映画『ベイビー・ドライバー』来日舞台挨拶、アンセル・エルゴート
2017年8月19日、エドガー・ライト監督最新作『ベイビー・ドライバー』が劇場公開初日を迎え、来日したアンセル・エルゴートが舞台挨拶を行いました。スラッとして長身のアンセル・エルゴートは、とびっきりの笑顔で「コンニチハ!」と日本語で挨拶。続けて「本当にこういう作品に関われた事を嬉しく思っています。撮影現場でも出来上がった作品を初めて観た時も本当に特別な映画だと思いましたし、それはやっぱりエドガー・ライトという素晴らしい監督が天才であり、そして素晴らしいビジョンを持っているからだと思うんですね。『ベイビー・ドライバー』のような作品が大ヒットしてすごく嬉しいなと思うことがもう一つあります。ハリウッドって超大作のシリーズや原作ものの映画を作ることがとても多いんですが、この作品はエドガーが思い描いた、オリジナルの物語、脚本、映画になっています。この映画の成功を見て、ハリウッドとかスタジオとかももっとオリジナルのものを作ってくれるようになってくれたら良いなと思います。そして皆さんがこうやって駆けつけてくださることが、クールな作品をもっと観られるきっかけになるので、本当に感謝しています」と述べました。
アンセルが演じたキャラクターは寡黙な分、表情やちょっとした仕草で感情を表現したり、音楽に合わせて動いたり、特殊なことがいろいろあったと思われるなか、どんな役作りをしたか問われたアンセルは「ベイビーというキャラクターが本当に大好きです。普通のアクションヒーロータイプではなく、若者らしさがすごくあるキャラクターなんです。犯罪的な行為をしているかも知れませんが、本当に悪い人間ではなくて、最初に脚本を読んだ時からディテールを含めてすぐに気に入ったキャラクターです。準備のためには2ヶ月くらいかけていろいろなことを学びました。今回かなりスタント・ドライビングのテクニックが必要だったので教えてもらいました。車の上とかを飛び越えるような、自分の身体を使うスタントも全部やらせて頂けたので、すごく楽しかったです。音楽に合わせて動かなくてはいけないコリオグラフィーの作業も、撮影前のリハーサルで1ヶ月みっちり特訓しました。というのは、撮影が始まってしまったら、とてもクレイジーでリハーサルをする時間が全くなかったからなんです。何よりもこのキャラクターを生んでくれたエドガーに感謝していますし、僕も観客としてベイビーというキャラクターは愛すべきキャラクターだと思います」と熱弁しました。
アンセルはミュージシャンとしても活躍しているとのことで、ジェイミー・フォックスや、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、そして音楽が大好きなエドガー・ライト監督と一緒に仕事をしたことについて聞かれると、「ケヴィン・スペイシーさんもかなり歌が上手くて、ジェイミーさんやフリーさんのように音楽をやっていらっしゃる方や、ケヴィンさんのように秘かに音楽を嗜んでいる方など、キャスト全員が音楽を嗜んでいる方ばかりでした。それもエドガーが音楽的素養を持った方ばかりを選んだからだと思います。現場では僕はヘッドフォンでそのシーンでかかっている音楽を聴きながら演技をしていたんですが、実は自分だけではなく、共演者も見えないイヤピースを入れて、同じように楽曲を聴けるような体制で撮影していたんです。だから全員が同じビートに合わせて撮影することができました。ジェイミーさん、フリーさんとご一緒するので、撮影の最後のほうには自分の楽曲を聴いて頂けるようなチャンスがあったら良いなと思っていたんですが、ジェイミーに会ったその日に“音楽やってるんだって?あとバスケもやるんだよね?うちにバスケットボールのコートも、音楽のスタジオにあるから、おいでよ”と言われて、その日にジェイミーのお家に行って、バスケをしたり、一緒にジャムったり、自分の楽曲を聴いても
らうことができたんです。どれだけジェイミーという方が温かい方か、これだけでもわかると思います」とエピソードを披露してくれました。
そして、この日はアンセル・エルゴートから観客にプレゼント!公開前に来日していたエドガー・ライト監督と、アンセル・エルゴートがその場で書いたサイン入りのサントラLPが、抽選により選ばれた1名に贈られました。今回の来日ではなるべく遅寝早起きして、東京や京都で楽しみたいと話していたアンセル。最後に日本語で「アリガトウ!」と言って、爽やかに去って行きました。終始、ファンに笑顔を振りまいていたアンセルを観て、さらに好感度がアップしましたが、これからもっともっと人気が出ること間違いナシです!まずは彼の魅力がたっぷり詰まった本作をぜひ観てください。
