大竹しのぶが登場し、監督たちに5つの感情の色をしたお団子をプレゼント。このお団子に、感激した監督たちはチャンバラごっこを始め、会場を沸かせていました。ディズニーやピクサー作品の監督って本当に楽しい人が多いですよね。その楽しさがそのまま映画にも表現されているように感じます。


最後にロニー監督は、「何よりも皆さんにこの映画を楽しんで頂きたいと思います。そして我々が作ったキャラクターに出会って欲しいです。この物語には、いろいろな感情たちが登場しますが、それぞれの感情に存在理由があり、いかに私たちが助けられているのかが感じられます。人と人とをより強く繋げてくれるこの感情たちのことを、観た方と話し合って、映画を観た後も楽しんでもらえたら嬉しいです」とコメント。ピート監督は「この映画は、皆さんに響く作品だと思っています。世界中すべての方が感情を持っているので、本作を観て頂くことによって、自分の感情というものに対してより意識して頂けるんじゃないかと思います。ぜひご覧頂いて、これは自分の物語だと感じてもらえたら嬉しいです」と話しました。

本作は、ライリーという少女の頭のなかの感情を描いた物語となっていますが、実際に観てみると大人こそいろいろな視点から考えさせられる作品になっています。ぜひ自分の感情を客観視するような感覚で、観てもらえたらと思います。

『インサイド・ヘッド』

2015年7月18日より全国公開

http://www.disney.co.jp/movie/head.html/

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

©2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定

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