
映画『ナラタージュ』舞台挨拶、松本潤、有村架純、坂口健太郎、行定勲監督
高校教師と生徒として出会った男女が時を経て再会し、決して許されることはないけれど、一生に一度の恋に身を焦がす姿を描いた恋愛映画『ナラタージュ』。本作は、2006年版「この恋愛小説がすごい」1位に輝いた、島本理生原作の同名小説を実写化した作品。そんな本作の公開に先駆け「“一生に一度の恋をした人”限定!スペシャル試写会」と銘打たれたイベントが9月27日に都内で行われ、主演の葉山貴司を演じた松本潤、ヒロインの工藤泉を演じた有村架純、泉への思いから嫉妬にさいなまれていく小野玲二を演じた坂口健太郎、そしてメガホンを執った行定勲監督が揃って登壇しました。
イベント開始のブザーが鳴っただけで歓声が上がるほど、冒頭から異様な盛り上がりとなった本イベント。ゲストが登場すると、会場は割れんばかりの拍手と声援に包まれました。そんな熱気のなか松本が「こんばんは。葉山先生です!」と口火を切ると、会場からは悲鳴のような大歓声が!有村も「葉山先生が登場した瞬間、すごい(笑)!本当に皆さんに観ていただきたい作品ですので、最後まで楽しんでください!」と興奮気味に挨拶し、続いて坂口も「いや~、熱気がすごい!僕も思わず歓声をあげたくなります!」と満面の笑みを浮かべました。そんななか、行定監督だけは「この歓声が作品を観終わった後は、どんな感じになるのかな。たぶん皆さんの想像とは違う、3人の役者魂をひしひしと感じながら作り上げた映画です」と、ちょっぴり意味深な表情を浮かべました。
公開を間近に控えた今の心境について松本は、「ドキドキしています。すごく明るいハッピーなラブストーリーではないので、皆さんの今まで経験してきた恋愛と重ね合わせて、どう受け取ってもらえるか興味があります。何年か経って皆さんが恋愛していくなかで“ああこんな映画あったな”って思い出してもらえるような、記憶に残る作品になってくれたらいいですね」と語りました。続いて有村は、「撮影は一年前ですけど、あっという間でした。公開されると私のなかにある『ナラタージュ』という作品がなくなってしまう感じがして、ちょっと悲しい気持ちにもなりますね」と、喜びと寂しさが混在する複雑な思いを語りました。
坂口も「僕も本作の撮影後にいろいろな役に携わりましたが、やっぱりこの役の何かがずっと残っているんですよね。映画が公開することで、やっと解き放たれるというか新しい気持ちになっていく。少し不思議な感情です」と語り、10年間も企画を温め、ようやく映画化を果たした行定監督は、「メインキャストの3人は10年前ではあり得なかった。3人を待つための10年だったのでしょうね。映画って、キャスティングのスケジュールが合わなかったから別の人にしようとか、無理くり作っちゃう時もあるんです。でも、作られるべき時に作られた作品は幸せなんですよ。今回、キャスティングはすごく重要でした。恋愛劇って皆さんの非常に身近な感情ですよね。だから、ここに映っているものに特別なことはないんです。だからこそ、嘘がつけないっていうかね。嘘をつかずに演じてくれる役者が必要で、この3人はそういう人だったということ」と、それぞれに思い入れの深い作品であることを伺わせました。
「お気に入りのシーンや、大変だったシーンは?」というMCからの質問に松本は、「架純ちゃんの表情が崩れる姿。監督とも話していたんですけど、感情をあらわにするからこそ、表情が曇ったり、崩れたりもする。体当たりで演じたから、それが如実に出てくる。そこに観てくださる皆さんが共感してくれるんじゃないかと思います」と、有村の渾身の演技を絶賛。それを聞いた有村は、「葉山先生に対して、“何なんだろう”という思いもあったし、いろいろと複雑でした。憎しみはないけど、ある…みたいな。泉が葉山先生に対して“あれ?なんか聞いていることと違うぞ!”っていう出来事があるのですが、葉山先生を問い詰めるでもなく、わかったうえで寄り添うっていう…。そこから泉の戦いは始まった感じがしました」と、泉としての複雑な恋心を語ると、ニヤニヤしながら聞いていた行定監督が「今怖かったね。“なんか違うぞ!”っていう架純ちゃん、すげー怖い(笑)。僕はね、(印象的だったシーンは)いろいろあるんですけど、架純ちゃんの表情とか、土下座。ここはもうクライマックスの前だから盛り上がっちゃいけないけど…痛いね。すぐ、泉は土下座しちゃうからね。女が土下座する…とんでもないよね。でも、切ない。愛の表現ってMなのかSなのか、ねじ曲がっている。土下座がひとつの見どころ(笑)」と、気になる発言で作品への期待を煽りました。
