映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』スペシャル・ファンミーティング、トム・ホランド、アンソニー・ルッソ監督/溝端淳平(ファルコン役吹替)、佐野岳(“アベンジャーズ”ファン代表)
2018年4月27日の日本劇場公開を控え、“アベンジャーズ”メンバーの1人、スパイダーマンを演じたトム・ホランドと、アンソニー・ルッソ監督が来日しました。2人の登壇前に、ファン達はフッテージ映像を観ていたので、会場のファンを前にしたルッソ監督は、「皆さん、今の特別映像かなり気に入りましたよね?ちなみにスパイダーマンの登場、むちゃくちゃカッコ良くなかったですか?」と問いかけると、会場から大歓声が上がりました。続いてトムが「コンバンハ」と日本語で挨拶すると、またも会場から大歓声が上がり、続けて「先ほどの映像、信じられないくらい凄かったですよね」と声をかけました。今回初来日したルッソ監督は「本当に念願が叶いました。ずっと日本に来たかったんです。世界を代表する大都市の一つとして、いろんなイメージや映像を観てきて、自分の中でイメージもあったんですが、実際に来てみるとそれを上回る本当に素晴らしいところです。人生のなかでこんなに来るのが遅くなったのが信じられません。もっと早く来たかったです」と、日本をすごく気に入った様子。続けて、「かなりの特ダネになりますが、これから“インフィニティ・ウォー”の公開を控えているのですが、その後に控えている続編“アベンジャーズ4”で、日本がかなりフィーチャーされることになります」と大暴露!すると、トムが「僕に(暴露する)許可はおりてませんけど、監督は良いんです」とコメントし、笑いを誘いました。
次にトムは、アイアンマンを演じるロバート・ダウニーJr.とどんな関係か聞かれると、「素晴らしい体験をさせて頂いてますが、毎日現場で仕事をさせて頂く時に、朝顔を合わせて、彼からいろいろ意見を聞かされて、私の意見も言うんですね。ロバートは自分のエゴがないんです。あまり強く主張しないし、とても仕事熱心な方で、とても礼儀正しくて、真のプロです。彼と仕事をすることは夢のような体験でもあります。またハラハラさせられる緊張感もあるんですけども、本当に彼は才能に溢れる方で、即興も凄いんですね。なのでぼーっとただその場にいると、特に(アイアンマンが)オート・パイロットモードだったりすると、彼がいろいろな言葉を投げてくるので、ちゃんとそれを受け止めることができないと、愚か者に見えてしまうこともあるので、集中して撮影に臨んでいます」と答えました。そんなロバートは、お父さん的存在か、お兄さん的存在かと聞かれると、「彼の希望としてはお兄さん」と返しました(笑)。
次に、ルッソ監督は、“アベンジャーズ”のチームワークについて、「とにかくチームワークは抜群なんですが、撮影現場では一人ひとりが持ってくる情熱のレベル、エネルギーのレベルが半端ではないんです。プロ意識を持って、全員が集中してベストを尽くしてくれるわけですが、この作品ほど才能溢れるキャストが、これほどの人数で一同に会した映画はおそらくないと思います。長年に渡って、それぞれの単独のシリーズで自分のキャラクターを演じてきた皆がこうやって共演するという場がいかに貴重であるか、キャスト皆が自覚しているので、意気揚々と嬉しそうに共演を楽しんでいます。またこれだけのたくさんのキャラクターが登場する群像劇なので、誰か一人だけが主人公ではなく、全員が主人公という意味で、皆がお互いに支え合う、創造性と協調性の溢れる素晴らしい現場でした」と絶賛しました。
