トーキョー女子映画部の取材リポート

女子目線で取材!トーキョー女子映画部ホームはhttp://tst-movie.jp

16 2月

二階堂ふみが発案し、行定勲監督がサンドバッグになる覚悟で映画化した『リバーズ・エッジ』

Posted in 未分類 on 16.02.18 by Merlyn

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、行定勲監督映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、行定勲監督

 

1993〜94年にかけて、雑誌「CUTiE」で連載された岡崎京子の代表作「リバーズ・エッジ」が映画化。若者達がもがくリアルな世界を描いた衝撃的な内容の本作に出演したキャストと、行定勲監督が登壇しPRイベントを行いました。

行定監督は、「本来この“リバーズ・エッジ”という伝説的なマンガの映画化には、できれば携わりたくなかった。岡崎京子という人は、本当に稀代の漫画家だと思います。素晴らしい作品で、いろいろな世代に影響を与えたこの作品を映画化するということは、蜂の巣に会うんだと、僕はサンドバッグみたいにボコボコにやられるんだと想像していました。でもここにいる主演の二階堂ふみにほだされてですね、まんまと監督をやらされたという状況です(笑)。正直、この作品を完成させた時、最初に持った感想は“やっぱ、岡崎京子ってすげえや”という言葉です。それをとにかく今の若い人達に感じてもらいたい。それを指針としてこの映画を完成させたので、ぜひとも最後まで楽しんで観て頂ければと思います」と、本作映画化のいきさつを明かしました。
さらに、原作の雑誌連載から20年以上経って、なぜ今この作品を映画化するのかと聞かれた行定監督は「僕自身も“今なぜ?”と正直思いました。この企画は、僕からの発案というより、二階堂ふみからの発案で、彼女の「岡崎京子の“リバーズ・エッジ”って興味あります?」という一言から始まったんです。興味がないわけがないんですよね。それでやるとは答えていないのですが、“興味あるよ”って言ったら、“オッケー、じゃあ話しましょう”となって、スタートしたんです。プロデューサーとも話したんですけど、まずなぜ今映画化するのかですよね。当時二階堂は二十歳だったんですけど、彼女がこの作品に何でこんなに興味を示していて心に刺さっているのか考えました。よくよく考えてみると、1994年の翌年に、オウム真理教による地下鉄サリン事件や、震災が起こったりしたんです。この映画のなかでキーワードとなっている“平坦な戦場を生き延びる”という、それを長年僕らはいろいろな局面で生き延びてきたんだろうと。そう考えてみると、今だってこの世の中がどうなっていくのかわからない淵に立たされているような感覚があるんですよね。映画を作ってみてわかったのが、“リバーズ・エッジ”の“リバーズ”って、いろいろな川があると思うんですけど、川の流れって1つの歴史で、いろいろな岸があって、そこに少年少女達はいつも佇んで、その川の流れを見ながら踏ん張って生きていくという、その生きるというテーマが1つ見えてきたんです。これが如実に剝き出しになった“リバーズ・エッジ”っていう漫画が当時あって、それが今の人に実は有効的に刺さるんじゃないかと思いました。だったらどんな時代の人にもこの普遍的なテーマはたぶん刺さり続けるだろうと。だったらこれを敢えてやるのは今かなと思って、取り組みました。

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、二階堂ふみ発起人の二階堂は、主人公達と同じ16歳のときに初めて原作を読んだ時の事について聞かれると、「高校2年生で、ちょうど『ヒミズ』という映画を撮っていた時に、美術部のスタッフの方が“これ、好きだと思う”と言って本を貸してくださって、初めて岡崎先生の“リバーズ・エッジ”という作品と出会いました。その時に自分が抱えていたものがそのまま作品のなかにあって、でもその時はそんなに映画にしたいとかは思っていなくて、とにかく衝撃が強くて、自分のなかに傷跡が残ったような感覚でした。でもその半年後くらいにちょうど企画が立ち上がって。なので今日こうやって皆さんにお披露目するまでに実は6年半から7年くらい時間がかかりました。若い人達が抱えるものだったり、その時に感じていることとか、生きることみたいなものを、10代後半に特に疑問に思ったり、考え始めたり、気づき始めたりする頃だと思うんですよ。それは行定監督がおっしゃっていたように、普遍的なテーマだと思うので、ぜひ今日ここに来て頂いている人達にも映画を観て頂いて、感じて頂けたら良いなと思います」と、映画化されるまでの経緯を振り返りました。