ここからは、会場に集まった観客が事前にアンケートとして書いた“一生に一度の恋のエピソード”から、登壇者が一番気に入った純愛エピソードを選んで発表するというコーナーが展開されました。なかでも一番会場が盛り上がったのが、行定監督が選んだという下記のエピソード。
“一年に二回しか会えない、従兄に恋をしてしまいました。関係が壊れるのが怖くて気持ちは心にしまったままですが、今でも会うとドキドキします。親戚の集まりがなくならない以上、続くであろう甘酸っぱいときめきです”
このエピソードが読み上げられると、行定監督は突然「エロい!」と叫び、会場は大爆笑。さらに監督が「結局、ラブストーリーって障壁があればあるほど燃え上がるんですよ。この映画でいえば、先生と生徒っていう社会的には抑圧しなきゃいけない関係とかね。従兄っていうのは、実際は結婚できるんですけどね。親戚の集まりで、オジサンとかが酔っ払っちゃって、オジサンが寝ている横でキスなんかしたくなっちゃった日にはね…。でも、イイところで寝言に邪魔されちゃったりしてね。いや、すごいですね!これ映画化決定ですね!」と妄想を爆発させると、松本から「妄想が激しいです(笑)!」と強めのツッコミが入り、この様子に有村と坂口も大爆笑。終始和やかにイベントが進んでいきました。
最後は松本から会場に集まった人々に「すごく苦しくて、傷ついて、恋愛って何なんだろうなっていう感情を掻き立てられる濃いラブストーリーになりました。皆さんに今日この場で観ていただいて、一生に一度の恋とか、自分の中ですごく大切だと思う人を考える、そんな時間にしていただけたらと思います。たくさんの方に愛されて、たくさんの方の心に残る作品になってくれたらうれしいです!」とメッセージが贈られ、にぎやかな雰囲気のなかイベントは終了しました。
美しくも複雑な恋愛感情を赤裸々に描く純愛ストーリー『ナラタージュ』は、2017年10月7日より全国公開です。
試写イベント舞台挨拶:2017年9月27日取材 TEXT by min
『ナラタージュ』
2017年10月7日より全国公開
公式サイト
配給:東宝、アスミック・エース
©2017「ナラタージュ」製作委員会
↓トーキョー女子映画部での紹介記事
■映画批評、デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き判定
■TJE Selection イイ男セレクション/坂口健太郎
■TJE Selection イイ男セレクション/瀬戸康史
胸キュンエピソードで暴走する行定監督を松潤が制止!?『ナラタージュ』 はコメントを受け付けていません
映画『エルネスト』試写イベント舞台挨拶、オダギリジョー、阪本順治監督
サポーター達の大きな拍手に迎えられ登場したオダギリと阪本監督。監督は客席のゲバラ軍団を見るなり「今日は何の集会でしょうか(笑)?」と顔をほころばせつつも、「 “エルネスト”という言葉には“真剣”という意味がありますが、言語学に詳しい方にお聞きすると、もう一つ“目的を決めた上の真剣”という深い意味があるんです。“目的を決める”という意味を踏まえて、この映画を観ていただきたいと思います」と挨拶をしました。
「本作製作にあたり、どのような準備をしたのか?」というMCからの質問に阪本監督は、「フレディ前村ウルタードという存在を知り、彼の家族が書いた書籍「革命の侍―チェ・ゲバラの下で戦った日系二世フレディ前村の生涯」(長崎出版刊)を読みました。その後、フレディさんのキューバ国立ハバナ大学時代のご学友に会いに行き、彼の人柄や大学時代のエピソードを取材しました。フレディさんの姉であるマリーさんの取材で印象的だったのが、“フレディは医者になって人を助けるためにキューバに行ったのに、結果的に武器をもって人を殺めるかもしれない。その狭間で弟は苦しんでいたんじゃないか”という言葉です。彼はキューバでは英雄になったけど、ボリビアでは“売国奴”“国に逆らった存在”として家族は弾圧されました。