初日舞台挨拶:2017年8月19日取材 TEXT by Myson
『ベイビー・ドライバー』
2017年8月19日より全国公開
公式サイト
トーキョー女子映画部での紹介記事
■映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定
■エドガー・ライト監督来日記者会見
■TJE Selection イイ男セレクション/アンセル・エルゴート
■TJE Selection イイ男セレクション/ケヴィン・スペイシー
■TJE Selection イイ男セレクション/ジョン・ハム
■TJE Selection イイ男セレクション/ジェイミー・フォックス
■TJE Selection イイ男セレクション/ジョン・バーンサル
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ミュージシャンでもあるアンセル・エルゴートが、撮影初日からあの人と…『ベイビー・ドライバー』 はコメントを受け付けていません
映画『すばらしき映画音楽たち』トークイベント、宇野維正氏(映画・音楽ジャーナリスト)

通常、上映後に行われるトークイベントの場合は、上映だけを観て帰ってしまう観客もいますが、今回のトークイベントでは観客のほぼ全員が参加し、宇野氏のトークに興味深そうに耳を傾けていました。カリコレで上映された回のチケットは即日完売となった本作。まだまだ語りきれぬ映画音楽の魅力と秘密がたっぷりと描かれています。2017年10月7日からはシアタ・イメージフォーラムほか全国順次公開も予定されていますので、詳しい公開情報は、ぜひ公式サイトでご確認ください!
『すばらしき映画音楽たち』
映画『ベイビー・ドライバー』来日記者会見、エドガー・ライト監督
音楽とアクションの絶妙なシンクロが見どころの本作。その撮影方法について監督は、「リハーサル段階から、現場で実際に音楽をかけて撮影しました。セリフがないシーンは大音量で音楽をかけ、ベイビーだけが曲を聴いているシーンではアンセル・エルゴートがヘッドホンで楽曲を聴いて撮影をしています。また、すべての登場人物が楽曲に反応しているシーンでは、皆にイヤーウィックを使用して撮りました。シーンによってメソッドは違いますが、大きな鍵となったのは、劇中で流れる音楽をキャストも実際に撮影で聴いているということです」と明かしました。
続編のオファーについては、「続編のオファーは公開前からあったんです。でも、作品に着手するまでは続編の事は考えていませんでした。製作しながらキャラクター達について考えるのは楽しかったし、彼らが今後どうなっていくのかに興味はありますが、今はまだ具体的なことは決まっていません」と気になる回答。さらに、日本で映画を作る予定については、「ぜひ、日本で映画を作りたいです。実現するにはまずピッタリくる物語に出会わないといけないですね」と期待を煽るコメント。影響を受けた日本映画については「本作は、鈴木清順監督の『東京流れ者』に似ているとよく言われます。10代の頃は『HANABI』や『ソナチネ』『その男、狂暴につき』など北野武監督の作品をよく観ていました」とのこと。ぜひ、続編や日本を題材にした作品も観たいですよね!
映画『スパイダーマン:ホームカミング』来日ジャパンプレミア、トム・ホランド、ジョン・ワッツ監督
本イベントのコンセプトが“夏祭り”ということで、スパイダーマンをイメージした赤と青のオリジナル法被が2人に贈られると、トムが日本語で「アリガトウ」と笑顔を見せ、続いて初来日の感想について「本当に素晴らしい!まだ2日しか滞在していないけど、日本が大好き!皆さん優しくて、住んでもいいかも!」と興奮気味に話し、ワッツ監督も「僕も住んでもいい!」と同意していました。
ワッツ監督は「未だにこの作品の監督に選ばれたことが信じられません。大事な主演俳優を高いところから吊るしたり、穴に閉じ込めたりして、ナーバスになることもあったけど、トムだから任せられました。少々肩入れした意見かも知れないけど、トム・ホランドは史上最高のスパイダーマンだと思う!」と、その才能を絶賛しました。
“トムホ”のキュートな魅力とキレッキレのアクションが満載の本作は、2017年8月11日より日本公開です!