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、吉沢亮続いて、ゲイである山田を演じた吉沢は役作りについて聞かれると、「外見的な部分でも細い男だなっていう印象があったので、筋トレをするとかじゃなくて、走ったり、食事も気を付けていました。一番は原作と台本を行き来して、ひたすら人間性を考えるってことをしました。漫画が原作なんですけど、すごく余白の多い作品なんですよね。自分の考えで埋めなきゃいけない部分とかも結構あって、掘り下げれば掘り下げるほどそこが見えなくなっていって、現場ではすごく悩んでいました。でも山田はすごくおもしろい男で、ゲイだったり、いじめられていて、ちょっと社会を斜めに見ていて、死体みたいなものに安心感を求めているのですが、女子も男子も皆が好きな、誰もが憧れを持つような男のことが好きっていう部分とか、いろいろな矛盾を読んでいて感じました。そういう部分をどうやって演じたら良いかという部分をひたすら考えていました。あとは、周りの人達、それこそハルナとか観音崎に対する想いとか、すごくいろいろなことを考えながら演じました」と語り、山田というキャラクターの魅力を伝えました。

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、SUMIRE摂食障害に苦しむモデルのこずえ役を演じたSUMIREは「こずえは、摂食障害なので食べては吐いての繰り返しもあったんですけど、こずえからしたら食べて吐くということが、本作で若者達が悩みにぶつかっている部分を表しているのかなと、演じるなかで気付いていきました。こずえは結構1人でいることが多く、周りに理解してもらえないところもあるけれど、ハルナに対する想いとかは結構温かみがあるなと思いました。大事なものをちゃんと大事にする人なんだなと思って、そういう部分は普段の自分でも共感できる部分だと思いました」と話しました。

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、森川葵山田を好きになり、ストーカーのようになってしまうカンナを演じた森川は、「私は比較的カンナという女の子と性格がすごく近いんですよ。そんな変な女の子じゃないと思うんですよね(笑)。カンナが山田くんのことを好きっていう一途な気持ちは、たぶん今日ここに来ているお客さんにもわかってもらえると思います。それが私もすごく似ていて、人のことを好きになるけど、好き過ぎてどんどん相手が離れていってしまうというのは、“本当に私ってカンナっぽいんだな”と思いながら演じました」とコメントしました。

映画『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶、二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、行定勲監督本作の主題歌、小沢健二の“アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)”が届いた時の事を聞かれると、行定監督は「最初はふみちゃん(二階堂)から“映画のエンディングをたぶん小沢さんが書いてくれますよ”って聞いて、“本当かよ”って思っていました(笑)。この映画の時代をすごくよくわかっている人にエンディングは飾ってもらいたい、最後の後書きみたいな役割をやってもらいたいと思っていたので、小沢さんは本当にドンピシャだなと思いました。でも正直、僕が想像していたのとは違いました。そうなると、ほんのちょっとだけあてる箇所も変わるんですよ。皆さんこれからご覧になるので意識的に観て欲しいのですが、実は最後だけ絵も変わります(笑)。絵としか言いませんが、そうやって変わらせられたくらい、本当に90年代の“リバーズ・エッジ”、つまり岡崎京子がこの作品を生み出した時代というものをものすごく体感できる曲にしてもらえました。ある意味、これから生きていく人間に対するエールにも聞こえます。そういう意味では本当に小沢さんは天才なんだなと思いました。僕らが想像をしていたのとは、全然違うところにちゃんと僕らや観客に着地点を見出させてくれるなと。本当に素晴らしいと思いました」と、絶賛しました。この楽曲には、二階堂と吉沢がボイスとしても参加しているそうなので、よ〜く聞いてみてくださいね。
キャスト、監督の言葉から、本作がいかに衝撃的かが伝わってくると思いますが、どんな世代の方が観ても刺さる物語です。ぜひ強烈なパンチを浴びてください!

『リバーズ・エッジ』完成披露舞台挨拶:2018年1月31日取材 TEXT by Myson

 

『リバーズ・エッジ』
2018年2月16日より全国劇場公開
公式サイト
© 2018 映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

 

トーキョー女子映画部での紹介記事
映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定
TJE Selection イイ男セレクション/吉沢亮
トーキョー女子映画部サイトに戻る

 

二階堂ふみが発案し、行定勲監督がサンドバッグになる覚悟で映画化した『リバーズ・エッジ』 はコメントを受け付けていません。

Comments are closed.