【東京コミコン2017】グランドフィナーレ、スティーブ・ウォズニアック、マッツ・ミケルセン、カール・アーバン、ネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカー、福原かれん
2017年12月1日から3日まで行われた【東京コミコン2017】は大盛況に終わりました。ここでは、来日ゲストが登壇した、グランドフィナーレの様子をお届けします。
今回の感想について、スティーブ・ウォズニアックは、「本当に東京コミコンに参加できて光栄に思います。こういったコンファレンスは、まさに我々がアート、エンタテインメントを考えるていることを代表しているわけですから、ぜひ今後も進めていきたいと思います。続けていかなければならないと思います。ですから来年も必ずやってきます」と述べました。
マッツ・ミケルセンは、司会から挨拶を頼まれると、「ハイ」と日本語で答え、それだけで会場を沸かせましたが、「本当に圧倒する思いでした。皆を代表して申し上げられることですけども、我々全員が忙しくしており、皆様も行列をなして並んで頂いて、丁寧に我々と接して頂いたわけですが、充分に時間がなかった場合には申し訳なく思います。本当は皆様一人ひとりとゆっくりお話ができたらと思ってたんですが、あまりにも大勢の方々に来て頂いたことは感謝しつつ、一人ひとりに対して時間をかけられずに申し訳なく思います」と感謝を述べました。
カール・アーバンは、「トウキョウ、コンニチハ〜〜〜〜〜〜!」と雄叫びをあげ、会場を盛り上げ、「東京コミコンを主催して頂いた方々に感謝を申し上げます。皆様全員に参加して頂いた事に感謝します。私も1、2回は他のコミコンに参加したことがありますが、ここは今までで最も楽しかったです。皆様全員本当に美しかったし、愛してます。本当に尊重して頂いて、光栄に思い、特権だと思いますし、喜びでした。皆様に感謝し、ここに来られて恵まれていると思います」とめちゃめちゃ熱く語り、それを通訳さんが訳すと、自身が思っているよりも長いなという表情で見守り、会場に笑いを呼びました。さらに、「ぜひ友人と家族にもこのコミコンのことを伝えてください。私も皆様と会えるのを楽しみにしてます」と大声で叫び、投げキッスで締めました。
ネイサン・フィリオンは、「今の(カール・アーバンの熱弁の)あと、自分が挨拶するのは嬉しいです。私が若かった頃は、コミックやスーパーヒーローを楽しむということはそんなに人気のあることではなく、本当にオタクとして見られていたし、自分もすごくシャイで、本当の意味でオタクでした。しかし、私達が一堂に会することができて、心温まる思いです。そしてお互いのことをお祝いすることができて嬉しいです。アリガトウ、トウキョウ。近いうちにぜひ東京に戻りたいと思います」と語りました。
マイケル・ルーカーは、「ハイ!アリガトウ!皆様方のエネルギー、気というものを分かち合って本当に嬉しかったです。今週はすっかり疲れてしまいましたが、皆さんの気を与えて頂いてありがとうございます。またこちらにお越し頂いて本当にありがとうございます。世界中の人々は、フェイスブックとかツイッターとか、SNSなどで、皆様のことを羨ましがってます」とコメントしましたが、また通訳さんが訳している途中で、自分のコメントの長さに今気付いたという表情で「そんなに長くしゃべってない!」とツッコミを入れ、会場を沸かせました。続けて、「前回日本に来たときは、柴犬を連れて帰りました。家族はとても喜んでくれましたが、今回はまた犬を連れてこないことを喜んでくれると思います」とお茶目なエピソードを披露してくれました。
福原かれんは、「ありがとうございます!今回3日間続いて大勢の方にお会いできて楽しかったです。今回日本の方にもお会いできましたが、インドネシアやタイランドの方とも出会えて、コミックブックファンはどこにでもいるんだなと温かい気持ちになりました。東京コミコン、最高!ありがとうございました!」と感謝を述べました。
そして、また一言ずつ最後のメッセージをお願いしますということで、スティーブ・ウォズニアックがしゃべりだそうとすると、マイケル・ルーカーが、Tシャツの後ろに描いてある消防署を支持するようなデザインを披露しだし、暴走スタート(笑)。

マイケル、急にどうしたんだい(笑)?
ここから、それぞれに好きなように振る舞い、会場が笑いに包まれました。

ダチョウ倶楽部のネタみたいになってる!