お父様は投獄され、財産も没収されたそうです。お母様のローサさんは、どうにかフレディの遺骨を見つけたいとキューバに働きかけたとき、キューバの人々から“あなたの息子は事故や病気で死んだわけじゃない。戦って死んだんだから悲しむ必要はない”と言われたらしいですが、やはり自分の息子を失った痛恨の思いで泣き崩れたそうです」と取材過程で遭遇したさまざまな事実を述懐しました。さらに、「取材でフレディさんのご家族の思いを知り、名もなき学生としてキューバに渡った彼が、どんな学生生活を送ったのかをメインに描きたいと思いました。ただ医者になりたくて、いつか母国に帰って特権階級しか受けられない医療を開放したいと思っていた人間が、最終的に銃を持つようになった。そのことを描きました。もっと言うと、彼のことを英雄視して描きたくないと思いました」と作品へ込めた思いを語りました。
最後にこれから本作を観る人へ阪本監督から、「本作の最後に“マリー前村ウルタードさんに捧げる”という言葉が出てきますが、(前述した通り)フレディさんのお姉さんです。僕らが取材をして、契約を結ばせていただいた直後に亡くなられましたが、本当にこの作品を観ていただきたかった。あとは国際テロリストとかニュースで聞いたときに、キューバの革命軍と一緒にしちゃう日本人がまだいると思うんですけど、全く違うものであって、キューバ革命軍は職業軍人とは戦ったけれども民衆には手をかけていないんです。皆さんわかってらっしゃると思いますけど、そういうこともこの映画を通じて知っていただけたらと思います」と熱く語りかけました。
『エルネスト』
2017年9月25日、Huluが初のラインナップ発表会を行いました。配信メディアで固定ユーザーを獲得するために重視されるのが、ドラマなどの続き物。海外ドラマは特に目玉とされますが、この日はHuluプレミアとして2017年秋から2018年に配信される作品がズラリ紹介されました。予告編を観ただけですごく楽しみな作品ばかりでしたが、ここで私マイソンが特に気になった作品をご紹介します。






映画『プラネタリウム』来日ジャパンプレミア、ナタリー・ポートマン、レベッカ・ズロトヴスキ監督


最後に、来日の記念として、2人の名前がそれぞれに書かれた和傘のプレゼントがありました。ナタリーは、自分で「ナタリー」とカタカナを読んでいてさすが(笑)!不思議な世界観の美しい映画なのですが、監督、女優ともに感性の鋭い女性が創り上げたと実感できる作品です。リリー=ローズとナタリーの姉妹ぶりも見逃せませんよ。
『プラネタリウム』PG-12
映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』スペシャル・ファンミーティング、ライアン・ジョンソン監督/尾上松也、河北麻友子(ゲスト)
「スター・ウォーズのテーマ」にのせて登場したジョンソン監督。舞台のセンターに立つと「ミナサン、ゴメンナイ!ワタシハ、ニホンゴガハナセマセン。ケド、ガンバッテイマス!」と日本語で挨拶し、会場からは大きな拍手と歓声が上がりました。
いよいよ、ここからは抽選で選ばれた熱狂的なファンからの質問タイム!ジョンソン監督はファンとの対面に少し緊張した様子で、「難しい質問がくるかも知れないから、僕も助っ人を呼んでいい?」と要望しました。すると舞台袖からは、なんとBB-8が登場!!!「かわいい!」という歓声と拍手が鳴り止まぬなか、監督がBB-8に「おや、君、ちょっと痩せたんじゃない?」と声を掛けると、BB-8もお辞儀する仕草と音声で答えました。
最後に芸能界のスター・ウォーズファンを代表して、尾上松也と、河北麻友子が登場!さらに、シリーズ全作に登場する人気ドロイド、C-3PO、R2-D2も駆け付けました。尾上から本作製作へのこだわりを聞かれた監督は、「自分の内なるスター・ウォーズファンの部分を信頼して作りました。現場ではスタッフもすごく楽しそうにしていて、仕事の合間にふと立ち止まっては、“今、自分はあのスター・ウォーズに関わっているんだ!”という感動を味わっているようでした。すごく良いサインだと思ったし、観客の皆さんにも楽しんでもらえるスター・ウォーズ作品になっていると思います!」と作品への自信をのぞかせました。