『スパイダーマン:ホームカミング』
星野が演じるのは、思わぬハプニングから覚せい剤に手を出し“前科者”になってしまった男、吉村貴生。会社をクビになり、アパートは火事になり、踏んだり蹴ったりの末にシェアハウス“プラージュ”に辿り着いた貴生は、ここで優しきオーナーの朝田潤子(石田)と個性溢れる“訳あり”住人達と出会います。さまざまな過去を背負い、居場所を失った厄介者達が集まるこの場所で、不器用ながらも懸命に生きていこうとする住人達。社会から一度は退場させられた人間達が、力を合わせて立ち上がっていく姿が見どころです。貴生を演じた感想を聞かれた星野は「役のオファーを頂いたのは、ちょうど去年の夏頃。一年かけて、昨日やっと完成版を観ました。貴生は、(第一話で観て頂いたような)あんな感じの人です。おバカです(笑)。これからどんどん、いろんな人と出会ったり、触れ合ったりして、貴生がどう変わっていくか見届けて頂きたいと思います」と笑顔でコメントしました。
続いて、壮絶な過去のある女性、小池美羽を演じた仲は「美羽ちゃんを演じていて、辛い時もありましたけど…。昨日、全話を観て、いろいろなものがこみ上げてきました。美羽ちゃんはいろんな人に助けてもらっています。シェアハウスってなんかいいなあ、って見えるような作品になっていると思います」と感慨深げに語りました。さらに石田も「本当に見ごたえのある素晴らしいドラマです。私も完成したものを観て胸が詰まる思いでした。私の演じる朝田潤子さんは、人として、こういう気持ちで生きていけたらいいなというくらいの母性の塊のような人で、私は全然、足元にも及ばない人間なので。こういう人になりたい…」とドラマと役の魅力を語ると、星野が横で首を振りながら「そんなことない」とフォローし、仲の良さを伺わせました。
殺人罪で服役しながら再審請求をする男という難役に抜擢されたスガは「役者の仕事を初めてやらせて頂き、右も左もわからず始まったけど、百戦錬磨の先輩役者の皆さんに、いろいろ教えて頂きました。源ちゃんにはセリフの覚え方とか、ゆり子さんには振り向き方とかを教えてもらって、リハーサルの時に皆さんの演技を見て勉強したりして、ご迷惑をかけないようにやったんですけど…。実は完成作品のDVDを怖くてまだ観られなくて(笑)」と初めての演技に苦戦した様子を振り返りつつも、「でも、役者という仕事がとても面白くて。自分に返ってくるものが大きかったので、有意義な楽しい仕事をさせて頂きました。本当に面白い作品になっているみたいなので、僕も緊張しながら放送を観たいと思います(笑)」と充実感を覗かせました。
星野は「仕事の締め切りを守らないようになりまして…。僕、今年の目標が無理をしないっていうことなんですけど、見事にそれが締め切りに影響をしています。締め切りって、大抵は守らないことを見越してちょっと前に設定されていると思うんですけど。それを分かってしまう年頃っていうか(笑)。まだ大丈夫っしょ、みたいな…」と素直に吐露すると、なぜか会場から拍手が起こり、「罪を告白して拍手をもらえるっていうのは、すごく嬉しいですね(笑)」と喜ぶと、客席は大爆笑!星野が何か言葉を発する度に、「きゃー」「かわいい〜」という女子達のつぶやきが客席のあちこちから聞こえてきて、人気の高さを実感しました。
野口彰役を演じた眞島は、「大学を中退したことです。当時、本当にやりたいことが何もなかった時代で、大学を辞めて、母親が3ヶ月ぐらい寝込んだということがあって(笑)。20年近く前の話ですけど、ずっとホントに悪いことしたなっていう思いでいます」とマジメに回答するも、中原通彦役の渋川は「本当のことは言えませんよ(笑)。罪というか失敗だけど、21歳くらいの時に、初めて飛行機に乗って、酒がタダで飲めるというのを知って、いっぱい飲んでいたら、ニューヨーク着いた瞬間に吐きました」と茶目っ気たっぷりに話し、会場を和ませました。
