トーキョー女子映画部の取材リポート

女子目線で取材!トーキョー女子映画部ホームはhttp://tst-movie.jp

18 1月

アン・リー監督、演技初経験のスラージ・シャルマを主演に抜擢した理由とは?

Posted in 未分類 on 18.01.13 by Merlyn

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』来日記者会見、アン・リー監督

2013年1月17日、アン・リー監督来日記者会見が行われました。監督は会見中、終始にこやかな表情で作品について丁寧に答えていました。また先日、本作がアカデミー賞の11部門でノミネートされたことから、この日の質問もアカデミー賞について注目が集まりました。

「映像がすごく素晴らしい作品でしたが、パイというキャラクターのどのような点に特徴づけをされたのですか?」という問いに対し、アン・リー監督は「視覚効果の多い作品ですが、基本的に私はドラマを演出する監督なので、人間性を観察したり、また対立したりという人間関係を見たり、そういうドラマを基本的に作りました。この作品の題材が気に入った理由はそういう対立だとか、自分のなかの内面的なものが非常によく描かれているからです。私はパイというキャラクターは全ての人間を象徴するようなキャラクターにしようと思いました。この作品はパイが漂流するごとに純粋さを失っていき、いかに大人に成長していくかというストーリーだと思います」と語りました。映像美に関してはすでに話題となっていますが、監督がこだわったドラマ性の部分にも注目して観たいですね。

「若いパイ役に、本作で演技初経験のスラージ・シャルマをなぜ選んだのか、それとどのような点に注意して演技指導されたのですか?」という質問に対しては、「16歳のインド人のムービースターはいないので、新しい真珠を見つけるしかないという状況でした。実際にインドの町の高校に行って、3000人くらいに会うということを3回やりました。本読みをしてもらったり、インタビューをしたりして12人まで絞り、そのとき初めてスラージに会いました。具体的にどういう人がパイのイメージだと考えていなかったのですが、彼と会った瞬間に彼こそパイだと思いました。演技は、私が個人的に教えましたが、彼は本当に自然体で、撮影をするに連れてどんどん演技が上手くなっていきました。また、最後の方の撮影ではパイが自分のなかの狂気と闘い、正気を保つことに専念するという演技をしなければならず、実際の現場でわざと誰も彼と話させず、孤立するようにしました。そうすることによって彼の表情も変わっていき、よりスピリチュアルな感じになりました。彼を見ていたら、私たちが映画を作る初心にかえらされましたし、たくさんインスピレーションを受けることができ、私自身学びの場となりました」と答えました。スラージ・シャルマはこれだけ大勢の方のなかのうちの一人だと思うと、本当に逸材の人物だったということがわかりますね。

「監督は過去にアカデミー賞を受賞されたこともありますが、アカデミー賞というものは監督にとってどんなものですか?」という質問には、「アカデミー賞というものは世界で最も大きな賞といえると思います。世界中の目が向けられている、そういう場でもあります。すでにこの作品を作り上げたことで満足していますが、そこに賞が付くとボーナスのように感じます。アカデミー賞は、世界中の前で発言ができるので、自分と一緒に仕事をしてくれた方々に感謝できお礼が述べることができるので大きな名誉だと思います」とコメント。控えているアカデミー賞受賞の有無も気になるところではありますが、素晴らしい映像と主人公パイのドラマを楽しみにぜひ劇場で観てください。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

2013年1月25日より全国公開

配給:20世紀フォックス映画

http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/

© 2012 Twentieth Century Fox

トーキョー女子映画部での紹介記事
辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定

http://www.tst-movie.jp/hh09_ra/hh09_ra_lifeofpi.html

トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html

アン・リー監督、演技初経験のスラージ・シャルマを主演に抜擢した理由とは? はコメントを受け付けていません

Comments are closed.