さらに尾上が「あまりに作品が好き過ぎると、裏側を知りたくないと思う部分もありませんか?」と聞くと、「確かに、最初はそんな心配もしました。ミレニアム・ファルコンの裏側や、ライト・セーバーの仕組みを知ってしまったら、魔法が解けてしまうんじゃないかと思って。でも、そんな心配は無用でした!ますます、スター・ウォーズ愛が深まりました」と述懐。最後に河北から今作で注目のキャラクターを聞かれた監督は「どのキャラにも早く出会って欲しいけど、リー・マリー・トラン演じるローズというキャラクターです。まだあまり映画には出ていないけど、彼女は太陽の日差しのような存在でした。早く皆さんに映画を観て欲しいです!」と笑顔で語りました。
映画『恋と嘘』完成披露舞台挨拶、森川葵、北村匠海、佐藤寛太、古澤健監督、ゲッターズ飯田(スペシャルゲスト)




『恋と嘘』
映画『あゝ、荒野』完成披露舞台挨拶、菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、モロ師岡、今野杏南、山田裕貴、でんでん、木村多江、ユースケ・サンタマリア、岸善幸監督
寺山修司の原作を映画化した『あゝ、荒野』のキャスト、監督一同が、完成披露試写会の舞台挨拶に集まりました。まずは、主演の菅田将暉、ヤン・イクチュンが、壁を突き破って登場するという演出で、イベントは最初から大盛り上がり。
新宿新次を演じた菅田将暉は「撮影中は鍛えていたんですけど、衰えたのか、一発で(この壁が)割れなかったんですよね。すっごく恥ずかしかった。でも映画のなかではちゃんと鍛えてますんで。前篇だけでも150分くらいある長い映画ですが、ちゃんとこんなにたくさんの人が観に来てくださって本当に嬉しいです。楽しんで頂けると嬉しいし、構えずに観て欲しいと思います。“ミニオン”だと思って観てください(笑)」と挨拶し、会場の笑いを誘いました。続いてW主演を務めたヤン・イクチュンは「撮影中は一生懸命身体を鍛えて頑張ったんですが、今はお腹が出てしまいました。なので、今の身体はバリカン健二(役名)の身体ではないですね。今日は観に来てくださってありがとうございます!」と爽やかな笑顔で挨拶をしました。続いて新宿新次の宿敵である山本裕二役を演じた山田裕貴は、「ほんとに素晴らしい映画になってます!試写を観終わったあとに、“俺今現実なのに、ちゃんと生きてるかな?”って自分を問いただしてしまうくらい、本当に皆さんにとって衝撃的な映画になっていると思います」とコメントしました。
菅田将暉と濃厚なラブシーンを演じた木下あかりは「内に抱えるものが大きかったので、精神的にはきつかったんですけど…」と語り始めると、菅田が「俺ら、撮影濡れ場からだったもんね」と付け加え、木下は「そうなんですよね〜。撮影初日に初めましての挨拶をして3分後くらいにもう裸だったんです」と言うと、菅田も「そんなこと、あります?ある、あるっていう人、手を挙げてください」と会場に問いかけ、かなり異例の撮影だったことを明るく語りました。木下は「でも緊張したんですけど、初日で良かったなと思いました」と話すと、菅田も「そうね。全て見せてるので」と同意。2人とも根っからの役者だなと感じました。
続いて、役作りの話題になり、ボクサー役だったキャストにトレーニングについて司会から質問がありました。菅田は「(ヤン・イクチュンとは)ほとんど一緒にトレーニングはしていなくて、撮影に入る半年前くらいにヤンさんとお会いして、そこから僕らはボクシングを始めたんですが、その時は僕らの体重差が20㎏くらいあったんです。僕が50数㎏、ヤンさんが70数㎏で、劇中ではだいたい60㎏くらいにしないといけないので、絶望的なスタートだったんですが、僕は増量して、ヤンさんは減量して、お会いしたらだいたい同じくらいになっていましたね」と振り返りました。ヤンは「菅田さんのボクシング映像をトレーニング中に見せて頂いたんですが、それを観て本当に緊張しました。絶対に勝たなければいけないというわけではなかったんですが、ある程度レベルを合わせなければいけないので、私のほうが引けを取っているのではないかと思って、とにかく緊張していました」と語ると、菅田も「それは僕も一緒で、それぞれ自分の国でトレーニングして、半年間全く会っていないので、向こうがどれだけ頑張っているかっていうのはその映像でしか知らないんですよね。僕のところにヤンさんがスパーリングしている映像や叫んでいる映像が送られてきて、『息もできない』の怖い人だって思うと、僕も頑張んなきゃと思いました」と返しました。ボクサー役の撮影を観ていたユースケは、「心が痛かったです。僕の愛する菅田君、イクチュン、山田君が、リングの上でボロボロになっていくんですよ。撮影なんだけど、もうある意味結構当たってるよね。観てるだけだから楽とかではなくて、俺達の入れない