最後にMCから「本作の見どころは?」と聞かれると、矢部紫織役の中村が「なんといっても、スガシカオさんの俳優デビュー作ですから(笑)、見逃せません! よろしくお願いします!」と即答。スガも照れながら「素晴らしい作品になっていると、絶対に信じています。僕はこの先、役者の仕事があるわけではないので、『プラージュ2』がありましたら、ぜひ呼んでください!張り切ってやります!」とヤル気を見せました。そんなスガの言葉を受けて石田が「スガさんがね、スガさんが初めてお芝居をしています!」となぜか繰り返し、「みんな知ってますよ(笑)!」と星野が強めにツッコミを入れるという息の合ったやり取りを展開。「でも、とてもステキだったんです!」と石田がめげずに続けると、さすがに照れたスガが「もう、やめて~(笑)!!」と大声で叫び、会場は笑いの渦に包まれました。
『プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~』
映画『三度目の殺人』完成披露舞台挨拶、福山雅治、役所広司、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、是枝裕和監督
2回目の是枝監督作出演について福山は「いや〜やっぱり、なかなかどう説明して良いか、じっくり時間をかけてお話したい部分はあるんですけど、驚きの連続なんですよね。『そして父になる』では子ども達に台本を渡さず、その当日にセリフを伝えて、“子どもが台本と違うことを言っても、子どもについていってください”と言われて、すごいな、でも楽しいなと思って。今回は今回で監督自身もすごくクリエイティブの森のなかというか、本人のああでもないこうでもないという葛藤を間近で見ながらハラハラ、ワクワクしていました。仕上がったものを観て、さすがという感想です。すべてが予定調和じゃないというか、驚きの連続で、鋭さが増したように思いました」と、是枝監督との再タッグに感銘を受けていました。次に、役所広司は三隅という役をどう演じたのかと聞かれましたが、ネタバレしちゃうからと多くは語らず、弁護士チーム3人と一緒にラーメンを食べに行けなかったことを悔やんでいました(笑)。役所広司が演じた容疑者は、多様性のあるキャラクターで、こんなに難しい役をこれほど見事に演じられるなんて、本当にすごい役者さんだと思いました。鳥肌のたつ演技を本編でぜひご覧ください。
『三度目の殺人』
映画『東京喰種 トーキョーグール』ジャパンプレミア、窪田正孝、鈴木伸之、桜田ひより、蒼井優、大泉洋、小笠原海、白石隼也、相田翔子、栁俊太郎、前野朋哉、萩原健太郎監督
主演の窪田正孝は「去年の今頃、暑いなか撮影させて頂いてたんですけれども、CGも加わり、最高の『東京喰種 トーキョーグール』映画版が完成致しました」と挨拶。草場一平を演じた前野朋哉は、「すごく私事なんですが、ここの映画館(丸の内ピカデリー)でアルバイトをしてた事があって、自分が出た映画の舞台挨拶でここに立てたのはすごく緊張するし、なんだか楽しいです」とコメント。とても素敵なお話に感動して、ちょっとウルッとしてしまいました。
金木とのアクションシーンを撮った、亜門鋼太朗役の鈴木伸之は、「亜門鋼太朗は真っ直ぐな登場人物で、漫画を読ませて頂いたキャラクターのなかで、一番好きだなと思えたキャラクターでした。なので、やらせて頂いて本当に光栄です。漫画のなかで亜門って腹筋が180個くらいに割れてるんですよ。でもどうやっても六つにしか割れなくて、どうやって近づければいいかなってところから始まりました(笑)。アクションも窪田さんがすごく動ける方なので、本当にやっていてすごく楽しかったです」と撮影を振り返りました。
若干まあ…”って口ごもるもんですから。私はオファーを受けたときは原作を読んでなかったので、とにかく読んでくださいってことで原作を読みました。まあ、まどくれ(=真戸呉緒)の見てくれがひどいっていうか。相当ですよ、あの顔は、ね。片目がものすごく大きいんですよ。石田先生ももう少し実写化することをイメージして描かないと、あれを俺がやりますっていう人はなかなかいないですよ。それでどこまで見た目を寄せられるかわからないけども、頑張りましょうってことで。私がやるってことがネットで発表されたときには、“大泉じゃないだろう”って意見もありましたが、そりゃそうだろうと思うんです。あの見た目ですから。でも、なかにはね、“(私が役に)ぴったりだ”っていう奴がいる。ぴったりではないんですよ。寄せようがない!それなのに、あのビジュアルが出ても、“まんまだ”みたいな。まんまなわけはないんです。その辺がね、あまりにもハマってるって言われるのもちょっと違うんだよなって思えるビジュアルですね。そこはちょっと難しいところでしたけど、ハマってると言われるのは嬉しいですけどね」と複雑な心境を語り、会場のお客さんは大爆笑でした。
