映画『犬ヶ島』来日舞台挨拶、ウェス・アンダーソン監督、コーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市、夏木マリ、村上虹郎、伊藤晃、池田エライザ
大好きな日本を舞台に長い歳月をかけて本作を手掛けたウェス・アンダーソン監督が、13年ぶりに来日。本作で主人公の少年の声を担当した新星子役コーユー・ランキン、犬のデューク役の声を担当したジェフ・ゴールドブラムが一緒に日本にやってきてくれました。
ゴールドブラムは、「この偉大なウェス・アンダーソン監督と一緒に来られて光栄です。そして、コーユー・ランキンくんも一緒で嬉しいです。私はこの映画をとても誇りに思っています」と挨拶。
続いてランキンは、「皆さん、こんばんは。コーユー・ランキンです。よろしく御願いします。今回『犬ヶ島』という素晴らしい映画に出させて頂いて、そのおかげで日本に来ることができて、とても嬉しいです」とコメント。さらにウェス・アンダーソン監督と一緒に仕事をした感想を聞かれると、「撮影は3年前で、僕は8歳だったので、本当に楽しくて、すごく思い出になりました」と愛らしい笑顔を見せました。今でこれだけイケメンなので、成長が楽しみですね!
13年ぶりに日本を訪れた感想を聞かれたアンダーソン監督は、「(日本が)大変変わったことに驚いているんですけども、何より私はこの6年間、ずっと日本以外のことは考えていませんでした。制作にあたり、日本のことばかり考えて、この映画を作ったわけですが、実は制作中に娘が生まれました。娘が今2歳半なんですけども、娘が生まれてからずっと、この映画に携わっているから、娘もずっと日本のことを考えて、日本のこういうシーンを観て、生まれ育ってきたわけです。今回初めて彼女と妻と一緒に日本に来て、娘はずっと思い描いていた日本に来られたことをとにかく喜んでいます。娘の異常な興奮は僕にも伝染していまして、僕も本当に日本に来られて嬉しく思っています」と、ワクワクした表情を浮かべました。
そして、会場の皆に監督からメッセージが贈られました。「2012年の頃でした。一つのアイデアが浮かんだんです。何頭かの犬がゴミの島に置き去りにされて、その犬を助けに島に行く男の子の物語でした。私と一緒に脚本を書いたりしたコラボレ−ターが何人かいるんですけど、私達は1つの質問を自分達に投げかけました。“黒澤さん(黒澤明)なら、どうするだろうか?」ということです。正直言いまして、ほんとに努力したんですけど、我々はこの答えを出すことにたぶん失敗してしまったと思います。ですけれど、黒澤監督の影響なくしては、作ることができませんでした。その他、大変お世話になった、コラボレーションしてくださった方々がいます」と言って、その面々を会場に呼び込みました。
野村訓市、夏木マリ、村上虹郎、伊藤晃、池田エライザの日本人勢が登壇したところで、さらにアンダーソン監督は、インスピレーションを受けたアーティスト、巨匠に感謝の意を込めて、名前を挙げていきました。
【大友克洋、宮崎駿、高畑勲、庵野秀明、今村昌平、北野武、仲代達矢、三船敏郎、志村喬、香川京子、葛飾北斎、歌川広重、早坂文雄、黒澤明】
村上虹郎は、「今日着ているこの浴衣は、実はウェス監督から頂いたもので、『犬ヶ島』仕様になっています。この火の玉が劇中にも出てくるんですが、あんまり自分でもこの火の玉の理由がわかっていないので、後で聞きたいと思います」とコメント。「アフレコは、iPhoneのボイスメモとかでやって、1回だけ訓市さんとスタジオに入りました。監督とは一瞬だけスカイプで話しましたが、やっと今日ウェスの作品に出られたんだと、実感が湧きました」と振り返りました。
今回、小林市長の声と、キャスティングを担当した野村訓市は、「今回3年間、“手伝ってくれ”という言葉からここまで引っ張られて、大変だったんですけど、こうして皆さんにこの映画を観てもらえるのは大変ホッとした気分だし、嬉しいです。1回観ただけでは全部をキャッチできないかも知れないので、ぜひ3回、4回、5回くらい観て頂いて…。それくらいすれば、僕らにも少しギャラが入ってくるんじゃないかと思います(笑)。でも本当に素晴らしい映画で、世界的な監督が日本を舞台にして映画を作るって機会はなかなかないと思います。僕は友人として仕事を振ってもらったことをすごく光栄に思ってますけども、同時にファンとして、日本という国を舞台にこういうビジュアルを観られるのは、大変有り難いです。そして今日皆が着ているこのTシャツを『AKIRA』の大友さんがデザインしてくれたり、いろいろな人が参加してくれているので、いろいろな角度で楽しんでください」と、語りました。
池田は、「先日、ロンドンに行ってたんですけど、ロンドンに住んでいる方も“『犬ヶ島』がすごく盛り上がってて、日本に帰りたくなる”とおっしゃっていて、そんなパワーがたくさん詰まっている映画なのかなと思いました」とコメントしました。
伊藤は、「たまたまニューヨークで活動している時にオーディションを受けまして、この渡辺教授という役を頂きました。まさかこんなことになるとは思ってなかったんです。まさか(今日この舞台で)夏木マリさんの隣りに立てるとは思っていなくて。きっと今日が僕の人生のピークなので、皆さんもどうか楽しんでください」と話し、会場から笑いを得ました。
夏木は、「私達日本人が、人間役をやっているわけですが、考えたら、日本のドラマなので、皆さんが観て頂くこの日本版が一番パーフェクトではないかなと思います。今日は楽しんでください」と自信を覗かせました。
最後にアンダーソン監督は「この映画は本当に時間をかけて作りました。実際この映画は他の国でも既に上映されております。だけども、僕にとっては今日がワールド・プレミアです。そして、日本の方々にぜひこの映画をご覧頂きたいと思いますし、楽しんで頂けたらと思います」と締めました。ウェス・アンダーソン監督でなければ、作り出せない独創的でキュートな世界が広がる本作。日本人であることをちょっぴり誇りに思える芸術作品となっていますので、ぜひご覧ください!
映画『犬ヶ島』来日舞台挨拶:2018年5月22日取材 TEXT by Myson
『犬ヶ島』
2018年5月25日より全国劇場公開
公式サイト
©Twentieth Century Fox Film Corporation
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