続いて、「振り返って、憧れのキャラクターがあれば教えてください」と質問されると、トムは「スパイダーマン!彼が凄いのは、自分がスパイダーマンであることを秘密にしているところですね。あれだけのスーパーパワーを持っていたら、自分だったらその能力を得たらすぐにインスタグラムにアップすると思いますが、彼は秘密にしていて、それはとても名誉のある素晴らしい高尚なことだと思います。自分の周りの人のためにもそうしていて、善い行いをしている人なんですね。他の人がなかなかしないことをするということで、最高のキャラクターだと思います」とユーモアたっぷりに答えました。そして、本作がヒーロー達が困難な状況に立ち向かう姿を描いているということで、困難な壁に直面した時に大切にしていることを聞かれたトムは、「それが成功するのか失敗するのかはさておき、とにかく自分の望みに対して懸命に努力をして最善を尽くすということがとても大切なことです。そういう姿勢でいれば、必要なことは達成できると思うんです」と熱く語りました。
そして、ファンからの質問で、ルッソ監督は「トムはどういった存在ですか?」と聞かれ、「隣りに本人がいるので、あまり褒めちぎると照れちゃうと思うんですけど(笑)、スパイダーマン役を選ぶのにはすごく難航しました。イメージを一新したスパイダーマンをお見せする上で、非常に重要なキャスティングでした。特に今までのイメージとガラッと変わって、原作コミックの通り、若々しさ溢れるキャラクターとして描きたかったんです。そういった意味で彼はピッタリだと思ったんですけど、そこは慎重に選ばなければいけないということで、何度もオーディションをしたんです」と話すと、トムが「なぜあんなにオーディションを受けさせたんですか?すごくストレスがあったのに」とツッコミました(笑)。すると、ルッソ監督は「オーディションを何度も繰り返した結果、他のキャストとの相性も重要になってくるので、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)と、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)と台本を読んだり、テストを繰り返していって、それを撮影しました。トムの俳優としての素晴らしさは映画を観て頂ければ、それが一番の説明になると思うので、それ以上、私が付け加えることはないんですが、まず身体的能力が非常に高いというところが魅力の一つだと思います。今でも忘れられないのは、オーディションで、スパイダーマンにやってもらうシーンについて、バク宙をして部屋に入ってくると書いてあったんです。それを読んだトムから、実際にバク転とか宙返りをしながら部屋に入っていけるけどやっていいかと聞かれ、やっても良いけど、万が一事故か何か起きた時に自己責任でやってくださいと言ったのを覚えています」と当時を振り返りました。トムは「たしか“合法的に私(監督)からどうぞとは言えないけれど、やりたいなら”と言われました(笑)。初めてアトランタでスクリーンテストを行った際に、当時自分は別の作品を撮り終えた後で、あるヘアカットをしていて、当時はそれがカッコ良いと思っていたと思うんですが、1年後にそれを観て、一体自分は何を考えていたのかと思うようなモップのみたいなとんでもない髪型でした」と、裏話を披露しました。発言がいちいち可愛いトムでしたが、途中おちゃらけてみせたりする様子もとてもキュートで、彼が若々しいスパイダーマンとして選ばれたのがすごく納得でした。


さらに今回のイベントでは、ファルコン役の声優を務めた溝端淳平と、“アベンジャーズ”ファン代表として佐野岳が登壇。佐野岳は、スパイダーマンを演じるためにニューヨーク訛りの練習や肉体的な役作りもしたトムに、「この役はできないと思う役はありますか?」と質問。トムは「Ah〜、No」と答え、会場から拍手が湧きました。これからトムがスパイダーマン以外にどんな役を演じるのか、それも楽しみですね。“アベンジャーズ”シリーズとして3作目となる今作では、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやドクター・ストレンジなど、さらにキャラクターが参戦します。キャストが豪華なだけでなく、ストーリーもスケールも最高のシリーズですので、お見逃しなく!

