『タイタニック 3D』ジェームズ・キャメロン監督来日
2012年3月30日、自らの手で3Dとして蘇らせた『タイタニック 3D』のPRでジェームズ・キャメロン監督が来日しました。2012年はオリジナルの公開から15年、豪華客船タイタニック号の出航、沈没から100年にあたります。この記念すべき年に公開することについて「今年が記念すべき年であることは関係しています。タイタニックの事件そのものにまた世界中の注目を集めたいという気持ちがありました。私は実際の沈没船のところまでダイブして、3本のドキュメンタリー映画も撮りましたが、私自身、この船に対して非常に興味がありますし、同じように興味がある方も多いと思うので、そういう方のためにもという思いがありました」と語りました。また、2Dから3Dへ変換することについて否定的な意見を持っているとされるキャメロン監督ですが、「私は、ただ手間が省けるからといって2Dで撮って3Dに変換することには反対です。3Dを撮りたいという監督には、最初から3Dで撮りなさいとアドバイスします。それが一番の方法だし、クリエイティブな面でも一番満足できて、質もコントロールできるから、芸術作品として3D映画は3Dで撮るべきだと思います。ただ、本作のように過去の映画で2Dでしか撮ってない映画はこうするしか選択肢はないわけです。でも今回どれだけ難しかったというと(立ち上がってディカプリオとケイトが写るキービジュアルの前に立ち)、例えば、これを映画の一コマだと思ってください。エンジニアたちはこのフラットな画を3D化するわけです。このケイト・ウィンスレットの髪の一本一本まで深さをつけていくわけです。手で1コマ1コマ、立体化していくんです。それは気の遠くなるような話ですが、そうやってやるんです」と熱く解説。
なぜ3Dにしたかという質問には「まず私は3Dが好きな人間ですし、3Dにすることでこの映画にまた新しい命を与えられるからです。映画というのは最初は劇場で大画面でみせるけれど、それが終わるとDVDなどになってしまいます。でもフィルムメーカーとしてはとても忍びないことなんです。こういった映画は大きな画面でみないと真価がわからない。それを3Dにすれば、新しいお客さんを開拓できて、しかるべき形で観てもらえるというのが一番の理由です」と答えました。映画を観る端末は、ブルーレイ、DVDプレーヤーだけでなくタブレットやスマートフォンまで広がり、それはそれで映像を楽しむ人が増える可能性が広まったというメリットもありますが、フィルムメーカーとしての思いはやっぱり劇場で観て欲しいというのは当然ですよね。『アバター』で3D映画革命を起こし、多くの人を劇場に呼んだ実績のあるキャメロン監督は、一度この思いを成し遂げてもいるわけですから、この方がいる限り、劇場映画はまだまだ不滅ですね!本作がヒットすれば、次は『ターミネーター2』を3D化したいと語った監督。ぜひ実現して欲しいと思います。
『タイタニック 3D』
2012年4月7日より全国公開(4月4日先行上映)
配給:20世紀フォックス映画
http://www.foxmovies.jp/titanic/
©2011 Twentieth Century Fox and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
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『タイタニック 3D』ジェームズ・キャメロン監督の3D映画へのこだわり はコメントを受け付けていません