映画『この国の空』完成披露試写会&上映前舞台挨拶、二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、荒井晴彦監督
2015年7月16日、本作の完成披露試写会が行われ、キャストと監督が登場しました。監督&脚本を担当した荒井晴彦は「この映画は、構想30年、脚本の執筆1週間、撮影期間1ヶ月で作り上げました。最初に、親しくしている監督に脚本を読んでもらったときは“良い脚本だけど、こういう映画を誰が観に来るの?”と言われました(笑)。おととしにプロデューサーから、戦後70周年記念作品としてこの映画を作りましょうと言われ、“監督は誰がやるんですか?”と尋ねたら、“自分がやったら良いんじゃない?”と言われ、今に至ります」と語りました。荒井監督は今までに『Wの悲劇』『ヴァイブレータ』『共喰い』など数々の脚本を手がけてきた方で、自ら監督をするのは1997年の『身も心も』以来となります。

本作に出演した感想を二階堂ふみは「この作品に出演して、改めて戦争について考えたり、感じたりすることがすごく多かったです。私は戦争を知らない世代ですが、知っている世代の方の話を聞いたり、こういった映画などを作り続けることで、戦争を忘れないということはすごく大切なことだと思いました」とコメントしました。また長谷川博己との共演については、「長谷川さんとは以前に共演したことがあって、ご飯などもご一緒させて頂いたことがあり、すごく仲の良いお兄ちゃん的存在です。でも現場では、設定が設定なので心の距離みたいなものをお互いにとるようにしていました。改めて完成した作品を観ると、私は長谷川さんに引き出してもらったものがたくさんあったなと感じました」と話しました。また、長谷川博己は「僕は前に二階堂さんと共演したときから今回にかけて、彼女の素晴らしい成長ぶりを観ることができたので、すごく貴重だと思っています。前のときも素晴らしい女優さんだと思いましたが、今回はさらに成長を感じました。僕が10代のときはそこまでできなかったので、正直落ち込みますね(笑)」と話しました。二人は以前『地獄でなぜ悪い』で共演していましたが、今回はそのときの役柄とは全く違う役で共演しているので、本作を観ていてすごく新鮮でした。
市毛役を演じた長谷川博己は「僕は原作で読んだときの市毛とは、敢えて違うイメージで演じました。得体の知れない雰囲気を出すように心掛け、お客さんが観ていろいろな捉え方ができるように心掛けました」と話し、惹かれ合っていく市毛と里子の関係については、「戦時中だったからこそ、二人はああいう関係になってしまったのかも知れませんよね。もし戦争という時代じゃなかったら、二人はただの隣人に過ぎなかったと思います」と語りました。
里子の母親(蔦枝)役を演じた工藤夕貴は「私が演じた役は、矛盾するようなセリフが出てくる場面もあったので、役を理解することがすごく難しかったです。でもそういうときは、すぐに監督に聞いて助けて頂きました。蔦枝は娘とも姉とも独特の関係がある人で、戦争中でも人間ってこんなに赤裸々に生きているんだな、頼もしいなって感じました」とコメント。富田靖子は完成した映画の感想を「映画全体に何とも言えない色っぽさが漂っているのも不思議でしたし、本当に戦争映画なんだろうかって思うくらい静かですごく驚きました。でも本作の登場人物たちは、やっぱり戦争によって傷を負っているんですよね。人が人を殺めることを描く映画ではないのですが、改めて戦争について女性目線で考える映画だと感じました」と話しました。工藤夕貴と富田靖子が演じる姉妹は、ちょっとしたことで口喧嘩をする場面が多く、大人げなく見えますが、どんな時代でも姉妹関係が極端に変わることはないという意味では、すごくリアルに感じました。
最後に、二階堂ふみは「私は19歳から20歳になるタイミングでこの作品に携わることができ、出演して本当に良かったと思っています。すごく素敵な作品になっているので、この作品の世界観に浸りながらご覧ください」とコメントしました。全体的には、映画の大人っぽく静かな雰囲気そのままの舞台挨拶でしたが、ところどころで監督が「『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とか、最近の大作を観ている人にとっては、この映画は退屈かも知れません」とか「友人である阪本順治監督に“この国の上の空”って言われています」とコメントし、会場を沸かせる場面もありました。