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』スペシャル・ファンミーティング:2018年4月16日取材 TEXT by Myson
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
2018年4月27日(金)より全国劇場公開
公式サイト
©Marvel Studios2018
トーキョー女子映画部での紹介記事
■映画批評&デート向き映画判定、キッズ&ティーン向き映画判定(後日アップ)
■映画批評『アベンジャーズ』(シリーズ1作目)
■映画批評『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(シリーズ2作目)
■TJE Selection イイ男セレクション/トム・ホランド
■TJE Selection イイ男セレクション/溝端淳平
■TJE Selection イイ男セレクション/佐野岳
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トム・ホランド、“スパイダーマン”オーディション時の恥ずかしい過去『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 はコメントを受け付けていません
映画『泣き虫しょったんの奇跡』ヒット祈願&会見、松田龍平、野田洋次郎(RADWIMPSボーカル)、豊田利晃監督、瀬川昌司五段(原作者)
2018年4月9日、将棋の聖地と言われる鳩森八幡神社で、本作のヒット祈願と会見が行われました。
自身も将棋をしていたという豊田監督は「僕は幼い頃から奨励会にいましたが、挫折した人間なので、挫折するまでは瀬川昌司五段にすごく共感できる部分がありました。僕は将棋を憎んじゃった人間でしたが、原作を読んだ時に憎しみみたいなものが消えて、そういう生き方もあるんだと、すごく感動しました。なのでぜひこの原作を映画化したいと思いました」と、映画化への思いを語りました。原作の映画化を聞いたときの感想を聞かれた瀬川昌司五段は、「話を聞いたのが昨年の3月頃だったんですけど、最初は冗談かなと、早めのエイプリルフールなのかなと思って信じられなかったです。素晴らしい監督、キャストでやって頂いて、夢のような話でとても嬉しかったです」と笑顔を見せました。
今回主演の松田は、「原作を読ませて頂いた時に、とても正直な気持ちを書いてらっしゃるなと思いました」とコメント。続いて、もともと友人で、今回初共演を果たした野田(RADWIMPSボーカル)について、共演の感想を聞かれた松田は、「楽しかったです。やっぱり才能が溢れ出ていてスゴいなと思いました」と褒めると、野田が「いい加減にしろよ(笑)」と、照れ隠しでツッコミを入れ、仲の良さを伺わせました。
さらに松田は「彼はミュージシャンで、(本業が)役者じゃないからこそ出てくる空気感があるなと思いました」と付け加え、一方で友人だったからこそ恥ずかしったシーンもあったと明かしました。そして豊田監督も、今回の野田の演技について、(ミュージシャンとして普段から)ライブでお客さんを目の前にしているから物怖じしないし、演技がナチュラルだったと褒めました。
原作者の瀬川は撮影現場にも足を運んでいたとのことで、「現場では、役者さんを役名で呼ばれるので、“昌司さん、出番ですよ”と言われて、僕が行くと“違います”って言われたことが何回かありました(笑)。初めての映画現場でしたが、スタッフ皆さん優しくて良い方ばかりで、僕にとっては忘れられない貴重な日々でした」と、エピソードを披露してくれました。現場で瀬川昌司五段は、プロと全く同じ作法をキャストに指導したそうです。
野田は、「瀬川さんはプロの棋士で、基本1人で孤独な戦いをされていて、ミュージシャンもずっと1人で曲を作ってて。でも、映画の現場はいろいろな人がいて楽しかったです」と振り返りました。
ここ数年でも将棋をテーマにした映画がいろいろ作られましたが、それだけドラマチックな世界なんだなと思います。本作の秋の劇場公開も楽しみです。
映画『女は二度決断する』来日記者会見、ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ファティ・アキン監督