刀でスパッと斬れました(東京 浅草 剣舞会エッジによるパフォーマンス)

和を感じて頂く演出も今回印象的でした(まほらによる演奏)
大勢が詰めかけ、ステージもブースもコスプレイヤー達も大盛り上がりだった今回。来年はどんなスケールアップをするのか、本当に楽しみです。今年行けなかった方もぜひ来年は行ってみてください。

テンションアゲアゲのメンバーを、後ろで見守るネイサン・フィリオンとスティーブ・ウォズニアックもおもしろい
【東京コミコン2017】グランドフィナーレ:2017年12月3日取材 TEXT by Myson
【東京コミコン2017】
2017年12月1日(金)〜3日(日)まで開催
場所:幕張メッセ 国際展示場 9・10・11ホール(〒261-8550 千葉市美浜区中瀬2-1)
公式サイト
トーキョー女子映画部での紹介記事
■TJE Selection イイ男セレクション/マッツ・ミケルセン
■TJE Selection イイ男セレクション/カール・アーバン
■TJE Selection イイ男セレクション/マイケル・ルーカー
■TJE Selection イイ男セレクション/ネイサン・フィリオン
■TJE Selection 海外TVドラマ イイ男GP2015/ネイサン・フィリオン
■【東京コミコン2017】リポート/オープニングイベント
■【東京コミコン2016】リポート
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マッツ・ミケルセン、カール・アーバン、ネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカーがハイテンションでグランドフィナーレ【東京コミコン2017】 はコメントを受け付けていません
【東京コミコン2017】オープニングイベント、スタン・リー、スティーブ・ウォズニアック、カール・アーバン、ネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカー、福原かれん、竹内涼真、山東昭子(名誉会長/参議院議員)、胸組光明(実行委員長)、マルゴ・キャリントン(在日米国大使館広報・文化交流担当公使)

ます。スーパーヒーローのアイデアを作り出している人達から多くのインスピレーションを受けることができるわけです。皆様も多くのブースを回り、アートワークに注目して頂いて、より多くのインスピレーションを受けて頂くことを期待しています。私と同様皆様にもこのショーを楽しんで頂ければと思っています。そして個人的には、このようにスタン・リーの隣りに立てて光栄です」と熱く語りました。
そして、今映画、ドラマで大人気の竹内涼真がマイクを持つと、会場の女子達から感激の声が聞こえてきました。竹内涼真は「2年続けて親善大使ということで、スーパースターの皆さんと一緒にここに立つことができて本当に光栄です。本当にアメコミが大好きで、いつかマーベルの映画に出るのが夢です。皆さん、楽しんでください」とコメントしました。




















映画『パーティで女の子に話しかけるには』来日舞台挨拶、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督/山本耕史(ゲスト)
本作のプロモーションと、オリジナルキャストで日本初上演となったミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の出演を機に、7年ぶりに来日したジョン・キャメロン・ミッチェルが、とても個性的なカワイイ衣装で登場。ジョンは会場に詰めかけたたくさんのファンを観て、「オー・マイ・ゴッド!」と言うと、客席から「アイ・ラヴ・ユー」と声が聞こえ、「僕を愛してくれてるのは誰?」と挙手を求め、「35人くらい?65人かな?」とお茶目なリアクションを見せました。そして「約15年ぶりに日本の劇場にこうして来られてとても嬉しく思ってます。シネマライズで公開されたのは17年前だから、17年前ですね。(シネマライズは)なくなってしまって残念ですが、この作品が日本の皆さんの心に響くことを願っていますし、きっとそうなるんじゃないかと予感しています。エイリアンとパンク少年のあいだの初恋の物語だからね。今日はここにいる事がとても嬉しいんですが、この洋服で良いのかな?これスーツ?ハンカチーフ?キルト?…実はデザイナーはヴィヴィアン・ウエストウッドで、この作品にもとても縁がある方なんです。ニコール・キッドマンのキャラクターがかなりヴィヴィアン的だからです」と挨拶しつつ、しっかり気になる衣装についても紹介してくれました。