本作は戦争映画ですが、戦地の様子を描いた作品ではなく、東京で暮らす人たちの人間ドラマとなっています。ぜひ本作のキャラクターの生き様を観て、改めて戦争について考えてみてください。
『この国の空』
2015年8月8日より全国公開
配給:ファントム・フィルム
©2015「この国の空」製作委員会
トーキョー女子映画部での紹介記事
映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定
http://www.tst-movie.jp/hh02_ka/hh02_ka_konokuninosora.html
工藤夕貴さんインタビュー
http://www.tst-movie.jp/worker_lady/wk_lady24_150803001.html
イイ男セレクション/長谷川博己
http://www.tst-movie.jp/selemen/selemen_ha.html#selemen_HasegawaHiroki
トーキョー女子映画部サイトに戻る→ http://www.tst-movie.jp/index.html
二階堂ふみのあまりのすごさに、長谷川博己が落ち込む!?『この国の空』 はコメントを受け付けていません
映画『ジュラシック・ワールド』来日記者会見、ブライス・ダラス・ハワード、タイ・シンプキンス(写真一番左)、ニック・ロビンソン(写真写真一番右)、コリン・トレボロウ監督
2015年7月13日、本作の来日記者会見が行われ、ヒロインのブライス・ダラス・ハワードを始めとしたキャスト&監督が登場しました。まず、監督は「本作では、ジョン・ハモンド(シリーズ1作目に登場する人物)が22年前に抱いていた、“実際に恐竜を近くで見ることができ、触れ合えるテーマパークがあったら”という夢を実現しました」と、過去作の意志を引き継いでいることを話しました。ブライス・ダラス・ハワードは、恐竜とのシーンの撮影について「今回はアニマトロニクスの恐竜たちと撮影し、まさにそこに本当に恐竜がいるのではないかと感じることができたので、一緒にいて演技をしている気持ちになりました。もちろん撮影によっては、建物のある点を見て、自分でそこに恐竜がいるんだという想像力を働かせて演技をしないといけないところもありましたが、アニマトロニクスの恐竜を作ってくれたおかげで、もし本当に恐竜がいたらどうなるんだろうということを想像することができ、ワクワクしました」と語りました。
最後にこれから観る日本のファンに向けて、ブライス・ダラス・ハワードは「私は11歳のときに父の映画のプロモーションで初めて日本に来ました。そのときに父の映画を観る日本の方々の姿がすごく素晴らしかったことが今でも記憶に残っています。そういう素晴らしい観客に本作を観て頂けるということが本当に嬉しいです。字幕版も吹き替え版も観て、何度も本作を楽しんで頂けたらと思います」とコメントしました。監督は「今は、テレビや携帯電話、タブレットなど、いろいろな形で映画を観ることができます。でもそれはすごく孤独な作業になってしまいます。やはり映画は劇場で観て、誰かと共有するものだと私は思います。この作品は子どもでも親でもお年寄りでも皆が観られる映画です。ベビーシッターに子どもを預けて大人だけで観に行くのではなく、家族全員で映画館に行って共有することができる作品だと思います。怖いシーンもあれば、おもしろいシーンもあり、ロマンスもあります。愛する人たち皆で一緒に楽しんで欲しいと思います」と話しました。
『ジュラシック・ワールド』
映画『インサイド・ヘッド』来日記者会見、ピート・ドクター監督、ロニー・デル・カルメン共同監督
友人というのは、楽しいときの“ヨロコビ”の瞬間を共有していると同時に“イカリ”の瞬間や、何かを怖がる“ビビリ”の瞬間も一緒に体験している人たちなんです。そういう感情があるからこそ、友人との深い繋がりがあるんだということに気づき、急いでロニーのところへ戻り、そのことを話しました。そこから、主人公を変え“ヨロコビ”と“カナシミ”をペアにして作り直しました」と明かしました。そのまま“ビビリ”が主人公だったら、今とは全く違ったストーリーになったかも知れませんね。