本作は、ドイツのハンブルグで、トルコ移民の両親のもとに生まれたファティ・アキン監督が、ドイツで2000~2007年の間に起きた、ネオナチグループによる連続テロ事件に触発され作られた映画です。本作で主演のダイアンは、夫と息子をテロで亡くした女性を演じていますが、役作りについて聞かれると、「非常にいろいろな難しさのある役だったので、最初は“果たして私はこの役をこなせるのだろうか”という不安が多少ありました。私自身、子どもがいないので、そういった心配もありました。また、映画の最後で彼女はある決断を下すわけですが、その決断に向けてどのように芝居をしていこうか、そしてその最後のワンシーンを信憑性を持って演じることができるかといった不安がありました。撮影に入る前、一人で数ヶ月間、いろいろな役作りに時間を投じました。重要な要素となったのが、同じような境遇にいる遺族の方々とお会いすることでした。筆舌に尽くしがたい悲痛、苦悩を抱えている方々のお話を聞いて、次第に共感を覚えるようになりました。これが大きかったです。あとは監督とキャラクターについて話し合ったり、撮影に入る前にハンブルクでいろいろなところを訪れてみたり、カティヤは入れ墨をしているので、いろいろなタトゥーも試してみました。最終的に一番力になってくれたのが監督で、私は100%監督を信頼して、監督についていくという気持ちで臨むことができました」と、振り返りました。
そして、今回母国語ドイツ語での演技に初挑戦し、ドイツで撮影したダイアンは、「当然ながら、ドイツ語で演じるのと英語やフランス語で演じるのは違います。その違いは言語ゆえの違いというよりも、もう少し違うところにあるのかなと感じました。ドイツを離れて25年経つわけですが、久々に帰国して、長期間の撮影で実際そこで生活をしてみたわけですね。元々ドイツ出身なので、文化だとか、それぞれのキャラクターの背景だとか、キャラクター同士のやりとりも手に取るようにわかりました。そういうところは、例えばアメリカで映画を撮る時とは全然違います。どんなにあがいても、オハイオ育ちの女性やフロリダ育ちの女性の気持ちは、どうしてもわかるのに限界があるわけですからね。今回、ドイツでドイツ人の女性を演じた時の手応えといいますか、そこにいる空気や背景は、手に取るようにわかる感じは確かにありました」と語りました。
こうして聞くと、どんな決断だったか、皆さんとても気になりますよね!主人公の身になるととても難しい決断だと思いましたが、私はこのラストにすごく納得しました。ぜひ皆さんもご自身の目で確かめてください。
『女は二度決断する』
映画『ワンダーストラック』来日舞台挨拶、トッド・ヘインズ監督/鈴木福、鈴木梨央(ゲスト)
本作では、実際に聴覚障害を持つミリセント・シモンズが出演しているほか、何人か聴覚障害を持っている俳優が出演している点で、キャスティングの意図を聞かれたヘインズ監督は、「(ミリセント・シモンズが演じているシーンは)サイレントで描かれていますが、そこに実際に聴覚障害を持っている子を配役することで、真実味を出したり、彩りを与える意味で、とても重要だと思いました。アメリカ全国で探すことにしたのですが、聴覚障害の子をメジャー作品の主役にするとなると、当然ながらプロという人はいなくて、アマチュアを配役しないといけなくて、その責任や重要性をすごく考えながら探しました。最終的には、ローズ役を演じてくれたミリセント・シモンズというソルトレイクシティの女の子を見つけたわけですが、彼女の登場が私達の人生を変えてくれました。なぜなら彼女はカメラの前で本当に自然な演技をすることができて、私達が望んでいたことをすべて叶えてくれたんです。すごく才能のある子どもでした。また、サイレントパートでは、聴覚障害の俳優がたくさん配役されているのですが、実際のサイレント映画の時代でも、実はそういった方々が多く配役されていたんです。もちろん音はないですが、そういった方々は体を使った表現が非情に豊かだったので、サイレント時代には非情に重宝されたんです。今回はまさにそういった部分を活かしていきたいと思ったし、なるべく聴覚障害の人達との結び付きを強いものにしたいと思ったので、こういった配役にしました」と答えました。
そして、この日はゲストとして、鈴木福と鈴木梨央が登場。鈴木福は英語で挨拶し、鈴木梨央は主人公の1人、ローズを意識した衣装を着て、手話も同時に披露し、会場を沸かせました。そんな2人を観て感動した監督からも、サプライズでお土産が用意されており、デヴィッド・ボウイの“スペース・オディティ”のレコードがプレゼントされました。最後にヘインズ監督は、「この映画は私が本当に心を込めて作った作品で、自分が最も信頼するクリエイティブな人達と一緒に作った映画です。この映画は、子ども達に対して、そして皆さんのイマジネーションを広げるような作品であり、ニューヨークに対するラブレターでもあり、映画に対する愛が込められている作品でもあるんです。他の作品のように音声で語られていないという部分をビジュアルも含めて観て頂き、楽しんでもらえたらと思います」と締めました。切ないけれど、優しさ溢れる本作を皆さんもぜひご覧ください。
