映画『友罪』完成披露試写会舞台挨拶、生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市、瀬々敬久監督
映画『友罪』のキャスト、監督が、完成披露試写会で舞台挨拶を行いました。オファーが来た時、脚本を読んだ時の感想を聞かれた生田斗真は、「絶対にやらなくてはならない題材だなと思いました。とはいえ、この映画の制作中も、できあがってからも、スタッフさんとこの映画を作って本当に良かったのだろうかとずっと考えながら撮影していた記憶があります。同じ時代に生きてきた者としては、エンタテインメントとして僕らが表現するというのは必要なことなんじゃないかなと、覚悟をもって、この映画に挑んでいくことにしました。薬丸岳先生が書かれた小説もそうですけども、本当にこの映画の脚本はすごく真に迫ってくるものがあったので、自分としては最大限の表現ができればなと思いました」と語りました。
“元少年A”という難役を演じた瑛太は、どんな気持ちに役に挑んだのかと聞かれると「まず衣装合わせで、監督に“僕が俳優だったら、この役は受けないけどねって言われました。そこからスタートしました。やっぱり覚悟は必要で、まず“少年A”の手記を読ませて頂いて、いろいろ感じることがあって、もちろん殺人を犯した人間に対して否定的なことを感じるんですけど、その少年Aに対してどこか光のようなものを感じてしまい、そこが僕がこの役を演じる上で大事なところだと思いました。最終的には、彼がお客様に対してどんな光を与えられるのかなということを想像しながら演じていました」と、心中を明かしました。
瀬々敬久監督の過去の作品を観て、瀬々組に参加したいと思っていたという夏帆は「一番最初にこのお話を頂いた時は、瀬々組のオファーが来たと思って、率直に嬉しかったです。ただ本を読んでいくと、なかなか覚悟が必要で、この役を好きになれるのかなと思って、正直すごく悩みました。ただこの難しい題材を瀬々さんがどういう風に作っていくのか、私も現場で見たかったのもあり、覚悟を決めてお受けしました」と話しました。
瀬々敬久監督と本作で4度目のタッグを組んだ佐藤浩市は、「『ヘヴンズ ストーリー』という4時間の長尺の映画をご一緒させて頂いたこともあったんですけど、やはり物事は多面的だっていう、昨今、勝った負けたとか、白か黒かという非常に二面的な物事の捉え方が多いんですけど、いろんな観る側の側面があるんだっていうことを僕も思っているので、瀬々さんが常にこういう風に取り組んでいかれるというのはよくわかっているつもりなんですけどね」とコメント。瀬々監督は、本作の魅力を聞かれると、「俳優の方々が今までそれぞれ観たこともないような表情をされたり、テンションで演じられているというところがすごく多いので、ぜひそこに注目して頂きたいと思います」と答えました。
今回で3度目の共演となった生田と瑛太。生田は「20代前半の頃から一緒に仕事をしていて、多くを語らなくてもどこかもっと太い部分で繋がっているような関係値を築けている2人だと思っているので、現場でも隣り同士に座っている時もあれば、すごく離れている時もあるし、たくさん話す時もあれば、一言もしゃべらない時もあって、でもそれがすごく心地良い現場でしたね」と振り返りました。瑛太は「もう3度目なので、生田斗真という俳優が現場でどういった心持ちでくるかがもうわかっているので、とにかく僕は鈴木というキャラクターに関して現場で集中してやっていれば、あとはそこで反応が出てくるので、僕は本当に斗真に委ねて演じることができました」と、2人の信頼関係の強さを表しました。そして、生田がこの作品でいろいろな取材を2人で一緒に受けた時のエピソードを披露。「たまにテレビで、“何とかテレビをご覧の皆さん、生田斗真です、瑛太です”みたいなのがあるじゃないですか。それで瑛太が自分の名前で嚙んだんです(笑)」と言うと、瑛太が「それあんまりおもしろくない」とボソッとツッコミ(笑)。すると、生田は「瑛太って、3文字なのに(嚙んじゃって)。暗い映画なので、こういうのも入れとかないといけないなと思って」と返し、会場の笑いを誘いました。
次は、現場での瀬々監督の話題に。初めて瀬々監督の作品に出た山本美月は、「とても難しい言葉で演出されるんですよ。私の語彙力の無さがスゴくて、たまにわからないんですよ。“忸怩たる思いでやって”って言われて、“忸怩たる思い”が全然わからなくて、調べました。それでなるほど〜って思いました(笑)」と、キュートな一面を覗かせました。ちなみに私も広辞苑で調べちゃいましたが、【忸怩(じくじ)=恥じ入るさま】とありました。なかなか普段自分では使わない言葉なので、私も人に言われたら固まっちゃうかも知れません(笑)。
さらに富田は「(瀬々監督は)熱かったです!娘とのシーンで娘の髪の毛が前にきて、彼女の目が隠れそうになった時に、“髪の毛、邪魔!邪魔!目が見えない!”って何度も言われて、監督の彼女の表情を見たいっていう熱い思いがガンガンに伝わってきて、あの時はなんだか泣きそうになりました。すごく幸せな時間でした」と話しました。
生田も、「瀬々さんとお仕事をされた方は、皆瀬々さんが大好きになるんですよね。今回僕は初めてでしたけど、どうして何だろうって、ずっと瀬々さんを見てました。とても純粋で、本当に俳優に対してもスタッフの方に対しても、真っ直ぐにどーんとぶつかってきてくださるんですよね。撮影していても、物事を本当にはっきりおっしゃる方で、“今のはちょっと違うので、こういうパターンでお願いします”とか、すぐに判断してくださるし、本当に良い時は、現場でモニターがあるんですけど、録音部の方が“ちょっと監督、静かにしてください”って言うくらい、号泣するんですよね。それくらい入りこんでくれる、それくらい愛情をむけてくれる方なので、(皆)大好きになるよなと思いますね」と、絶賛しました。次に瑛太が「(監督の)顔が好きですね」と独特な称賛を贈ると、会場から笑いが起こり、続けて「前回『64-ロクヨン-』でもご一緒させて頂いたんですけど、もちろん演出だったり、現場の空気感を作る上で、指揮官としてすごく素晴らしいなと思って。何ですかね、親戚の人みたいな感じですごく話しやすいですし、あと僕に対しては“自由にやってくれ”みたいな感じなんですよ。細かい演出とかあんまりなくて。なので僕は大好きで、またご一緒したいなと思います」と褒めちぎりました。そこで司会から、「(他のキャストのコメントについて)概ね、正しいですかね。(監督は皆が)大好きになるような、チャーミングな人というのは?」と振られた佐藤浩市は、「人それぞれ感じ方がありますからね」と返し、会場も監督ご自身も爆笑でした。最後に監督は「被害者、加害者という問題を扱った映画ですが、雲の隙間から覗く光のような希望を託して、皆さんに届けたいと思って作った部分もあります。わずかでも良いですが、それを感じて頂けたらと思います」と締めました。
重いテーマを扱った作品ですが、舞台挨拶は終始笑いが起きていました。覚悟を持って演じたとキャスト皆が語るように、それだけすごく見応えがある作品です。映画好き女子、必見ですよ!
映画『友罪』完成披露試写会舞台挨拶:2018年4月24日取材 TEXT by Myson
映画『友罪』
2018年5月25日より全国劇場公開
公式サイト
©2017映画「友罪」製作委員会 ©薬丸岳/集英社
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