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14 10月

今年の東京国際映画祭の見どころを要チェック!竹内結子も登壇、第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会

Posted in 未分類 on 14.10.15 by Merlyn

【第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会】椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会:
椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)他
<ゲスト>
『FOUJITA』より、小栗康平監督(写真一番左)
『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』より、竹内結子(主演/写真中央)、中村義洋監督(写真左から二番目)
『さようなら』より、ブライアリー・ロング(主演/写真右から二番目)、深田晃司監督(写真一番右)

【第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会】椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督

東京国際映画祭ディレクタージェネラル 椎名保氏

2015年9月29日、今年10月22日〜31日に行われる第28回東京国際映画祭を目前に、ラインナップ発表会が行われました。まず昨年より新設された“SAMURAI(サムライ)賞”について本映画祭のディレクタージェネラル椎名保氏より「この賞は、比類なき感性で新しい時代を切り開いていく方々を称える賞となっており、今年は山田洋次監督とジョン・ウー監督に贈らせて頂きます。山田洋次監督は80歳を越えてもさまざまな作品に挑戦し続けていて、敬意を称しこの賞を贈ることが決まりました。また、ジョン・ウー監督はアジアからハリウッドまで幅広く活躍し、多くのヒット作を生み出している監督で、その活躍を称えて授賞が決まりました。なお“SAMURAI(サムライ)賞”の授賞式は10月26日の“東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト”にて行われます。それからジョン・ウー監督には、10月25日に開催される、若い映画人と映画ファンに向けた“スペシャルトーク”にも登壇頂きます。今年の映画祭は、10月22日より10日間行われますが、映画を観て楽しみたいという方はもちろん、ほかにも映画に関する楽しめる企画がたくさんございます。ぜひ皆さんが満足頂ける10日間にしたいと思います」と話しました。ちなみに今年は、映画以外に“Cinema Music Jam”という音楽イベントや、映画にまつわる食を楽しめる“東京映画食堂”、新宿で開催される“新宿芸術天国”などのイベントがあるそうですよ。

コンペティション部門出品作『ボーン・トゥ・ビー・ブル−』

コンペティション部門出品作『ボーン・トゥ・ビー・ブル−』

続いてプログラミングディレクターの矢田部吉彦氏よりコンペティション部門全16作品の紹介がありました。今回はそのなかから気になった作品をピックアップして紹介します。

■『ボーン・トゥ・ビー・ブル−』イーサン・ホーク主演、アメリカ、カナダ、イギリス合作
ジャズトランペット奏者であるチェット・ベイカーを描いた物語。スタイリッシュな映像とイーサン・ホークの演技が見どころのクールな作品。

■『家族の映画』チェコ映画
家族の持つ脆さや危うさを新しい角度から描いた作品。後半はビックリな展開も!?

コンペティション部門出品作『神様の思し召し』

コンペティション部門出品作『神様の思し召し』

■『神様の思し召し』イタリア映画
ストレートなコメディ作品。腕は立つけど傲慢な外科医の男の人生が、ある神父との出会いによって狂っていく様をおもしろ可笑しく描いた作品。最後には感動もアリ。

■『ぼくの桃色の夢』中国映画
舞台は1985年の中国、中学生の少年が初恋をし、ずっと想い続ける様子をコメディタッチに描いた作品。大人になってから彼がその想いにどう決着をつけるのかに注目。

 

【第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会】椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督また、今回のコンペティション部門には日本から『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』『さようなら』『FOUJITA』の3作品がエントリーしており、発表会の後半には、各監督とキャストが登場しました。まず『FOUJITA』の小栗康平監督は、「東京国際映画祭には初めての参加となります。『FOUJITA』は、1940年代のパリに生きた画家、藤田嗣治さんについて描いた作品で、彼が現代に生きる我々に何を問いかけてくるのかという点を意識して作りました」と語り、主人公の藤田嗣治役を演じたオダギリジョーについては、「オダギリくんは猫っぽいんですよね。なよっとしていて、独特の身体感覚があるイメージで、そこが藤田と通ずるところだと思いました。また、普通の俳優さんの場合は自己顕示欲が強い方が多いのですが、オダギリくんはそうではなかったんです。“監督が良ければ結構です”と任せてくれるところがあって、これはすごく大事な部分でした。俳優が監督や共演者などに、自然に身を任せてくれることで、その作品は無限大に広がっていきます。オダギリくんはまさにそういう俳優で、この作品を豊かにしてくれました」と絶賛しました。今回オダギリジョーが演じた藤田嗣治は、本人にかなりそっくりです。ぜひ作品を観る前に藤田嗣治を調べてからご覧ください。