山本は本作について、「青春時代を思い出して、すごく懐かしい部分もあれば、近未来的な要素もあります。僕はファンタジーが好きで、ジョンが直接的にファンタジーを描いたのは今回が初めてだと思うので、ジョンの心の中が形になって、前に出た感じがして楽しかったです」と感想を述べました。これに対してジョンは「小さい頃からファンタジーとコミックブック、SFが大好きだったんですね。今回初めてラブストーリーとそれを融合することができたんです」と返しました。この日は、2人ともヴィヴィアン・ウエストウッドの衣装を着ていましたが、劇中のファッションについても話が及び、ジョンは「まずエイリアン達は、1970年代のフィーリングを持ったものにしています。今回の衣装デザイナーは、サンディ・パウエルさんですが、70年代のエイリアンに感じられるように、パンクの服装も同じコンセプトで作って頂きました。我々人間と同じように、エイリアンもまた70年代にノスタルジックに思いを馳せるからです」とユーモアを交えて解説してくれました。
『パーティで女の子に話しかけるには』
映画『ジャスティス・リーグ』来日ジャパンプレミア、エズラ・ミラー、レイ・フィシャー、チャールズ・ローブン(プロデューサー)/前田健太(ロサンゼルス・ドジャース所属メジャーリーガー、ゲスト)他
ステージイベントに登壇すると、エズラはビッグ・スマイルで「皆さん、こんばんは。ここから皆さんの輝く顔が見えます。皆さんこそスーパーヒーローです。どうもありがとうございます」と挨拶。レイは、「Hello! TOKYO!」と大きな声で会場に呼びかけ、「この大切な一晩にこうして集まってくださってありがとうございます。やっと『ジャスティス・リーグ』を皆さんと分かち合うことができる瞬間がやってきました。皆本当にありがとう!」と述べました。続いてチャールズは「ニホンノミナサン、コンバンハ。また日本に戻って来られて光栄です。6ヶ月前にも日本にいたのですが、この街、この国が大好きです。今回、“ジャスティス・リーグ”が(劇中で)初めて一同に会したわけですが、非常にエキサイティングに思っています。やっと日本でプレミアができて嬉しいです。ありがとうございます」とコメントしました。
ベン・アフレック、ガル・ガドット、ジェイソン・モモアとの共演について聞かれると、レイは「最強の経験ができました。最高のキャストとスタッフに恵まれた現場で、他のキャスト達とも出会ってすぐに絆ができました。僕達がどれだけ毎日愛情を持って作っていたか、皆さんに現場に見に来て欲しかったくらいですが、このイベントを通して、そして作品を通して、僕らの愛が皆さんに伝わることを祈ります」と話しました。




『ジャスティス・リーグ』
映画『MASTER/マスター』来日舞台挨拶、カン・ドンウォン
客席の後方からファンのあいだを通って登場したカン・ドンウォン。幅広い世代の女子達が一斉に悲鳴を上げます。そして、若干もみくちゃにされながら、なんとかスクリーンの前に降臨。流暢な日本語で「お久しぶりです!」と挨拶すると泣き出すファンもいて、すさまじい人気ぶりを目の当たりにしました。
『MASTER/マスター』
映画『ローガン・ラッキー』第30回東京国際映画祭舞台挨拶、スティーヴン・ソダーバーグ
本作で監督復帰したスティーヴン・ソダーバーグが、第30回東京国際映画祭の舞台挨拶に登壇。6年ぶりの来日を果たしました。「日本に招いて頂きありがとう。そして、東京国際映画祭に30周年おめでとうと言いたいです。日本の文化に触れたのは日本映画を通してです。10代でしたがとても魅せられました。非常に日本映画に通じていらっしゃる、ドナルド・リッチーさんという方に連絡を取りました。そこで彼の引用をします。“西洋のプロット、ストーリーというのは、何が起きるか、何が理由か、責任というものを重視します。日本ではストーリーというものは、流れというものと、繋がり、関係性というものを重視します”私はこの言葉に非常に刺激を受けまして、両方がわかりましたし、できるだけ私はその両方を融合させる努力をしてきました。今日の私の試行が成功するのには、笑いが起きること。笑いというのはとても関係性を良くするものだと思います。ですからぜひこの映画を楽しんで頂ければと思います」と話しました。
『ローガン・ラッキー』
ロックバンド「THE YELLOW MONKEY」の復活劇を追ったドキュメンタリー映画『オトトキ』(