蒼井優は「私も映画ファンでありながら、普段あんまりこういうエンタテインメント作品に触れることがあまりないんですが、この作品を観て泣いてしまいました。とても大好きな映画なので皆さんと共有できると思うと嬉しいです」とコメントしていました。
『東京喰種 トーキョーグール』PG-12
映画『ボンジュール、アン』来日記者会見、エレノア・コッポラ監督、ダイアン・レイン、樹木希林(ゲスト)
4年ぶりの来日となるエレノア監督。前回はソフィア・コッポラ監督の来日記者会見にカメラマンとして同行していたとのこと。今回は自身の記者会見ということで、「自分が主役で記者会見することは初めてで、とても嬉しいです!」と喜びを爆発させていました。
らく考え込み、「アンと同じ経験をしたことがすでに一つの共通点。自然発生的な出来事に身をかませることは、現代人にはなかなかないことですが、今回は異文化への入口が“食”で、食事というのは誰もがするものでありながら、とても官能的で詩的な行為だと思うんです。もう一つは、人生のタイミング。私はちょうどアンと同じ年齢で、子ども達も巣立ってしまった。では、今後どうするのか?というところで、多くの人が共感できる非常にデリケートなテーマだと思います」とコメントしました。
映画の感想について聞かれると「私の周りにも、50歳を過ぎて“夫に連れ添い続けた自分は何だったのか”と、悩み始める方が大勢います。特に才能ある女性には多いですね。そういう人達がこの映画を観ると、胸に落ちるんじゃないかしら。私は50年近くも別居しているので、何も苦労していませんけど。だからこの映画に共感するところは、ちょっとないかもしれません」と独特の語り口で会場を沸かせました。
『ボンジュール、アン』
映画『ジョン・ウィック:チャプター2』来日ジャパンプレミア、キアヌ・リーブス、チャド・スタエルスキ監督/和田アキ子(ゲスト)
スタエルスキ監督は「2作目はレベルアップするということで、キアヌもレベルアップしなくてはならなかったんです。5ヶ月間みっちり訓練してもらいました。柔術、柔道、サンボ、ガン・フー、カー・フー(ドライビング)、フォーリング(落とされたり)、ファイティング(格闘)をやったけど、それでも彼は生きてるんですよ」と、キアヌのタフさを明かしました。さらに監督は司会から役作りでキアヌに実弾を使ってもらったという真相を問われると、「射撃の練習では、“3GUN”という3種類の銃を使う競技でチャンピオンのタラン・バトラーさんのもと、3ヶ月間、週に4、5日、実弾を使ってトレーニングをしてもらいました。銃を持ったキアヌはかなり様になっているので乞うご期待です」と答えました。
そして、司会が「今作の全米大ヒットを受けて、シリーズ3弾の発表がありました!」と声を高らかに公表すると、会場は大きな拍手に包まれました。でもキアヌが「ちょっと待って、ちょっと待って」と制止(笑)。「チャプター3が作られれば良いと思っていますが、それは観客の皆さんにかかっています。2を気に入ってくだされば…」とうまく煽りました(笑)。司会がちょっとだけでも3の話をしてもらえないか粘りましたが、“Uhhn, No! ”とぴしゃり(笑)。ツンデレぶりが可愛いかったです。ファンからさらに、3作目に日本人の刺客は登場するかという質問が出ると、「それはすごくイケてると思いますが、殺し屋に限らず違ったタイプのキャラクターでもありだとは思います」と答えました。「日本で撮影するのはどうか」という質問にキアヌは「皇居で撮影はできますか?外側だけでも良いので。お堀のなかに飛び込んだり」とジョークで返しました。監督は「六本木とか。撮影させてくれるならぜひ」と答えましたが、ぜひ日本を舞台に次回作を作って欲しいですね!