『ワンダーストラック』
映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』来日記念トークショー、リュック・ベッソン監督、アレクシアン・シラ(劇中歌/監督の姪)
続いて、シンガーソングライターで、本作の劇中歌を担当しており、ベッソン監督の姪でもあるアレクシアン・シラが登場。「彼女は私の姪です。『アーサーとミニモイの不思議な国』を作っていた時、彼女はまだ13歳でしたが、曲を書きたいと申し出てくれたんです。せっかくのクリエイティビティを止めたくなかったから、“じゃあ、やってみて”と言いました。そして書いてくれた曲がすごくダークで、“アレクシアン、これは子ども向けのアニメなんだけど”って言って、それは採用しませんでした。それから何年も経って、本作で曲を提供したいと言ってくれて、“あまりダークなのはやめてね”と伝えました。そしてこの曲を提供してくれて、プロデューサーであり僕の妻であるヴィルジニーと共に惚れ込みました。僕の姪だからといって採用したわけではなく、素晴らしい曲だから劇中歌になったのだと言わせてください。もちろん、彼女が姪っ子だということは誇りに思っています」と、アレクシアンの才能を叔父視点で優しく語りました。なんだか微笑ましいですね。
そして、アレクシアンがデビュー曲となった本作の劇中歌“A Million on My Soul”を日本初披露しました。歌い終えたアレクシアンは、「さっきのお話では小さい時に作曲をしたのは残念ながら使ってもらえませんでしたが、割と悲しい曲を書く傾向が自分にはあるからなんです。今回はすごくうまくハマったと思います」とコメントしました。
最後に、SF映画とそうでない映画の違いを聞かれると、「SFには一つの現実を追いかけなくてはいけない、忠実に描かなければいけないという義務がありません。すべてを自分で新しく作ることができるし、作り手にとって本当に楽しい作業なんです」と答えました。過去作品のお話もたくさん聞けて、ファンにはたまらないイベントでした。『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』も期待に応えてくれる作品になっていますので、ぜひ大きなスクリーンで、スケールを楽しんでください。
『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』
映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』来日記者会見、辻一弘
登壇した辻氏は、現代美術家として目の前に置かれているオスカー像のデザインや触り心地を聞かれると、「すごく素晴らしいデザインですね。他のトロフィーと比べても、デザイン的にプロポーションも素晴らしいです」とコメント。また、アカデミー賞受賞については「実際、この映画が獲ったっていうことに非常に意味があると思います。映画も素晴らしいですし、メイクも作品の一部として認められたというのが非常に良かったです。あと今回もそうですけど、日本に戻ってきて、こういうことができたり、日本の若い人で特殊メイクをしている人に、こういう可能性もあるんだっていう夢が与えられたことは、非常に良いと思います」と語りました。
本作では、ゲイリー・オールドマンが演じるチャーチルがほとんどの場面に登場して、ほぼ出ずっぱり。そういう意味での苦労や、メイクにどれくらいの時間がかかったか、またチャーチルのような歴史を動かした人物にただ似せるだけではなく、歩んできた人生みたいものを出すために、メイクで心がけたところは何かという質問も出ました。「今回この仕事を僕が受けた時、“僕はセットでメイクしたくないから”とゲイリーさんに言いました(笑)。僕が映画界を去った理由の一つが、大勢の中で一緒に仕事をするっていうのが嫌いで、1番最初にセットに入って1番最後に出るような仕事なんですね。今回は、ゲイリーさんと相談して、僕はデザイン、テストメイク、フィルムテストをして、メイクを完成させた後に、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビックの2人に、どういう風にやるのかお話しして、後はお任せしました。