聖域なのか、俺の愛する菅田君、イクチュン、山田君がね、血みどろになっていくのがたまらなくて、ものすごくストレスがありました。あと他の事で印象に残ってるのが、でんでんさんが来てインして1日目に、親指を突き指しまして、ジャブしか受けられないってなって。その後にイクチュンが演じる健二をものすごくしごくっていう場面があったんですよ。それを全部ジャブで凌いだっていう(笑)。ぜひご覧ください、前篇に入ってますから!でんでんさんの力ですよ!俺はできない、あれは!」と裏話を披露して、会場を沸かせました。ヤンは、「現場でボクシングジムのセットがあったんですが、その前でちょうど工事をしていたんですね。工事をされている方がだぼっとした大きなズボンを履いていたんですが、僕達が撮影しているときに、工事をされている方がお一人入ってきたので、どなただろうと思ったら、それがでんでんさんでした(笑)」とヤンの天然ぶりが伺えるエピソードを語ると、すかさずユースケが「見たら(でんでんさんって)わかります!知らずに入ってきちゃった人なのに、なぜかカメラが回ってて、よく見たらでんでんさんだって(笑)」とツッコミを入れて、会話でも見事なチームワークを披露してくれました。
最後にヤンは日本語で「心の話です。20歳、30歳の男の人がいて、自分達の心で話をする映画だと思います。撮影はおもしろかったです。ありがとうございます」とコメント。菅田は「これから観る映画は、寺山修司さんの作った原作をもとにしていて、原作の舞台は1960年代の話ですけど(本作の舞台は2021年)、今も昔も変わらず孤独だったり、寂しいなと思ったり、失ったものがある人は、どこか荒野のように心が荒れていて、繋がりを求めていたり、愛情に飢えていると思うんです。きっとそういう過去を埋めていきたいような2人の男の物語であり、そして未来を作っていく映画だと思っています。非常に明るい現場でした。大事に観て欲しいです」と締めました。
『あゝ、荒野』R-15+
映画『ダンケルク』来日記者会見、クリストファー・ノーラン監督/岩田剛典(ゲスト)
次に「戦争映画によくある残虐なシーンがあまりなかったが、それはどうしてか?」と問われると、ノーラン監督は「今回なぜ血を見せたりしなかったのかというのは、ダンケルクのお話は他の戦争のお話とは性質が違うからなんです。これは戦闘ではなく、撤退作戦なんです。逃げなくてはいけないので、語り口としてはサスペンススリラーを描く手法を取りました。従来の戦争映画は、戦争がいかに恐ろしいかというホラーとして語る、つまり目を背けたくなるようなものだと思うんですが、この作品は目を背けたくなるどころか、目が釘付けになってしまうというアプローチを取っています。ですので、この作品の緊張感は他の戦争映画とは違うものだと思います。敵の姿も見せていません。何かジリジリと寄ってくる敵の存在を感じさせる手法でサスペンスフルに撮っています。そして何よりも時間との競争である部分もこの作品をサスペンスフルなものにしています」と語りました。
ドラマスクールに行ってスカウトしたり、エージェントがまだついていない若い俳優さんを見たりしました。映画初出演という方にも出て頂いてます。というのは、これは非常に大事なポイントで、戦場の現実というものを見せていかなければいけないと思ったからです。若い人々も共感できるよう作品になっていればと思います。自分の年齢の人達がこういう現状を突きつけられたんだ、こういう事をやっていたんだと見せることになるので、共感して頂ければと思います」と答えました。
『ダンケルク』
映画『トリガール!』初日舞台挨拶、土屋太鳳、間宮祥太朗、高杉真宙、池田エライザ、英勉監督