この日は和田アキ子がゲストで登壇。激しいアクションが満載の本作を観た和田は、キアヌがほとんど自身でスタントをやった事を絶賛。さらに司会から、伝説の殺し屋ジョン・ウィックに絡めて、キアヌの伝説として、“マトリックス”の大ヒットを受けて、スタントスタッフ全員にハーレーダビッドソンをプレゼントした事があるという話をふられたキアヌは、「2作目で、僕自身、スタントマン達13人が何ヶ月もかけて、アメリカではそれが初めてというようなアクションシーンを撮りました。
自分がそれを見事演じられたこと、それを支えてくれた皆さんに感謝の気持ちとして贈りました」と謙虚に答えました。そこへ和田がさらに「私のアメリカの友達に聞いたんですが、彼はギャラの半分以上をいろんな病院に寄付したり、すごく慈善事業をやっていらっしゃるそうで、すごいと思います」と、キアヌ伝説を披露。すると、キアヌは「とにかく、和田さんとここでこういう経験ができていることを光栄に思っていますし、ここに足を運んでくださった皆さんにはこの作品をぜひ楽しんで頂きたいと思います。大好きな日本にいるわけですが、本作自体が非常に日本に影響を受けた作品なので、皆さんに観てもらえることを嬉しく思います」と、照れ隠しでその場を締めようとしました(笑)。なんとキュートな!噂にはいろいろ聞いていましたが、本当に謙虚でさらにファンになりました。キアヌももう50代ですが、本作ではキレキレの激しいアクションを見せてくれます。間近で観たキアヌもまだまだ若くてカッコ良かったです。ぜひキアヌの雄姿を観てください!
『ジョン・ウィック:チャプター2』R-15+
映画『パワーレンジャー』ジャパンプレミア 舞台挨拶、デイカー・モンゴメリー、ナオミ・スコット、ディーン・イズラライト監督/勝地涼、広瀬アリス、鈴木達央、山里亮太、古田新太(日本語吹き替え版キャスト)/アントニオ猪木(スペシャル パワーアンバサダー)
87カ国で公開され、世界的なヒットを記録中の映画『パワーレンジャー』のジャパンプレミアが東京の両国国技館で行われ、主人公レッドレンジャー(ジェイソン)を演じるデイカー・モンゴメリー、ピンクレンジャー(キンバリー)を演じるナオミ・スコット、監督を務めたディーン・イズラライトがレッドカーペットと舞台挨拶に登場しました!さらに、日本語吹き替え版のキャストを務める勝地涼、広瀬アリス、鈴木達央、山里亮太、古田新太と“スペシャル パワーアンバサダー”としてアントニオ猪木も駆け付け、会場は大盛り上がり。今回のリポートでは、アントニオ猪木の“闘魂注入”の儀式が行われた舞台挨拶の模様をお届けします!
本作は日本の特撮テレビドラマ『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の英語版ローカライズ作品として世界160ヵ国以上で20年以上も放映され続けている『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』を、総製作費120億円でハリウッドが映画化した超大作。
ジェイソンの吹き替えを担当した勝地は「ジュウレンジャーを観て育ったので、レッドの声を演じられることがうれしいです!吹き替え版もぜひ観てください!」と観客達に呼びかけ、キンバリーの吹き替えを担当した広瀬は「初めて日本でレッドカーペットを歩かせていただき、こんなに大きな会場で舞台挨拶できて幸せです!」と喜びをあらわにしました。
ブラックレンジャー(ザック)役の鈴木は「吹き替えキャストとしてパワーレンジャーに関われることをうれしく思っています!」とさわやかな笑顔を見せ、アルファ5役の山里は「センキュー、センキュー!まさか、この私が綾部(祐二)よりも先にハリウッドデビューするとは!」とジョークを飛ばしながらも「アルファ5という大役に全身全霊で挑ませて頂きました!ぜひ吹き替え版も観てください!」と力強くアピールしました。ゾードン役の古田は「この作品の前に『忍風戦隊ハリケンジャー シュシュッと THE MOVIE』(2002)で宇宙忍猿ヒザールという役の声を演じましたが、ハリウッド映画では“壁”(の役)をやっております。人間もしくはレンジャーの役は一生こないんじゃないかと思いますが、ぜひ楽しんでください!」と茶目っ気たっぷりにコメントして観客達を笑わせました。
ここで、いよいよスペシャル パワーアンバサダーのアントニオ猪木がお馴染みのテーマ曲に乗って登場!開口一番「元気ですかーーー!」と雄叫びを上げると、会場はさらにヒートアップ!パワーレンジャーにちなみ、登壇者を代表して山里に“闘魂(パワー)注入”が行われることに…!
最後はお馴染みの「ダーーー!」をアレンジして、会場全員で拳を振り上げながら「イチ、ニ、サン、パワーレンジャー!」とコールして大盛況のうちに舞台挨拶は終了しました。