メイク時間は大体3時間15分から3時間半くらいです。結構タイトなスケジュールで、撮影は48日間。予算がすごくある映画ではなかったですが、ゲイリーさんがメイクをされるっていうことをちゃんと理解されていて、あとはスタッフ全員素晴らしい人ばかりだったので、こういう素晴らしい映画になったんだと思います。あとは、デザインの時に、行程として写真を色々集めたり、(チャーチル関連の)ドキュメンタリーを観たり、もちろん精神的にチャーチルがどういう人であったか理解をするのは非常に大事でした。表面的なことで似させると、どうしても演技にも繋がらないので、その点はいろいろリサーチしましたね」と明かしました。とてもストレートに発言される方で、聞いていて気持ちが良かったです。
一度映画の現場を去られて、本作で復帰した辻氏にとってのハリウッドはどういう世界なのかという質問には、「それこそ複雑な思いがあるんですけど(笑)、やっぱり映画の仕事をするのであれば経験しておく場所なので、すごいと言えばすごいですし、良いところも悪いところもいっぱいあります。一言では難しいですが、大変なことがいっぱいあるので、その中で生き残っていくというか、合う人じゃないと大変過ぎてもたないと思うんですね。僕もそうだったので。ただ一旦離れてみれたっていうのは非常に良かったです。外から見ると、また理解が深まるというか。今もロサンゼルスにいるんですけど、ポッと戻れるとは思いませんし、結局恵まれてたって思うんですよね。改めて見直して、自分の考えは正しかったとわかりました」と振り返りました。
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
映画『パシフィック・リム:アップライジング』ジャパンプレミア、ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド、菊地凛子、新田真剣佑、スティーヴン・S・デナイト監督/メイプル超合金【安藤なつ、カズレーザー】(スペシャルサポーター、ピンポイント吹替担当)
2018年3月26日、グランドオープンを目前に控えた東京の新スポット“東京ミッドタウン 日比谷”で、本作の来日ジャパンプレミアが行われました。大勢のファンに迎えられ登場したキャスト、監督はノリノリ。来日を記念しての自撮りにも夢中になっていました(笑)。
デナイト監督は「自分は日本が本当に好きで、昔からウルトラマンやマグマ大使、元祖ゴジラ映画とか、そういった日本の怪獣映画をたくさん観て、大ファンだったので、この映画を作って、こうして日本の皆様にお届けできるのは、少年時代の夢が叶ったような思いです」と感銘を受けていました。さらに、前作の監督ギレルモ・デル・トロから引き継ぐ上で気を付けた部分や逆に広げた部分があるかと聞かれると、「皆さん同意見だと思うんですけども、ギレルモ・デル・トロ監督は1作目で素晴らしい世界、キャラクター、ストーリーを創り上げていって、そうした土台があってこそ、この映画があるわけです。彼が創り上げたものをしっかり受け継いで壊さないようにしながら、さらに世界観を拡大してもっとさらに壮大なものを皆さんにお届けしたいという気持ちを込めて作りました」と語りました。
次に、この続編で登場する新しいキャラクターを演じる上で気を付けたこと、役に共感する部分を聞かれたジョンは、「本当に自分もこの役に共感することができて、まるで17歳の頃の自分を演じるような感じだったんです。いつもとても反抗的だけれど、置かれた状況のなかで成長していって、英雄のようになり、新しい世代を率いるリーダーになるような役をやりたいと思っていたので、とても楽しく演じることができました」と答えました。スコットは「僕自身もこの役を演じるのがとても楽しくて、パイロットの役なんですけど、実は実生活のなかでも僕はパイロットなんですね。また若い高校生達のメンター代わりということもあるのですが、自分自身も妹達がいまして、時にお兄さん風みたいなものを吹かせなければいけないので、そういう部分でこのキャラクターに繋がる部分があったと思います」と語りました。