『インサイド・ヘッド』
映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』製作発表&主演決定記者会見、橋本環奈、前田弘二監督、高田亮(脚本担当)、赤川次郎(原作者)、井上伸一郎(KADOKAWA代表取締役)、菊池剛(企画プロデューサー)

映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』ジャパンプレミア、アーノルド・シュワルツェネッガー、エミリア・クラーク、西内まりや(イベントゲスト)
2015年7月6日、本作のジャパンプレミアが行われました。レッドカーペットイベントには、アーノルド・シュワルツェネッガー、エミリア・クラークのほかに、今井華をはじめとしたモデルや、『妖怪ウォッチ』のロボニャンも登場。なぜ『妖怪ウォッチ』と思ったら、どうやらアニメのなかで「アイルビーバック」と言ったり、『ターミネーター』をリスペクトしているキャラだそうです。これを機にぜひ若い世代にも本家を知って欲しいですね(笑)。

イベントの後半には、ゲストとしてシュワちゃんの大ファンである西内まりやが登場し、花束とクマのぬいぐるみを贈呈しました。クマのぬいぐるみを持つシュワちゃんはとっても可愛いのですが、シュワちゃん自身もクマのようなので笑えました。劇中でもシュワちゃんがクマを抱っこして登場するシーンがあるので、要チェックですよ。
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』
映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ジャパンプレミア、エリザベス・オルセン、ジョス・ウェドン監督



『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
映画『ラブ&ピース』ジャパンプレミア、長谷川博己、麻生久美子、西田敏行、園子温監督
会見の後半では、本作にちなんで人生を変えてくれた“ピース”についての質問があり、長谷川博己は「スティーブン・スピルバーグですね。会ったことはありませんが(笑)、3歳のときに『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』を観て、それがトラウマになるくらい怖かったんですよ。内容がわかるわけではなかったのですが、衝撃がスゴ過ぎて、映画の世界にハマってしまいました。その出会いがなかったら今の仕事はしていなかったと思います」と答えました。これには監督も感心した様子で、「3歳でもそういう衝撃はわかるんだね」とコメント。小さな子どもで内容がわからなかったとしても、やっぱり映画は観せるべきだということをすごく感じました。
ラブ&ピース』
映画『虎影』初日舞台挨拶、斎藤工、芳賀優里亜、しいなえいひ、津田寛治、石川樹、西村喜廣監督
斎藤工が演じた虎影の妻を演じた芳賀優里亜は、「今回は妻であり母親である役柄を初めて演じ、どうやってこの家族を演じていこうか考えていました。それでまず私は石川樹くん(息子役)と、毎日撮影に入る前にハグをするようにしていたんです。そしたら斎藤さんも、樹くんとハグをするようになったのですが、なぜかいつも私の後だったんです。そしたら、どうやら樹くんに私の温もり残して終わらせたくなくて、自分の温もりを残して終わらせたかったそうなんです(笑)。だから意外とヤキモチ焼きなんだなって思いました(笑)」と、現場の様子を明かしました。息子役を演じた石川樹くんは、この日どうしても言いたいことがあったようで「撮影が3月だったのですごく寒かったのですが、皆さん足袋を履いていたのに僕だけわらじを履いていてほぼ裸足だったんですよ。だからとっても寒かったです」と、クレーム(笑)。それにはキャストも「そうだったね!ごめんね」と反省の様子でしたが、津田寛治が「何か良い思い出はない?」と質問し、石川樹くんが「工さんが僕の濡れた頭を拭いてくれて、とっても嬉しかったです」と回答し、その場の空気が和んでいました。