【第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会】椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』の中村義洋監督は、作品について「僕は昔かなり怖がりでしたが、ホラーを撮っていくうちに怖がりを克服してしまいました(笑)。でも今回の原作に関しては、そんな僕でも相当怖かったです。でもこの作品を作る上ではその怖かった気持ちを大事にして作りました。主演の竹内さんは、出演が決まってからも怖くて1ヶ月以上、脚本を読んでくれなかったんですよ(笑)」と暴露すると、竹内結子は「あまりに怖くて(苦笑)。まず企画の段階で原作を頂いたのですが、帯に“手元に置いておきたくない”と書いてあって、これはヤバいぞと自分のなかでアラームが鳴りました。でも出演も決まっていたので、何度も読もうと試したのですがなかなか読めず、結局撮影に入る直前に、事務所の明るいところで人が大勢いるなかで読みました(笑)」と話しました。続けて「撮影中はもっと怖かったのでは?」と尋ねられると、「監督は和やかな雰囲気の現場を作ってくれたのですが、ロケ先が倉庫とか不穏な場所ばかりだったので、なるべく早く家に帰って、鍵を閉めて、何なら塩でも撒いておこうかと思うくらいでした(笑)。なので私は撮影していても怖がりを全く克服できませんでした」と恐怖心を語りました。これだけ怖いと言われると、逆にどれだくらい怖いのか興味が湧いてきますね(笑)。

【第28回東京国際映画祭ラインナップ発表会】椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督『さようなら』の深田晃司監督は、作品について「この作品は平田オリザさんの戯曲をもとにしているのですが、戯曲の場合は20分くらいの短い内容で、明かされていない部分が多かったんです。なのでその余白の部分を膨らませていく作業を連想ゲームのような感覚で作り上げていきました」とコメント。主人公を演じたブライアリー・ロングは「撮影に入る前に監督と福島へ行きました。そこで原発によって避難を余儀なくされている方々とお会いしたのですが、その様子がとても印象的で心を動かされました。またこの作品がフィクションとはいえ原発を扱った作品なので、出演することに大きな責任を感じました。福島の方々の状況を完全に理解することは難しいと思うのですが、私のできる限りの想像力でどうにか福島の方々の気持ちに近づけたらと思いました」と語りました。本作には、アンドロイドも出演しており、その共演については「以前にもアンドロイドと共演したことがあったので、今回も抵抗なく演じることができました」とアンドロイド慣れしていることをアピールしました(笑)。ブライアリー・ロングはとにかく日本語が流暢でビックリしました。

またコンペティション部門で賞を競い合うことについて小栗監督は「作った人が競い合うのではなく、審査する方々が比較して選ぶわけですからね(笑)。僕としては皆さんがどんな風に作品を観てくれるのかを楽しみにしています」と話しました。中村監督は「審査員の方たちがホラー好きじゃなかったら賞はあり得ませんよね(笑)。個人的には小栗監督の作品を応援しています」とコメント。深田監督は「スポーツのように競って決めるわけでないですからね。本当に審査員の方々とのご縁とタイミングだと思っています」と語りました。実際にどの作品が選ばれるのか、結果が気になるところです。また、コンペティション部門は審査員による審査だけでなく、皆さんが選んで決める“観客賞”もあるので、自らの目でジャッジしてみるのもおもしろいと思いますよ。
ほかにも、東京国際映画祭では普段観られない各国の作品を観ることができ、さまざまなイベントも開催されるので、ぜひこの機会に足を運んでみてください!

 

椎名保(東京国際映画祭ディレクタージェネラル)、矢田部吉彦(コンペティション、日本映画スプラッシュ部門プログラミングディレクター)、竹内結子、ブライアリー・ロング、小栗康平監督、中村義洋監督、深田晃司監督【第28回東京国際映画祭】

会期:2014年10月22日〜31日

http://2015.tiff-jp.net/ja/

 

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