前作から引き続き出演の菊地は、前作から約10年後の世界を舞台に演じることについて、監督とどんな相談をしたのかなどを聞かれると、「責任感が強くて、芯の通った森マコなんですけれども、それから10年経ってパイロットというところから少し離れて、また新しい闘いに挑むという姿勢は変わらずに、そこで弟のように一緒に成長していくリョーイチとの関係性を、映画のなかで育てられたと思っています」と振り返りました。リョーイチを演じた新田は一番苦労した事を聞かれると、「カンパーというコックピットに乗って、イェーガーを操縦するんですけど、スーツを着て、ワイヤーに繋げられたりして撮影するんです。僕のイェーガーは一番速いイェーガーだと言われていて、蹴りとかいろいろなアクロバットがあったので、カンパーに乗るまでの作業がとても大変でした」と話しました。

『パシフィック・リム:アップライジング』
映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』AnimeJapan2018スペシャルステージ、宮野真守、櫻井孝宏、杉田智和、梶裕貴、諏訪部順一、上田麗奈、小澤亜李
続いて、マーティン・ラッザリ役を演じた杉田智和が、新作の紹介をするという流れになりましたが、途中途中、チャチャを入れながら話すため、皆笑いっぱなしで「(内容が)頭に入ってこない」とツッコまれていました。
■宮野:2作目はより心情が揺れ動く内容になっています。
■櫻井:キャラクター達のドラマが濃厚になっていきます。
■杉田:ゴジラという未知のものに対して、人と人じゃない種族(異星人)などの価値観がはっきりと出てきます。
■諏訪部:第2弾は、ポスターでもフィーチャーされてますけど、我々“ゴリマッチョ星人”(諏訪部独自の言い回し)が開発したメガゴジラがどのような形で登場するのかが見どころかなと思います。
■梶:人間ドラマがベースにありつつ、今作はより激しいバトルが見どころの一つになっていて、アクションファンの方も楽しんで頂けると思います。
■上田:双子の少女達が出てくることによって、2人のゴジラに対する思いは、他のメンバーとはちょっと違う部分もあるので、その辺で物語がどう転がっていくのかっていうところにも注目して欲しいです。
■小澤:登場人物には女性が少ないですが、女性キャラクターの思いや感情の揺れ動きなどは、女性目線で思うところもあったので、女性もそういうところを楽しみに劇場に足を運んで欲しいと思います。
TVアニメ『学園ベビーシッターズ』キャストイベント、西山宏太朗、梅原裕一郎






『学園ベビーシッターズ』
映画『トレイン・ミッション』ジャパンプレミア、リーアム・ニーソン/観月ありさ(花束ゲスト)
ストーリーが捻られている本作について、脚本を初めて読んだ時の印象を聞かれると、「監督のジャウマが取材で言っていたんですけれど、以前ご一緒した『フライト・ゲーム』の心の続編のような映画で、ある意味その通りだと僕自身も思います。今回は飛行機の中ではなく、電車になるわけなんですが、実はこの電車、自分がよく知っている電車でした。というのは、ニューヨークの北部にある家に行く時によく使う電車なんですね。ここ25年の間、70〜80回くらいは実際に自分で乗っている電車でした。けれども実は、ニューヨークが舞台なのに、撮影はイギリスのロンドンで行っています。しかも屋外ロケではなく、ほとんどスタジオの中で撮っています。7車両の電車という設定ですが、作ったのは1車両というか、少し両サイドがついてるような、1.5分ぐらいしか作っていません。ニューヨークでよく見知った電車なのに、“なんでロンドンで撮ってるんだろう?”というシュールさはありました。そして、7車両分を1車両で替えて撮らなければいけないので、毎日撮影が終わると、スタッフさん、美術部さんが一生懸命、例えば1車両目を2車両目に見せたり、というような作業を行わなければいけなかったんです。そういった意味では本当に作るのが大変な映画だったんです」と撮影秘話を明かしました。
そして、この日は観月ありさが花束ゲストで登壇。足が長くてスタイルの良さは健在でした!長身の観月ありさですが、リーアム・ニーソンの背が高いので、ヒールを履けることを喜んでいました。美しい観月ありさを目の前にして、リーアム・ニーソンも終始笑顔。画になる2人だなと見とれてしまいました。それにしても、こんなにカッコイイ65歳いますかね!普段電車に乗ってるんだとわかり、好感度がさらにアップしましたが、彼の出演作は好きなものがたくさんあるので、今回の来日はとても嬉しかったです。本作でどんなカッコイイ姿を披露してくれているのか、皆さんもぜひチェックしてください。
『トレイン・ミッション』ジャパンプレミア:2018年3月18日取材 TEXT by Myson
『トレイン・ミッション』