最後に監督は「僕はこの作品を、このメンバーで今後も続けていきたいと思っています。もし皆さんが観て気に入って頂けたら応援して欲しいと思います。よろしくお願いします」とコメントし、斎藤工は「普通映画は、企画の段階である程度プランニングがあった上で始まるのですが、今回は西村監督のセンスに賭け、みんなで一生懸命作りました。今日がすべてじゃないので、今週も来週も来年もずっとよろしくお願いします」とコメントしました。
『虎影』
『悪党に粛清を』主演マッツ・ミケルセン来日舞台挨拶
司会者から「この映画は南アフリカで撮影されたそうですね?」と聞かれると、「おっしゃるとおり、ロケ地は南アフリカでデンマーク人がアメリカの西部劇を南アフリカで撮ったというちょっとおもしろい作品になっています。すごく景色が良いところだったので撮りたい画は撮れたんですが、なんせ南アフリカですから、カメラをこっちに向けると西部劇になっているんですけども、ちょっとアングルを変えるとシマウマが走っていたりということもありました」と楽しげに話していた様子がお茶目でした。続けて司会者からマッツの抑制された演技について聞かれると、「文化的なこともあるのかも知れません。皆さんにとっては非常に抑えた感じでも、デンマーク人にとっては普通です。とはいえ、これは西部劇ですので、セリフで(物語を)運ぶわけではないんですよね。西部劇というのは広大な景色があって、そこに一人の男がいてっていう引きの魅力、表情で語るというのが魅力のジャンルだと思います」とコメント。さらに『HANNNIBAL/ハンニバル』での演技との比較を聞かれると、「ハンニバルは確かに抑制した芝居をさせて頂いてますが、実に実に楽しく人生を送っている人なんですね。だから、この映画の主人公よりは楽しそうな人なんだと思います(笑)」と話しました。この回答を聞いて、『HANNNIBAL/ハンニバル』でのキャラクターを思い浮かべると、「確かに〜」と思っちゃいましたね(笑)。
『悪党に粛清を』R-15
映画『極道大戦争』トークショー付特別試写会、三池崇史監督、市原隼人
その後、ゲストの市原隼人が登場し「監督の『極道大戦争』で、影山役を演じた市原隼人です。この映画はすごくクレイジーな作品で、こんなに楽しい現場は人生で初めてでした」と挨拶し、トークショーがスタート。監督は、本作が企画スタートしたきっかけについて「今回の脚本を書いたのは、僕の作品でずっと助監督をやってきた山口義高で、おととし彼と飲んでいたときに、何か一緒にやろうという話で盛り上がりました。それで何をやろうかって聞いたら“ヴァンパイア映画でしょ。噛まれたらヤクザになるんですよ”って(笑)。飲みの席の話だし、普通ならその場で終わるはずなんですが、その飲んだメンバーのなかに日活のプロデューサーの方がいたんです。そしたらそのプロデューサーの目が光って“それはいける!”って言ったところが始まりです」と明かしました。最初に台本を読んだときの感想を市原隼人は「カエルやカッパが出てくるし、ヒップホップの世界だし、何も想像ができませんでしたね(笑)。三池監督の作品だし、しかもインドネシアのアクションスターであるヤヤン・ルヒアンさんも出ているし、この組み合わせは映画や一般常識のいろいろなボーダーを壊してくれるんじゃないかと思って、そのなかの一員として僕も参加したいと思いました」とコメントしました。主人公の影山役が市原隼人に決まってからはさらに企画の進行が加速したそうで、監督は「影山が市原隼人ならこういう映画だろうと思って作りました。だから映画を観て“これはどうなの?”って思ってもそれは市原さんのせいです(笑)」と話し、会場を沸かせていました。
三池監督:このキャラクター(カエルを指差しながら)は何だと思いますか?
かりません。やっぱり現場に持ち込んだものをそこにいる人と共有することなんだと思います」とカッコ良くコメントすると、監督が「市原くんっていつもそういう感じなの?」とツッコミを入れていました。市原隼人はルックスも声も素敵でしたが、コメントの仕方も深みがあってすごく好感が持てました。
『極道大戦争』