映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』来日記者会見:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、サイモン・ペッグ、クリストファー・マッカリー監督
毎回、自身でスタントをこなし、CGではなくホンモノの映像を見せることにこだわってきたトムが、今回23回目の来日を果たしました。そんなトムが今作の撮影中に怪我をしたことで撮影が一時中止になったことも話題になりましたが、本作の撮影で思い出に残るエピソードを各々披露してくれました。今回は登壇者同士の会話のキャッチボールが楽しい会見だったので、一部会話形式でお届けします。
トム:
足首をくじいて骨を折りました。とても痛かったです。壁にぶつかった途端に折れたと思いました。芝居上、カメラの前を通らなければいけないので、痛かったけど立ち上がって続けました。それからすぐにいつも撮影前にウォームアップするテントに行きました。そこに監督がいて、「足首が折れちゃった」と伝えました(この時点で半分は撮り終えていたそうですが、脚本が出来上がっていなかったので、監督にとっては時間稼ぎができたとのことでした)。病院に行ったら、先生に手術は必要ないと言われてほっとしました。保険でカバーされていなかったからです。治るのに9ヶ月くらいかかるんじゃないかと言われたんですが、私は6週間で戻りたいと言ったら、先生は呆れた顔をしていました。でも6週間で現場に戻りました。11週間走り続けて、ノルウェーの山に登ったのは、9週間後でした。
監督:
かかとを折った後、仕事に復帰した最初のシーンが、ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)との崖のシーンです。
トム:
もちろんまだ骨折したままでした。走っている場面では痛みは感じていました。
監督:
ロンドンの橋をトムが全速力で走っているシーンがあるんですね。あれが走る最後のシーンで、これ以上走らなくて良いと知って、彼は全速力で走ってました(笑)。
サイモン:
トムの負傷について大きな注目を浴びましたけれども、(この映画で)唯一の怪我ではなかったんですね。私は撮影28日目で、ペーパーカット(紙で怪我)をしました。
トム:
そのために3週間撮影を中止しました(笑)。
ヘンリー:
トム・クルーズほど皆を笑わせるような素敵なネタは持ち合わせていないんですが、僕にとっては、トム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督と仕事ができたのが最高でした。
ここで周囲からサイモンの名前がないぞという咳払いでツッコミが入り、ヘンリーは「そうだったね」と言いつつ、それでもまた「トム・クルーズとクリストファー・マッカリーと仕事ができて良かった」と念押ししました(笑)。笑いのチームワークも抜群です!
サイモン:
今作は私にとっては毎日が冒険でした。よく覚えている出来事は、私とレベッカ・ファーガソンがヘリのシーンを観ていた時のことです。トムがヘリから落ちたんですね。私達は彼が落ちることになっていると知らなかったので、恐怖におののきました。その時は「大変残念なことに、今日は早く撮影が終わるんだな」と思いました。今日はその時の表情を再現します。
と言って、サイモンが驚愕した時の表情を浮かべ「グアァー!」と声を出し、再現してくれました。この時は、天候によって、撮れると思ったらすぐに撮るという感じで進めていて、わざわざ周囲の人にそれを説明することはなかったそうです。ロンドンから来たクルーはトムが落ちるのを知っていたけれど、ニュージーランドのローカルのスタッフはそれを知らなかったので、ラジオ無線で「トムを失ったみたいだ」と言って、パニックに陥っていたそうです。
監督:
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(シリーズ5作目=前作)を撮り終えた後、エアバスの扉につかまっているトムを観て、もうやり尽くしてしまったから、次の監督は可哀相だねという話をしてたんです。そしたら、自分がまた撮ることになったんです。(本シリーズで監督をするのは)二度目ということで、前の作品を越えようとか、前作すべてを越えようというのではなくて、このシリーズに入ってふさわしい作品にしようと決めました。毎日チャレンジはありますし、脚本を書く際もアクションでも一つひとつの事に集中してやろうと思っていたので、全体像がまだ見えてなかったんです。どれだけ大作になるかは、実際に編集してみて初めてわかったんです。で、テスト試写があって、オーディエンスに観てもらったら、初めて「アクションが多すぎる」と言われました。実際にアクションシーンは少しカットしたんです。ごめんね、トム。ヘンリーもごめんね。
サイモン:
私の大きなアクションシーンは全部カットされました。
トム:
DVDで楽しみにしててください(笑)。
と、またまたお互いのギャグに乗っかり、会場の笑いを誘いました。続いてトムは、20年以上もこのようなアクションを続ける理由を聞かれました。
トム:
私はキャリアを通じていつもチャレンジを心がけている。観客のために全力を尽くすということを主義にして、人生を映画作りに捧げています。私にとっては情熱の的です。世界を旅して、あちこちで映画を作って、本当に素晴らしい人達と出会って、皆さんとシェアできるという喜び。これが私の夢です。日本が好きだから、日本文化の映画を作りたいということもあったんです。“ミッション・インポッシブル”もその点は同じです。監督も含め、どういうストーリーにするか、どういうキャラクターにするか、それをいつも検討しているわけです。もちろんアクションのことは考えますが、アクションの前にくるのはキャラクターです。キャラクターがどうやってそのアクションに関わって、お客さんを取り込めるか、そこが一番重要です。観てもらうだけではダメなんです。(観客に)経験して欲しいんです。我々のスキル、この素晴らしい俳優の才能を全部つぎ込んで、その娯楽を皆さんに差し上げたいという気持ちです。残りの人生、あるものをすべてを、皆さんに捧げたい。他に生き方がわかりません。
監督:
トムと仕事をする前には白髪はありませんでした。私とトムとの契約では、一人で二人分ふけるという契約になっています(笑)。私はカメラに映らないから大丈夫なんです。
今回ヘンリーもトムに負けじと激しいアクションに挑んでいますが、スーパーマンより大変だなと思ったことを聞かれました。
ヘンリー:
スーパーマンを演じた時との一番大きな差は、今回のスタントは実際に全部自身でやっているということ。スクリーンで観るもの、聞くものは現実で、トムと自分が演じています。ここだけの話ですが、スーパーマンはほとんどCGだったんです。かの有名なコスチューム以外は(笑)。
ここで、バスルーム(公衆トイレ)ファイトのシーンについて話題があがりましたが、観て頂くとわかる通り、かなり激しいシーンです。ヘンリーは、「最後はもうイヤになっていたので、うっすら涙が出てしまいました」とも明かしました(笑)。トムは、本当に痛いという感覚を観て欲しいので、一生懸命本気で殴り合ったとこだわりを話しました。ホンモノへのこだわりが半端ないですね。あと、印象的だったトークは、トムがサイモンに贈ったとされるクルーズ・ケーキについて。シックスパックを誇っていたサイモンに、甘いものをたくさん摂らせて台無しにしたとのことです。サイモン曰く、「トムは糖分を人に与えることで有名なんですね。トムが好きなココナッツクリームケーキを、我々はクルーズ・ケーキと呼んでいます。非常に邪悪な塊として送られてくるんです。それにはもう抵抗できないんです」と明かすと、トムは「自制心を試すために送ってるんだよ」と笑顔を見せました。トム、やりますね(笑)。
会見はこんな感じで大変楽しい雰囲気でしたが、映画は緊迫感が半端なく、スケールも満点です。これを自分達で本当にやっているのかと目を疑うほどの危険なアクションもふんだんにあるので、ぜひその勇姿を目に焼き付けてください。
映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』来日記者会見:2018年7月18日取材 TEXT by Myson
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
2018年8月3日より全国公開
公式サイト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
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