コンペティション部門の国際審査委員として登場したトミー・リー・ジョーンズ。渋くてステキでした!
映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』完成披露イベント舞台挨拶、生田斗真、広瀬すず、竜星涼、森川葵、健太郎、中村倫也、比嘉愛未、三木孝浩監督



『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
映画『ブレードランナー 2049』来日記者会見、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
本作はフィリップ・K・ディックの原作小説をリドリー・スコット監督が1982年に映画化した『ブレードランナー』の30年後を描いた続編。伝説的SF映画の監督を引き継いだドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、「この作品を日本の皆様と共有することを光栄に思います」と笑顔を見せました。また、オリジナルの『ブレードランナー』については「僕の世代の監督達は、誰もがこの作品に影響を受けていると思う。“ブレードランナー以前”と“ブレードランナー以後”では大きく違うんです。照明の使い方も、雰囲気の作り方も、それまでに全く見たことがない世界だった」と前作への敬意を込めて熱く語りました。
続いては、最強の女性レプリカント“ラヴ”を演じたシルヴィア・フークスが挨拶。これが初来日だというフークスは、「東京に初めて来て、『ブレードランナー』の世界に入り込んだ様な感覚にとらわれています。とても嬉しいわ!」と興奮気味に話しました。間近で見るその笑顔は劇中のクールな表情とは違い、とても明るくて柔らか。神々しいほどの美しさに、しばし取材メモを取る手を止めて見とれてしまいました。
ライアン・ゴズリング演じる“K”の恋人、“ジョイ”を演じたキューバ出身のアナ・デ・アルマス。2015年に「世界で最も美しい顔100人」の第9位に選ばれたワールド級の美女は、あどけなさの残る大きな瞳とセクシーなくちびるがとってもキュート。「東京は19歳の時以来、2回目です。また帰って来ることができて嬉しいわ」と話しました。その声や仕草も、この世のものとは思えないほどのかわいさ!
そしていよいよ、前作に引き続き再び“リック・デッカード”を演じたハリソン・フォードの挨拶です!「皆さん、台風を追い払ってくれてありがとう(笑)。なかなか興味深い体験だったよ」と開口一番ジョークでマスコミ陣を笑わせました。さらに、「1作目の『ブレードランナー』は、もう何年も前の作品だけど、日本でとても評判が良かったことはよく覚えている。そして今回、続編と共に来日できてとても嬉しいよ」とコメントしました。続けて今作の出演を決めた理由について「撮影が始まる4年前にリドリー・スコットからデッカードをもう一度演じることに興味があるかと聞かれたんだ。それは興奮したよ。もちろん、ストーリー次第ではあるけれど、やりたいと答えた。前作の脚本家のハンプトン・ファンチャーが書いた短編小説とそれをベースにした脚本を読んだとき、これなら大丈夫だと思った。デッカードのキャラクターがとてもエモーショナルに描かれていて、共感できたんだ」と説明しました。
女優陣に「ハリソンと初めて顔を合わせたときの印象は?」という質問が投げかけられると、まずフークスが「顔を見ると“ハン・ソロだ!インディ・ジョーンズだ!”と思ってしまうから、なるべく下を向いて彼を見ないようにしていたの(笑)。でも、目が合ったらジョークで笑わせてくれました」とユーモアたっぷりに話し、続いてデ・アルマスが「ジョイの衣装はいつもミニスカートでセクシーだったから、寒くないかどうかを気遣ってくれたわ」と答えると、ハリソンは「全く覚えていない(笑)。でも撮影がすごく楽しかったということだけは覚えているよ」と女優陣に褒められて照れているのか、ちょっぴりツンデレな返答で会場を笑わせました。
『ブレードランナー 2049』
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』完成披露試写会舞台挨拶、蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督