2017年9月1日、映画『トリガール!』初日舞台挨拶が行われ、主演の土屋太鳳をはじめとしたキャストと監督が登場しました!平日の昼間開催でしたが、会場は超満員で、ゲストが登場すると大きな拍手と声援が会場に響きました。本作は、昨年の夏に撮影をしたそうで、土屋太鳳は撮影当時を振り返り「すごく深い夏でした。英組が本当に最高だったんです。すごくカッコ良くて、おもしろくて、プロとしての毒のようなものもあって、その毒がすごく魅力的で、良い緊張感もあり、いろいろなことを試行錯誤できて、土屋太鳳自身も解き放たれました!」とコメントすると、間宮祥太朗が「夏をなかなか深いと表現する人はいませんよね(笑)。深い夏というのは、つまり夏にどっぷり浸かったということだと思うのですが、それを一言で“深い夏”と表現したんだと思います」と土屋太鳳のコメントについて解説し、会場を沸かせました。
続いて本作の演出について問われると、英監督は「あまり演出したという覚えはなくて、最初に説明したら大体皆が勝手にやってくれたので、とても楽でした(笑)」と話しました。池田エライザは、役づくりについて「最初に台本を頂いたときに、間宮くんと太鳳ちゃんが演じるキャラクターが格闘しているかのような内容で、そのなかで私は何をやろうかなと考えていました。私の演じた和美は、唯一ヒロインっぽい立ち位置の人物で、ちゃんと恋をして、サポートもして、奥ゆかしさのある子だったので、ゆきな(土屋太鳳)のそばにただそのままいたら良いのかなと思い、特別なことはしませんでした」と語りました。高杉真宙は、自身の演じたキャラクターについて「僕以外の人物は、話が展開するに連れてどんどんキャラが濃くなっていったので、正直皆を羨ましいなと思っていました。僕の場合は、そんな皆の会話のテンポが早くなっていくのを止める役だったので、そのテンポを止めることがすごく怖かったです。でもそういう役であることを理解した上で演じさせてもらいました」と明かしました。
間宮祥太朗は、本作について「一つ一つが新鮮で、とても活き活きとした作品になったと感じています。原作や台本を読んだときに、活字なのに活字が踊り出すようなリズムや呼吸みたいなものを感じて、それを僕らが演じることで観客の方がより肌で感じるような映画になったら良いなと思っていました。そういう勢いみたいなものはこの映画に表れたんじゃないかと思っています」と語り、続けて「ちなみに真宙の今日のファッションポイントは、ここに(ジャケットの袖を指さして)鳥が1羽いまして、背中にももう1羽おります」と本作にちなんだファッションであることを紹介する場面もありました(笑)。間宮祥太朗も高杉真宙もイケメンですが、どちらもタイプが違うのでそれぞれの特徴を見て「どっちが好みかな〜」と勝手に吟味してしまいました(笑)。映画のなかでも2人は違うキャラの男子役をそれぞれ演じているので、皆さんもどちらがタイプが厳選してみてはいかがでしょう。
最後に監督は「この作品を楽しんでもらえたら嬉しいです。短い映画(上映時間98分)なので、ぜひ何度でも観てください」とコメントし、土屋太鳳は「『トリガール!』は、本当に名言の宝庫だと思います。そのなかの一つに“勇気というのは、無謀とは違う。勇気は愛から生まれるんだ”という言葉があって、まさに人力飛行機はたくさんの愛から生まれるもので、勇気で飛ぶんだと思います。それは映画も同じだと思います。琵琶湖で受け取った奇跡、今日出会えた皆さんの笑顔をこの作品に乗せて最高のビッグフライトを目指します。『トリガール!』飛びます!」と元気に宣言し、舞台挨拶が幕を閉じました。
『トリガール!』
映画『エル ELLE』来日トークイベント、ポール・ヴァーホーヴェン監督、イザベル・ユペール
割れんばかりの拍手に迎えられて登場した2人。「日本は5度目ですが、今回は彼女のおかげで特別な来日となりました」とヴァーホーヴェン監督が挨拶すると、ユペールも「コンニチハ!監督と一緒に来日できたこと、大勢の観客に映画をご覧頂いたことを嬉しく思います」と称え合いました。
続いてはヴァーホーヴェン監督への質問。「ユペールとミシェルのキャラクターについて話し合いをしたか?」と聞かれた監督は「撮影のプランや、レイプシーンで事故がないように打ち合わせはしましたが、キャラクターの動機については一切ディスカッションしていませんし、するべきではないと思いました。彼女を信用していたので、私は見ているだけでした」と述懐しました。
『エル ELLE』