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13 2月

映画とは映画館で大勢で体験を共有するもの『ラ・ラ・ランド』ライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督来日会見

Posted in 未分類 on 13.02.17 by Merlyn

映画『ラ・ラ・ランド』来日会見、ライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督『ラ・ラ・ランド』来日会見、ライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督

ライアン・ゴズリングは今回2度目の来日、デイミアン・チャゼル監督は初来日となった記者会見には、多くの取材陣が詰めかけました。最初に司会より、米アカデミー賞14部門ノミネートについて聞かれると、チャゼル監督は、「まだショックが抜けていないんですが、とても光栄なことだと思います。このニュースを聞いたときにライアンと同じホテルにいたのでシャンペンでお祝いしました。心をこめて、チームが一つになって作った、特別な映画です。多くの人がそれぞれの限界を突破するほどに頑張って作った映画なので、たくさんの人々がノミネートされることによって認められたのはとても嬉しいです」と喜びを表しました。ライアンは、「この映画を作ったこと自体が賞に値すると思えるほど、本当に特別な作品なんです。(アメリカで)公開されて観客の反応もすごく良く、当たっているというだけでも賞に値します。その上にこういう賞にノミネートを受けたことは予想もしていなかったですが、映画というのはチームで作るものです。今回は大勢が認められたということで感慨深いです」と答えました。

映画『ラ・ラ・ランド』来日会見、デイミアン・チャゼル監督続いて記者から、「お2人はどのようにこのビジョンを確立したのか、苦労したことはあったか?」という質問が出ました。チャゼル監督は、「この映画を作るのに長いプロセス、時間がかかりました。私にとっても映画作りにとっても鍵になった瞬間が、ライアンに出会ったことなんです。彼に出会って、ミュージカル好きということで話が盛り上がって、彼がこの映画に加わってくれることになりました。3ヶ月間リハーサルをしたんですが、そのうちに映画の準備を同じ場所でしてたんですね。ライアンやエマ達がダンススタジオで練習をしているときに、近くでセットを作っていたので、同じ場所で築き上げていったと思います」と話しました。ライアンは「私達が一番話し合ったのは、このジャンル、このスタイルをあまりにもノスタルジックにしないということです。これをいかに現代的に、今の人達に共感できるものにするか。それはキャラクターに関しても同じで、あまり悲劇的にしないで、皆さんがわかるような、共感できるようなキャラクターにしたいと思いました。かといって、ダンスのなかで空に舞い上がっていくような空想の部分もあるので、そのバランスをどうとるかというのもありました。とてもチャレンジなことではありましたが、私達は大好きなジャンルというものに少しでも貢献したいとずっと話し合いました」と返しました。

映画『ラ・ラ・ランド』来日会見、ライアン・ゴズリング次にライアン・ゴズリングをキャスティングしたことについて聞かれたチャゼル監督は、「まずライアンという人は何でもできる素晴らしい人だと思います。非常に多様性があり、映画の知識も豊富、ミュージカル、音楽に対しても情熱、深い愛情を持っていて、こういう映画をやるのに必要な素質を全部持っています。そして素晴らしい役者さんですので、この役を立体的に描けると思いました」とライアンを絶賛。この言葉を受けてライアンは「この原稿は僕が書いたんです」とジョークで照れ隠しをしながらも、「直接的に言って欲しかった」とはにかんでいて可愛かったです。

そして、「最近はオリジナル脚本の映画がヒットしづらくなっていることについてなぜだと思うか?また、不安の時代に癒やしを見いだす映画ということなのか?」という質問が出ると、チャゼル監督は、「僕たちもいろいろ話し合いましたが、たしかにミュージカルには他にはない楽しさ、楽観的な感じがあり、ミュージカルならではの高揚感はあると思います。同時に現実的で正直なストーリーが必要だと思いました。つまり、叶う夢もあれば叶わない夢もあるといったところが人々に訴えかけたのではないかと思います。ミュージカルとしても幻想的な部分とリアルな部分の組合せがうまくいくと良いなと思ったんですが、たぶん私達が思った以上に観客の方はそこを楽しんで頂けたんだと思います」と謙遜を交えながら回答しました。ライアンは「映画というのは、映画館で大勢の人と一緒に共有して観るものだということで、そういうものが作りたいねって、監督と言ってたんですね。スマホで観るものじゃないって。実際に公開されて、多くの観客が映画館に足を運んで、大勢の人達と一緒に観て、同じ体験をするという素晴らしさをシェアしているということで、それが実現できたことにすごく満足しています」とコメントしました。

映画『ラ・ラ・ランド』来日会見、ライアン・ゴズリング、デイミアン・チャゼル監督本作にはオマージュがたくさんあるというのも話題になっているなか、これはまだ誰も気付いていないだろうというシーンを聞かれると、チャゼル監督は、「無意識にはいろいろな映画のオマージュをしていると思います。というのは僕達は本当にいろいろな映画を研究していて、いろいろな映画の思い出のなかで泳ぎながら作っていました。古い映画のみならず新しい映画もあります。昨晩日本の方とお話していたときに、気付いたんですが、言われてみれば絵コンテの段階から入っていたかもと思うのが、鈴木清順さんの“トウキョウドリフターズ”=『東京流れ者』です。すごくワイドに撮っているところとか、ポップアートな色合いとか、非常にミュージカル的なんですが、銃が入ってるミュージカルということで、もしかしたら隠れたオマージュかなと思います。少なくともアメリカでは誰もこの映画について言及していません。あと、今ライアンが思い出させてくれたんですが、私達が使っていたレコーディング・スタジオは、実は『オズの魔法使い』『雨に唄えば』などハリウッドの本当に素晴らしいミュージカルが実際にレコーディングされたところで、自分達もレコーディングできたということで、これは素晴らしいギフトだと思っています」と語りました。

デイミアン・チャゼル監督もなかなかのイケメンだったし、私個人的には大好きなライアン・ゴズリングに会えたのですごく感激でしたが、2人ともこんなに熱い映画を撮ったのに、喋るときはクールな感じでカワイイなと思いました(笑)。2人が話していたように、作った方々の愛情や情熱がひしひしと感じられる、本当にステキな映画です。ぜひ劇場で何度でも観てください!

来日記者会見:2017年1月27日取材 TEXT by Myson

 

映画『ラ・ラ・ランド』ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』
2017年2月24日より全国公開
ギャガ、ポニーキャニオン
公式サイト
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Photo credit:  EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

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