初めての一般向け試写会となる会場で、本作のメインキャストと監督が登壇し、舞台挨拶を行いました。主演の蒼井優はこれから観客に作品を披露する心境を聞かれると、「ワナワナしてます。(この映画を観たら)ここにいらっしゃる方全員に嫌われるんだろうなと思います。でも本当に良い映画なので楽しんでください」とコメント。松坂桃李も「これを観終わった後は皆さん(僕を)嫌いになるんだろうなと思ってて、僕の名前が書いてある内輪を持ってくださっている方もいるんですけど、帰りにはゴミ箱に捨ててるだろうなと思います」と挨拶。さらに竹野内豊も「クズしか出ていない映画を観に来てくださり本当にありがとうございます。誰一人共感できる人がいないんですけど、観終わった後に心を揺さぶられるステキな映画になっているので最後までご覧頂ければと思います」と、いかに自分達が演じたキャラクター達が最低で濃いかを表現しました。
十和子に病的なほど執着している佐野陣治を演じた阿部サダヲは、全く清潔感のないキャラクターを演じる上で苦労した点を聞かれ、「本当に良い役だったし、苦労はそんなにしなかったんですけど、まず現場に行ったらすぐ汚されるんで。一応お風呂とか入ってたんですけど、どうでも良いかなっていう瞬間もありました。あの頃は、お弁当の時間とか、下に落ちたものを平気で食べてました。全然それで大丈夫でした」と答え、会場の笑いを誘いました。さらに「観て頂けるとわかるんですが、細かいところまで監督のこだわりがすごいんですよ。見えるかどうかわからないですけど、足の指の間にもゴミが入っているんです。それを毎朝つけられるんですよ。ぜひ観て頂きたい」とコメントし、会場は笑いに包まれました。蒼井が「水虫の設定なので、爪も全部そういう風に…」と掘り下げると、阿部は「初めてネイルの温める機械に手を入れましたよ」とコメント。さらに監督が「ナミ爪と言って、手がガタガタな人にしたくて、皆で研究したんです」とこだわりを明かしました。この時期、阿部は、その爪を何日か持たせるためにそのまま撮影現場の大阪で買い物とかに行ったそうで、皆に「そういう人なんだ」という目で二度見されたそうです(笑)。
野心のために十和子を利用し捨てる黒崎を演じた竹野内は、苦労した点を聞かれると「苦労というか、白石監督のこの素晴らしい作品で、これだけの豪華なキャストの皆さんが揃っているなかでちゃんとできるかなという不安はあったんですけど、監督が的確なヒントを投げてくださるんですよね。本当にいろいろと助けて頂きましたし、とにかく白石監督の現場は楽しいんですよ。撮影期間は本当に幸せでした」と話しました。白石監督は黒崎というキャラクターをどう演出をしたのか聞かれると、「僕はこれまで割とクズがいっぱい出てくる映画を撮ってるんですけど、そのなかでも竹野内さんが演じた黒崎は歴代のナンバーワンのクズだったので、それを竹野内さんにやって頂けるってわかったときはテンションが上がりました。一つひとつ、どういう経緯でこうなったのか、映画に描かれていない部分もディスカッションしながら作っていきました」と撮影を振り返りました。さらに監督は「ここまで散々、(本作のキャラクターは)皆クズだ、ゲスだと言ってきましたけど、実は僕はそう思ってなくて、ちょっとずつ人間味があったので、そこを抽出していきました。蒼井さんとも“どこまでお客さんに嫌われて良いのかな?”と話していたんですが、観終わった後に絶対美しいと思える映画にする自信はありました」と演出について語りました。
印象に残っているシーンの話題になると、松坂は「印象的なシーンが多くて…、でもパッと浮かんできたのは大阪城(のシーン)かな」と言うと、「あ〜」と納得の声が監督から上がりました。松坂は「こんなに綺麗な夜景のなかで…(こんなことさせるの?)って思えるシーンなんですよ」と言うと、蒼井は「全編大阪ロケだったんですけど、ほとんど大阪っぽいところじゃなくて。唯一大阪城が大阪の象徴という感じで出てくるんですけど、“その前でそれ?”っていう…(笑)。ほんと大阪の人に怒られるんじゃないかなと思います」と、ある意味で見どころと言えるシーンを明かしました。
『彼女がその名を知らない鳥たち』R-15+